エミライ、DAC「CAPRICE」の特別仕様モデル

-ノイズ対策や端子の変更など。17万9,800円


CAPRICE em edition

 エミライは、オーディオブランド「em(エム)」の新製品として、フィデリックス製DACの特別仕様モデル「CAPRICE em edition」を12月5日に発売する。価格は17万9,800円。

 ESS Technology製DACチップ「ES9018」を搭載し、光/同軸デジタル入力対応のCAPRICEに、電磁波ノイズ対策の新素材などを採用。端子や本体デザインにも変更を加えた特別バージョンとなっている。


3Pインレットのプラグを採用

 同軸デジタル入力にBNC端子も採用し、BNC/RCA各1系統とした。また、要望が多かったという電源ケーブル交換に対応するため、3Pインレットプラグを採用。動作確認用に、菱形のPSE対応電源ケーブルも付属する。

 本体カラーはブラックとし、レタリングも一新。LEDの色は、デジタル信号ロック時をレッド、アンロック時をイエローに変更した。

 その他の主な仕様は「CAPRICE」のベースモデルと同じ。DACチップのES9018は、1チップに8つの回路を備え、低ノイズレベル/低歪みを特徴としている。バイポーラ入力の高速アンプで構成する低ジッタクロックを専用シャント電源で動作させている。

 電源トランスはアナログ用に左右独立で2個、デジタル用に1個搭載。ショットキーバリアダイオードや、オーディオ用コンデンサ、オーディオ用抵抗を搭載。主要な外部端子はコネクタレス設計で、金メッキ処理されたものを使用している。

 背面のRCA出力は前面ボリュームによる可変出力で、DAC/プリアンプとして使用可能。ラインアンプはJFET入力のオペアンプを2回路並列にした完全DCアンプで、ヘッドフォン出力としても利用できる。背面のXLR出力(2番HOT)は、前面ボリュームを通過しないDACのダイレクト出力。バランス/アンバランス変換回路を排除している。

 内部基板上に32bit/192kHzや24bit/352.8kHzも入力可能なI2S信号やDSD信号の入力端子を装備。オプションとして、HDMIケーブルを用いたデジタル入力用基板も装着できる。


背面の入出力端子

 底部のディップスイッチでシャープロールオフ/スローロールオフの切り替えや、PLLのバンド幅、DSDのフィルタ特性、オーバーサンプリング、ジッター削減機能などの設定が可能となっている。

 ES9018が搭載する8チャンネル分の差動出力を、全てをモノラル出力することも可能。同製品を2台使って底面のディップスイッチで設定することで「理論上は無限に近いセパレーションが得られる」としている。1台の2チャンネル出力を並列接続すれば、135dBに近いダイナミックレンジを実現するという。

 入力端子は同軸/光デジタルが各2系統(同軸はRCA/BNC各1)、アナログ入力はRCA 2系統。出力はRCAとXLRが各1系統。参考値として出しているSN比とダイナミックレンジは131dB、全高調波歪み率は0.0008%、消費電力は15W。外形寸法は150×250×50mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.8kg。



(2011年 12月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]