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藤子・F・不二雄、幻のアニメ「ジャングル黒べえ」「ウメ星デンカ」が初パッケージ化

 藤子・F・不二雄原作で、1973年に放送された「ジャングル黒べえ」と、1969年放送の「ウメ星デンカ」が初パッケージ化。どちらもDVD-BOXで、「ジャングル黒べえ」は12月9日に29,800円で、「ウメ星デンカ」は2016年1月6日に24,800円で発売される。初回生産限定。発売元は東映ビデオ。販売元は東映。

初回生産限定「ジャングル黒べえ」DVD-BOX
※ジャケットとは異なります(C)藤子プロ/TMS
発売日タイトル仕様音声品番価格
2015年
12月9日
ジャングル黒べえ
DVD-BOX
片面2層×5枚
本編775分
4:3
(1)モノラルDSZD-0814529,800円
2016年
1月6日
ウメ星デンカ
DVD-BOX
片面2層×4枚
本編650分
4:3
(1)モノラルDSZD-0814724,800円

 なお、東映ビデオでは両作品について、「本編の一部に現在では不適切と思われる表現が含まれている箇所があるが、作品の歴史的価値を尊重し、なるべく作品完成時の状態を忠実に再現することを優先して収録した」と説明。また、映像や音声の一部には、オリジナルマスターに起因する、現在の技術において修復困難なフィルム上の退色や傷、音声ノイズなどが発生するカ所があるとしている。

ジャングル黒べえ

 ピリミー国の王さまの息子、通称・ジャングル黒べえがひょんなことから来日。黒べえのピンチを、何をさせてもまるでダメな小学生・佐良利しし男が偶然助けたことから、義理がたい黒べえは恩を返すまで日本にとどまることを決意。得意の魔法でしし男のピンチを救おうとするが、毎回、逆にてんやわんやの騒動を起こす……という物語。

 黒べえの弟・赤べえや、ペットのパオパオ、ライバルの魔法使い・ガック、そしてガックがピリミーから呼び寄せる様々な珍獣など、藤子・F・不二雄作品らしいユニークなキャラクターが多数登場する。

 演出を出崎統、絵コンテは吉川惣司、石黒昇、作画監督は椛島義夫、杉野昭夫、脚本は金子裕、山崎晴哉といった、黎明期の東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)作品を支えた名匠たちが一堂に会して手掛けている。

 黒べえの声を、かつて「ドラえもん」でスネ夫を演じていた肝付兼太が、しし男の声は、キテレツ大百科のコロ助などで知られる、杉山佳寿子が演じている。「ウラウラ」、「ベッカンコ」、「これジャングルの常識!」など“黒べえ語”も当時子供たちの間で流行した。

 ディスクは5枚組で、全62話を収録。映像特典としてノンスーパーオープニングを収録予定。36ページのブックレットも同梱する。

ウメ星デンカ

 はるか宇宙の果てのウメ星の爆発により、王様とお妃、それにデンカを乗せた瓶(カメ)が地球の中村家へ漂着する。何かと揉めごとが起きるが、王様一家を気の毒に思う中村家は同居を許可。その日から王室と中村家の奇妙な共同生活が始まり、珍騒動が巻き起こる。

初回生産限定「ウメ星デンカ」DVD-BOX
※ジャケットとは異なります(C)藤子プロ/スタジオゼロ

 デンカがいろいろなアイテムを不思議な瓶(カメ)からとり出すのは、「ドラえもん」の原点ともいえ、この作品の人気を受けて「ドラえもん」の連載がスタートした。

 忠臣ベニショーガ、イモ掘りロボット・ゴンスケを始めとした藤子・F・不二雄作
品ならではのユニークなキャラクターも多数登場。声優、杉山佳寿子の主役デビュー作でもある。

 東京ムービー、スタジオ・ゼロ作品を手掛けた名スタッフが参加。彼らは後に「天才バカボン」、「ど根性ガエル」など、東京ムービー・ギャグアニメを生み出すことになる。

 ディスクは4枚組で、全52話を収録。なお、9話は映像のみの収録となる。特典映像として、ノンスーパーオープニング/エンディングを収録予定。36ページのブックレットも同梱する。

【訂正】
記事初出時に「ジャングル黒べえの9話が映像のみ」と記載しておりましたが「ウメ星デンカの9話が映像のみ」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。(2日0時追記)

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(山崎健太郎)