ラステーム、USB入力対応の4ウェイチャンネルデバイダ

-24bit/192kHz/非同期伝送可能。PCでフィルタ設定


DSP内蔵の4ウェイ対応チャンネルデバイダ「RCD-84」

 ラステーム・システムズは、USB/光/同軸デジタル入力も備えた、DSP内蔵の4ウェイ対応チャンネルデバイダ「RCD-84」を8月6日に発売する。価格は231,000円。

 USB Audio 2.0規格に対応し、24bit/192kHzまで対応するUSB入力と、同じく24bit/192kHz対応の光デジタル入力×2系統、同軸デジタル入力×2系統を備えたチャンネルデバイダ。出力としてアナログRCA×4、バランスXLR×4、同軸デジタル×4を搭載。

 内部で周波数分割されたアナログ/デジタル音声が出力され、それらを別途パワーアンプに接続。そこからスピーカーユニットを直接駆動することで、スピーカー内部にネットワークが不要なマルチウェイスピーカーが実現できる。出力は4系統であるため、4ウェイスピーカーまで構築可能。

 豊富なデジタル入力を備えているのが特徴。USB入力用にはXMOS製のコントローラを実装。USB Audio 2.0(High-Speed)に対応し、24bit/192KHzの音声をアシンクロナス伝送できる。USBオーディオの信号は絶縁されており、PCからの5V電源リップルノイズを遮断。さらに、±1.0ppmのTCXO(温度補償型水晶発振器)も使用し、ジッタを抑制している。

 対応OSはWindows XP/Vista/7で、専用ドライバを同梱。Mac OS 10.6.3以降も対応し、標準ドライバで動作可能。Windows用専用ドライバはASIOにも対応。Vista/7ではWASAPIも利用できる。


背面

 前面には液晶ディスプレイを備え、6種類のメーターが表示可能。VUメーター、ピークメーターは入力されたデジタルオーディオ信号を直接演算することで、誤差の無い高精度な表示を可能にしたという。なお、ユーザーが好きな画像を全面に表示したり、画面上部に表示する事もできる。明るさ調整も可能。

 付属のPC用ソフトでフィルタ特性、タイムディレイ(タイムアライメント)、位相の反転などの設定が可能。フィルタ特性では、1chあたり最大7段まで設計でき、LPF・HPF・BPF・Notch・Peakingから、自由に組み合わせることが可能で、Qファクタ、ゲインの設定も可能。内部メモリに5種類までのフィルタ特性を記憶でき、音楽ジャンルに合わせて変更する事も可能。

 タイムディレイは距離、または時間による調整ができ、距離では1.8mmステップで0mm~29,313mm(約29m)、時間では0.0052msステップで0ms~85.312msまでの細かな設定が可能。各ユニットから耳への到達時間/距離を正確に合わせられるという。

 リモコンも付属。リモコンから、フィルタ特性分割後の各出力チャンネルごとに音量調整ができる。全体の音量調整や各ユニットのミュートなども可能。個別音量調整やミュートの機能を使用すると、フィルタ特性カーブ画面にも反映され、セーブされたデータはPCに吸い出す事もできる。

 電子ボリュームを採用し、ギャングエラーを解消。スムージングボリューム技術により、ボリューム値の微調整ができるという。

 消費電力は最大20W。外形寸法は420×260×88mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.9kg。



(2012年 8月 3日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]