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TSUTAYA TVの動画4万本をTVで視聴する「TSUTAYA Stick」
NTT東と提携、フレッツ光利用者に。ネット接続サポートも
(2013/4/16 20:23)
TSUTAYA.comとNTT東日本は16日、動画配信サービス「TSUTAYA TV」をテレビで視聴できるHDMI接続のスティック型端末「TSUTAYA Stick」を発表。NTT東日本の「フレッツ光」と無線LAN環境構築サービスと組み合わせて販売する。
両社は、動画配信のTSUTAYA TVと、光インターネットサービスであるフレッツ光の利用者数拡大を目的に協力/提携。無線LANルーターの接続経験が無い人や、スマートフォン初心者などに対し、“スマートテレビ”導入の障壁となるネット接続や機器設定、操作性、決済手段などの課題を解決することで両サービスのユーザー獲得を図る。
TSUTAYA Stickは、HDMI搭載テレビでTSUTAYA TVの約4万本の動画をストリーミング視聴可能にする端末。当初、「フレッツ光」の契約者(新規登録者含む)限定で提供。申し込みは、NTT東日本の「光セレクトショップ」や、TSUTAYA TVのサイトで4月17日の9時より受け付ける。TSUTAYA Stick単品購入時の価格は6,000円。サービス開始に当たり、ポイントプレゼントや体験キャンペーンも実施。詳細は後述する。
なお、フレッツ光ユーザー以外に対しても、TSUTAYA店頭での販売を6月より開始する予定。また、作品については、当初レンタル方式のみだが、'13年夏には、セルスルー(買い切り)サービスも追加予定。
TSUTAYA StickをテレビにHDMI接続後、スマートフォンを使って無線LANに接続、TSUTAYA TVにログインすることで視聴可能。なお、給電用にテレビのUSB端子とも接続する。操作はスマートフォン用の無料アプリ「T-リモコン」を使用する。同アプリの対応端末はiOS 5.0以降のiPhone 3GS/4/4S/5、第3世代以降のiPod touch、iPadと、Android 2.3以降のスマートフォン/タブレット。なお、このアプリはTSUTAYA Stick専用となっており、他のTSUTAYA TV対応機器の操作には対応しない。
視聴できる動画の数はHD動画を含めて約4万本で、アクトビラ ビデオやソフトバンクのSmart TVなどで提供しているTSUTAYA TVのサービスと同じ。画質は、高画質/標準画質の2種類から選択できる。なお、同じアカウントを使って、タブレットやスマートフォン、PCなどの対応機器でTSUTAYA TVを視聴することも可能。スマートフォンで視聴していた映画の続きを、TSUTAYA Stickを接続したテレビでレジューム再生することもできる。なお、同時にログインできるのは1アカウントにつき1端末のみとなる。
NTT東日本は、設置サポートとして2種類の方法を用意。電話サポート「リモートサポートサービス」は月額525円で、設定などが分からない場合に何度でも電話で問い合わせができるというもの。スタッフが訪問する「セットアップサービス」は、フレッツ光とひかり電話を新規に申し込んだ場合に受けることが可能で、無線LAN設定(3,045円)とTSUTAYA Stick(1,155円)を合わせた4,200円~の料金で利用できる。前述のリモートサービスに加入すると更に割引され、1,050円~となる。
TSUTAYA TVの決済はNTT東日本の「フレッツ・まとめて支払い」で合算されることから、クレジットカードなどを新たに登録する必要が無いことも特徴。
TSUTAYA.comでは、フレッツ光を新規登録する場合を対象としたキャンペーンを実施。5月31日までに申し込むと、TSUTAYA Stickと1万円分のTSTAYA TV視聴ポイントをプレゼントするほか、希望者にはTSUTAYA Stickと無線LANルーターの設定サポート費用に相当する額の商品券(6,000円分)もプレゼントされる。
これとは別に、NTT東日本が既存のフレッツ光ユーザー向けに、TSUTAYA Stickをプレゼントする体験キャンペーンも4月17日から実施。受け付けは5月17日の13時までで、フレッツ光メンバーズクラブの会員サイトから応募すると、抽選で1,000名にTSUTAYA Stickと、TSUTAYA TVの視聴ポイント2,000円分がプレゼントされる(発送は6月上旬)。なお、当選者は同サービスでの映像視聴に関するアンケートに答える必要がある。
そのほか、毎月1作品限定で、新作(400円)が、フレッツメンバーズクラブの200ポイントで視聴できる特典も用意する。
フレッツ光の顧客基盤と、サポート力を活かしユーザー拡大へ
NTT東日本の中川裕副社長は、2001年からスタートしたフレッツ光契約が、現在は975万ユーザー(エリアカバー率98%)に達している点と、総務省の調査('11年)では無線LANの利用者が58.5%で、予定ありの9.3%と合わせると7割に近づいている点を説明。
また、同社アンケート(12.5万人が対象)において、TSUTAYA会員は43.1%、元会員は25.9%を占め、TSUTAYAStickの利用意向についてはTSUTAYA会員のうち47.1%、元会員は39.4%が「利用したい」と回答した点を挙げ、「レンタルの利用をあきらめた人も、改めて映像を楽しめるようになる。レンタルのように返却する必要もないので、(TSUTAYA Stickの提供開始で)フレッツユーザーの数も増えるのでは」と期待を寄せた。
TSUTAYA.com側も、NTT東日本の巨大な顧客基盤と、これまでのインターネット接続サポートで培ったノウハウなどをTSUTAYA TVと組み合わせて提供することにより、サービスの拡大を狙う。
全国のTSUTAYA店舗を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブの副社長 兼 COOで、TSUTAYA.com社長の中西一雄氏は、「スマートフォンがそのままリモコンに変わり、40~50代の人でもストレスなく使える。キャンペーンなどを契機に、TSUTAYA TVを爆発的に拡大していきたい」と普及に向けた強い意欲を表した。
TSUTAYA TVの現在の利用者数はクレジット登録者数で約40万人。今回のTSUTAYA Stick導入によって目標とするユーザー増加数については、「今後計画しているキャンペーンなどにより、2ケタの万単位を早期に増やせるように取り組んでいきたい」(TSUTAYA.com TSUTAYA TV Unit Unit Leaderの渡邉健氏)とした。