アクシス、Dan D’Agostinoのステレオパワーアンプ

-KRELL創業者のブランド。MOMENTUMをステレオ化


シルバーモデル

 アクシスは、Dan D’Agostino(ダン・ダゴスティーノ)ブランドのステレオパワーアンプ「MOMENTUM(モメンタム) STEREO」を5月に発売する。価格はシルバーモデルが294万円、ブラックモデルが309万7,500円。

 Dan D’Agostinoは、かつてKRELLを創業したDan D’Agostino氏が立ち上げたブランド。2011年6月にモノラルパワーアンプ「MOMENTUM」(2台ペアで519万7,500円)を発売しているが、その開発で培った回路技術や、素材/構造技術を継承したのが「MOMENTUM STEREO」になるという。

 ステレオパワーアンプだが、左右で完全ディスクリート設計を採用。また、全回路でデジタル要素を一切排除しており、保護回路を含むすべてのコントロール回路などもアナログで構成。「音に悪影響を与えるデジタルクロックと信号の矩形波から解放され、アナログ増幅におけるピュアリティーを極限まで引き出す」としている。

 増幅素子には、高速で高出力なバイポーラ・パワートランジスターを、片チャンネルあたり、パワーステージとドライバーステージに計16個搭載。NPN/PNPの6パラレルでSEPP出力段を構築している。

 パワートランジスターは、堅固なステンレススチール・ファスナーによって銅のヒートシンクにマウント。銅はアルミに比べて1.7倍の熱伝導率があり、出力デバイスの熱を素早く吸収するという。また、冷却機構には、ベンチュリ構造を採用。分厚い銅のヒートシンクブロックを縦に貫く放熱穴を設け、上下の開口に対して中央を細く絞り込む構造で、「流体力学におけるベンチュリ効果を発生させ、下から上に吹き抜ける空気の流れを加速。極めて効率よく熱を放出し冷却する」という。

 出力は200W×2ch(8Ω)、400W×2ch(4Ω)、800W×2ch(2Ω)。消費電力は最大で780W、スタンバイ時は1W未満。アイドル時は100W。


ブラックモデル背面

 コンデンサ/抵抗素子には、超高周波数にも、低インピーダンスのスピーカー負荷でも安定性が保たれるという特製品を採用。出力回路のエミッター抵抗には、高精度1%の巻線タイプを厳選して使用している。

 製品は手作業で組み立てられ、シャーシには無垢のアルミ・ビレッド材を機械加工して使用。基板材にはスルーホール構造を採用。表面実装方式に比べて耐熱能力に優れているという。また、使用する全ての抵抗は高品位1%誤差のメタルフィルム・タイプ。アンプ回路は入力から出力まで全段DC結合で、信号経路へのキャパシターは挿入されていない。

 SN比は105dB。ゲインは25dB。入力端子はバランス(XLR)×1系統で、RCA-XLR変換アダプタを同梱。外形寸法は318×533×127mm(幅×奥行き×高さ)。重量は38.5kg。


(2012年 5月 9日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]