ニュース

シャープ経営再建に向け鴻海と協議継続。提案の有効期限は2月29日

 シャープと台湾 鴻海精密工業(ホンハイ)は5日、シャープの経営再建に向けた協議を行ない、「最終的な契約の条件について、適時かつ誠実に協議を継続する」、「鴻海は提案の有効期限を2月29日まで延長する」ことで合意した。

 なお、シャープは「鴻海に優先交渉権を与えた」とする報道に、「そのような事実は無い」とコメントしている。5日には鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)会長がシャープを訪問後に記者会見した。フジテレビのホウドウキョクによる会見中継を編集部で確認したところ、「優先的な交渉ができることになり、すぐに来日した」、「正式契約はできなかったが、90%は乗り越えた」、「シャープを分解することはない」、「40歳以下の人員を削減することはない。シャープの若い人に投資する」とコメントしていた。

ソフトバンクのPepper発表会に登壇した鴻海のテリー・ゴウ会長('14年6月撮影)

 シャープの再建においては、官民ファンドの産業革新機構(INCJ)と鴻海が、再建にむけた提案を行なっており、4日の決算会見において、シャープ高橋社長は、INCJと鴻海の2社に絞り、1カ月以内の契約を目指すと表明していた。

 シャープと鴻海は、2012年3月に資本業務提携を発表し、鴻海グループ4社を割当先とした約665億円規模の第三者割当増資により、鴻海グループがシャープ株式の約9.9%を取得予定だった。しかし、関係当局の許可が得られなかったほか、シャープ株価の低迷による条件再交渉などがまとまらず、出資が見送られた経緯がある。ただし、堺ディスプレイプロダクト(SDP)の共同運営など、同業務提携の一部は実行されている。

(臼田勤哉)