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ユキム、ELACの最上位ブックシェルフ「BS314」

JET V+新ウーファ。アルミ押し出し筐体採用

BS314

 ユキムは、独ELACのブックシェルフスピーカー最上位モデル「BS314」を11月1日に発売する。価格はペアで693,000円。仕上げはハイグロス・ブラック(HB)。専用スタンドの「LS65II」も別売で用意し、価格はペアで173,250円。

 300シリーズとして発売されている「330」の後継モデル。6月に発売された「BS312」(ペア283,500円)の上位モデルにあたる。

 筐体サイズは330と同じだが、ウーファのサイズが大型化。磁気回路にネオジウムマグネットを使った180mm径の「LLD(ロング・リニア・ドライブ)ユニット」を採用している。このウーファに、最新のJET Vツイータを組み合わせ、ネットワークも高品位化。「世界で最も優れたブックシェルフを目指した」という。

ウーファユニット

 ウーファユニットはBS314用に新設計されたもので、振動板はクルトミューラーのセルロース・パルプとアルミを使ったハイブリッドタイプ。クリスタルラインのパターンがプレスされているが、そのパターンも新たに最適化したという。バッフル面はアルミダイキャストで、裏側まで続くバスケットまでを一体成型とする事で強度を高めている。

 磁気回路は、ネオジウム・マグネットを円形状に配置したLLD仕様。小型でも、協力な磁力が得られる工夫となっている。他にも、ボイスコイル内径の拡大や、共振周波数近くの振動を抑えるためにアルミニウムリングの追加など、細かなリファインも行なわれている。

ツイータは「JET V」

 ツイータはBS312にも使われている、最新の「JET V」。JET IIIからの進化点として、構成する素材が従来のアルミと樹脂ではなく、リング部やバッフルなど、全てをアルミダイキャスト製に変更。開口部もJET IIIの5ギャップから4ギャップへと変更し、放射特性を改善したという。

7.5mm厚のアルミ押し出し材を使用

 振動板は従来同様カプトンだが、アルミ電極パターンを改良。振動板の実行面積が20%拡大し、パワーハンドリングが大きく向上したという。磁気回路も強力なものに変更。こうした変更により、共振周波数を低い値に抑え、可聴レンジから大きく遠ざけた。

 筐体には、従来から変わらず7.5mm厚のアルミ押し出し材を使用(BS312は6.5mm厚)。独自形状の効果も合わせ、堅牢な作りになっており、「一般的なMDFで同じ強度を持たせるためには、何倍もの厚さが必要になる」という。側面に備えた3本の凹凸は、デザインだけでなく、ウーファの振動をキャンセルさせる役割も持っている。

ネットワークには空芯コイルを使用

 ネットワークも見直し、空芯コイルを採用。特注品の高品質パーツを多数採用したという。ツイータのセクションには、MPT(ポリプロピレン・フィルム・コンデンサ)、ウーファ向けにはMKT(金属処理されたポリエステル・フィルム・コンデンサ)を使っている。

 クロスオーバー周波数は2.7kHz。全体の再生周波数帯域は40Hz~50kHz。能率は87.5dB。インピーダンスは4Ω。

スピーカーターミナルはシングルワイヤ

 スピーカーターミナルは「ソリッド・メカニカル・バインディング・ポスト」と名付けられており、ターミナルは手に持った時のサイズ、回しやすさも計算して設計。使いやすく、確実なロックができるという。

 なお、シングルワイヤ接続で、バイワイヤ接続には対応していない。ELACは、バイワイヤ接続の利用者は全体の数%であると共に、「バイワイヤ接続で優れたパフォーマンスを披露するためには、アンプの能力やスピーカーケーブルの適切な選択といった複数の条件が揃う必要がある。また、バイワイヤ設計のスピーカーをシングルで使う場合、ジャンパープレートを介する音質劣化も避けられない」と説明。ネットワークをシンプルにする事で、「バイワイヤを正しく使った時と同等の素晴らしいクオリティで再生できるよう、シングルワイヤでの設計を決定した」としている。

 外形寸法は188×325×278mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10.5kg。

(山崎健太郎)