テックウインド、フェラーリ監修のLogic3製ヘッドフォン

「スクーデリア」ピット使用品のデザイン。4機種


Scuderia Ferrari P200 OE

 テックウインドは、フェラーリが監修した英Logic3製のヘッドフォン/イヤフォン「Ferrari by Logic3」の日本国内での取り扱いを開始した。ヘッドフォン2モデル/イヤフォン2モデルをラインナップし、既にアップルストアで販売されている。

 アップルストアでの価格は、フェラーリを象徴するレッドカラーのヘッドフォン「Scuderia Ferrari P200 OE」が19,800円、レザーやメタルを取り入れたヘッドフォン「Ferrari Cavallino T250 OE」が24,800円。


新モデル4機種。左上から時計回りに、T250、P200、T150i、S100i

 イヤフォン2機種はカナル型(耳栓型)で、アルミハウジング採用の「Ferrari Cavallino T150i IE」が17,800円。レッドカラーなど2色展開の「Scuderia Ferrari S100i IE」が9,800円。

 「P200」と「S100i」のハウジング部には、“跳ね馬”の愛称で知られる「カヴァッリーノ・ランパンテ」のエンブレムが装飾。これらのモデルは10月27日~28日に東京・スタジアムプレイス青山で開催される「秋のヘッドフォン祭2012」で出展される予定。テックウインドのブースでは、Westone、House of Marley、SRS製品も出展される。



■ ヘッドフォン

P200

 「Scuderia Ferrari P200 OE」は、F1チーム「スクーデリア・フェラーリ」のピットで使用されるヘッドフォンのデザインを取り入れたというモデル。カラーはRedのみ。

 カーボンファイバー製のイヤーカップや金属製のアームを採用し、装着性を高めている。50mm径ユニットを搭載。周波数特性は20Hz~20kHz。感度は110dB。インピーダンスは32Ω。ケーブルは着脱式で、通常のステレオミニケーブルのほか、スマートフォンのマイク/コントローラ付きケーブルも付属する。


ヘッドバンド部イヤーパッドケースやケーブルなどの付属品



T250

 「Ferrari Cavallino T250 OE」は、メタルハウジングやレザーを取り入れたデザインが特徴。カラーはBlackとTanの2色を用意する。

 ユニットは40mm径。ヘッドバンド部の折り畳みも可能。周波数特性は20Hz~20kHz、感度は110dB、インピーダンスは32Ω。ケーブルは着脱式で、通常のステレオミニケーブルのほか、スマートフォンのマイク/コントローラ付きケーブルも同梱。


ハウジング部折り畳み可能付属品


■ イヤフォン

T150i

 「Ferrari Cavallino T150i IE」は、ハウジングにアルミニウムやレザーを使用。深い低音と広い周波数範囲をカバーするという技術「TFAT(Thin Film Acoustic Technology)」を搭載する。カラーはBlackとTanの2色。

 「Scuderia Ferrari S100i IE」は、スクーデリア・フェラーリのF1カーにインスピレーションされたというモデル。T150と同様に「TFAT」を搭載し、高音質化を図っている。カラーはRedとWhiteの2色。

 ユニット径はいずれも10mm。周波数特性は20Hz~20kHz、感度は97±3dB、インピーダンスは16Ω。ケーブルは、不織布で被覆しており、インラインリモコン付きとなっている。シリコンイヤーピースが付属する。

T150iのイヤーピースを外したところケーブルはリモコン付きケースなどの付属品
S100iイヤーピースを外したところケースなどが付属する


■ モデルによって大きく傾向が異なる音質

 iPhone 4SとウォークマンNW-F807を使って、新モデル4製品を試聴した。

 イヤフォンの「T150i」は、落ち着きのある外観から繊細な音質をイメージしていたが、予想に反してパワフルな低域が印象的。ロックやポップスのボーカルの量感がある音源を気持ちよく聴かせてくれる。女性ボーカルの繊細さや余韻を楽しむというのにはあまり適しておらず、ベースやバスドラムなどがボーカルよりも前に出てしまう傾向も感じられた。

 フェラーリ・レッドが鮮やかな「S100i」は、上記の傾向がさらに強まり、低域が音楽全体を覆いそうなバランス。ダンス/クラブ音楽やヒップホップなどに没頭するといった使い方に適していそうだ。音質うんぬんより、フェラーリのデザインで所有感を満たしてくれるモデルといえる。

 ヘッドフォンの「P200」も、レッドが目を引く派手なデザインだが、見た目のインパクトとは異なり、こちらはバランスのとれた音に仕上がっている。ギター/ベース/ドラムなどの各パートとボーカルを描き分けた上で、全体のまとまりを感じられる素直な音質。アラウンドイヤー型としては音場が狭めだが、その中でも定位が明確に分かれており、窮屈さは感じない。低域が抑え気味なのではなく、ドラムのアタック音にもキレがあり、今回試した4モデルの中で一番好印象だった。

 高級感のあるデザインの「T250」は、S100iなどと同様に低域を強調した音質が特徴で、ベースやドラムの押し出しが強い。ドラムソロの演奏を聴くと、まるでキックがすぐ近く、ハイハットが遠い向こうにあるような差が感じられた。ポータブル向けのためか、P200に比べて側圧はやや強めだった。

 デザインのインパクトなど「フェラーリ仕様のヘッドフォン」という魅力は4機種共通だが、4モデルで音質は大きく異なっていた。見た目の印象とは違う音だったので、ヘッドフォン祭2012などで、実際に聴き比べることをおすすめしたい。



(2012年 10月 23日)

[AV Watch編集部 中林暁]