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AKG、有線接続も可能なNFC対応Bluetoothヘッドフォン「K845BT」

Bluetoothヘッドフォン「K845BT」

 ハーマンインターナショナルは、AKGのBluetoothヘッドフォン「K845BT」を2月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は29,800円前後。

 昨年から発売している密閉型ヘッドフォン「K545」(実売約24,800円)をベースに、Bluetooth対応としたモデル。NFCに対応しており、右側のハウジングに内蔵されているセンサーに対応スマートフォンなどをワンタッチすれば、手軽にペアリングできる。

「K845BT」
NFCに対応。右ハウジングに対応スマホをワンタッチするとペアリングできる
K845BT

 Bluetooth 3.0に対応し、プロファイルはA2DP/AVRCP/HSP/HFP。コーデックはSBCに対応する。マイクも内蔵しており、スマートフォンと連携してハンズフリー通話も可能。ハウジングの側面に音量調整や再生制御用のボタンを備えている。

 ステレオミニの音声入力を備え、ステレオミニのストレートケーブル(1.1m)も同梱。有線接続すると、通常のパッシブ型ヘッドフォンとして利用でき、Bluetooth用のバッテリが無くなっても引き続き音楽が楽しめる。内蔵するリチウムイオン充電池の持続時間は8時間、充電所要時間は3時間。

有線接続も対応
ハウジングの側面に操作ボタンなどを備える
ハウジングは平らにする事もできる

 ヘッドフォンとしての仕様はK545をほぼ踏襲しており、ユニットは50mm径を採用。ドライバ本体や内部ハウジングの空気の流れを調整するポートを用いて、振動板の振幅時に発生する背圧を最適化する「ベンチレーション・システム」を搭載する。

 また、ハウジング内にはバスレフ・エンクロージャの役割を持つ、バスポート付きの内部ハウジングを用意。ベンチレーション・システムと合わせ、振動板のよりスムーズな振幅に効果があるとする。

イヤーパッドには低反発性クッション素材とプロテインレザーを使用

 イヤーパッドには低反発性クッション素材とプロテインレザーを使用。遮音性や装着感を高め、不快なムレも軽減するという。

 周波数特性は20Hz~20kHz。感度は102dB/mW。インピーダンスは32Ω。ケーブルを除いた重量は292g。

音を聴いてみる

 Xperia Z1とBluetoothで接続し、試聴した。

 K545の音がそうであるように、密閉型ヘッドフォンだが、非常に抜けの良い中高域が持ち味。ハウジングの付帯音も無く、広い音場にトランジェントの良いクリアな音が、ハイスピードで描写される。開放型のような中高域が心地良い。

 ではハイ上がりのバランスかと言うとそうではなく、50mm径ドライバによるシッカリとした音圧の中低域も実現。もたつかず、モコモコと不必要に膨らまない、中高域の傾向を阻害しない機敏な低音で、全体のバランスも良好だ。

 聴く前はBluetoothレシーバやアンプを内蔵した事で、ハウジングのスペースなどが阻害されて音場が狭くなるのではないかと懸念したが、そのような事は無く、繊細な描写力と合わせて、Bluetooth接続である事を忘れそうになる。有線接続も試したが、Bluetooth接続時と音のバランスや傾向がほとんど変わらず、完成度が高い。

 重量はK545の270gから292gと重くなっているが、ブラックを基調とした精悍なデザインと、金属パーツも使われた高級感のある外観から想像するよりもずっと軽く、持った時に驚きがある。大口径ユニットを搭載しているため、ハウジングやイヤーパッドは大型で、耳の外周をスッポリと覆う。軽量な点と合わせ、長時間の利用でも負担が少ないのはポータブルヘッドフォンとして魅力的だ。

 Bluetooth接続でもAKGらしい繊細な描写が楽しめる。また、装着感が良く、落ち着いた、大人っぽいデザインのBluetoothヘッドフォンを探している人にもオススメできる。

(山崎健太郎)