ビクター、3D対応D-ILAプロジェクタ最上位「DLA-X9」

-デバイスやバーツを厳選し、10万:1。105万円


DLA-X9

 日本ビクターは、3D対応のフルHD D-ILAプロジェクタ最上位モデル「DLA-X9」を12月中旬より発売する。価格は105万円。

 同社のD-ILAプロジェクタの最上位モデル。12月上旬発売予定の「DLA-X7(84万円)」をベースにD-ILAデバイスやワイヤーグリッドなどに厳選したパーツを採用し、ネイティブコントラストを10万:1まで向上(DLA-X7は7万:1)した「プレミアムモデル」と位置づける。初回限定100台には真鍮製のエンブレムプレートにシリアルナンバーを刻印する。また、保証書記載のアフターサービスも通常1年のものを3年に延長している。

 3板式0.7型/1,920×1,080ドットD-ILAデバイスを搭載したプロジェクタ。3D対応だが、メガネやエミッターなどは別売となっており、3D用赤外線送信機(エミッタ)「PK-EM1(9,450円)」と3Dメガネ「PK-AG1-B(17,850円)」などが必要となる。3D方式としては、フレームパッキング、サイドバイサイド、トップアンドボトムに対応する。

 動的絞りなどを使わない1フレーム単位でのネイティブコントラストで10万:1を実現。輝度は1,300ルーメン。新しい駆動方式の採用により、D-ILAデバイスをデジタル駆動し、従来のデジタル駆動方式の弱点とされてきた階調表現(階調段差)や疑似輪郭を大幅に低減したほか、120Hz駆動による3D映像に対応する。

 コントラストや選別パーツの採用以外の主な仕様はDLA-X7と共通で、レンズは電動2倍ズームレンズ(F3.2~4)で、レンズアパーチャーにより、絞りを16段階に調整できる。上下80%、左右34%の電動レンズシフト機構も装備する。ランプは220Wの超高圧水銀ランプ。キセノンランプに近い特性の色温度設定も備えている。

 独自の色再現技術「Real Color Imaging Technology」を搭載し、オリジナルのフィルムプリントの色情報を解析し、正確な色再現を実現。Adobe RGB領域を100%カバーする。また、新LSIの搭載により、色彩制御ポイントを従来の10倍に拡大している。

 R/G/B/Cy/Mg/YeとOg(オレンジ)の7軸の色相/彩度/明度の調整が可能。加えて、フィルムの階調を損なわずにバランスを取れるという「フィルムトーン」や暗部/明部の独立補正機能も搭載する。また、スクリーンの種類によるRGBの反射特性のバランスを調整する「スクリーン補正モード」を搭載。94種類のスクリーン情報を選択できる。

 入力端子はHDMI×2(CEC対応)、コンポーネント×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1、トリガー×1、3Dシンクロ×1、RS-232C端子×1を装備。Ethernetも備えている。

 消費電力は350W、騒音レベルは20dB(ランプ標準モード)で共通。外形寸法は455×472×179mm(幅×奥行き×高さ)、重量は15.1kg。



(2010年 11月 19日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]