ニュース

ユキム、独ELACの300シリーズ4代目「BS312」

「JET V」搭載。アルミ筐体でペア約28万円

BS312

 ユキムは、独ELACのスピーカー「300」シリーズの4代目となるブックシェルフスピーカー「BS312」を6月に発売する。価格はペアで283,500円。別売の専用スタンド「LS70 II HB」もペア68,250円で発売する。

 15年前に発表された「CL310JET」から、「CL310.2JET」、「310CE」と続き、4代目となる300シリーズの新機種。2ウェイ、バスレフ型のスピーカーで、ツイータに400シリーズにも採用されている新ツイータ「JET V」を採用しているのが特徴。

新ツイータ「JET V」

 JET IIIからの進化点として、構成する素材が従来のアルミと樹脂ではなく、リング部やバッフルなど、全てをアルミダイキャスト製に変更。開口部もJET IIIの5ギャップから4ギャップへと変更し、放射特性を改善したという。デザイン面でも、表面からネジが無くなり、クリーンなイメージになったという。

 振動板は従来同様カプトンだが、アルミ電極パターンを改良。振動板の実行面積が20%拡大し、パワーハンドリングが大きく向上したという。磁気回路も強力になっている。こうした変更により、共振周波数を低い値に抑え、可聴レンジから大きく遠ざけたという。

ウーファ

 ウーファは新設計で115mm径。クルトミューラーから供給されるセルロース・パルプと、アルミを組み合わせたハイブリッド振動板。クリスタルラインのパターンを施しているが、このパターンを新たに最適化したという。バッフル面は樹脂からアルミダイキャストに変更。裏側に続くバスケットまでを一体成型とする事で、強度を高めた。

 310に搭載していたウーファと比べ、ラバーエッジが約50%アップし、マグネットも強化。「150mm径ウーファに匹敵する低域を115mmで得ることができた」としている。

 筐体は6.5mm厚のアルミ押し出し材を使用。側面には、ツイータとウーファの間に3本の凸凹があり、これによりウーファの振動をキャンセルしているという。

 コンパクトなスピーカーだが、薄いため、内部容量は「BS243BE」など、通常のブックシェルフと同程度を確保している。ネットワークには、空芯コイルを採用。特注品の高品質パーツを新たに多数採用したとしており、ツイータ部にはMPT(ポリプロピレン・フィルム・コンデンサ)、ウーハー部にはMKT(金属処理されたポリエステル・フィルム・コンデンサ)を使用している。

 リアバスレフ。スピーカーターミナルは、400シリーズで採用された「ソリッド・メカニカル・バインディング・ポスト」を採用。「手に持った時のサイズ、回しやすさまで計算した」という設計で、表面は金メッキ仕上げとなる。

ネットワーク部分
背面。シングルワイヤ接続のみに対応する

 なお、接続はシングルワイヤのみ。バイワイヤリング接続率の低さや、バイワイヤでパフォーマンスを引き出すにはアンプやスピーカーケーブルの条件が揃っている事、バイワイヤ対応スピーカーをシングルワイヤで使うと、音の劣化要因となるジャンパプレートを使う必要がある事などから、あえてシングルワイヤのみにしたという。

 再生周波数帯域は42Hz~50kHzで、クロスオーバー周波数は3,200Hz。能率は87dB(2.83V/1m)、インピーダンスは4Ω。定格入力は75W、最大入力は100W。外形寸法は208×123×270mm(縦×横×奥行き/サランネット非装着時)。重量は7kg。仕上げはハイグロス・ブラック。

 専用スタンド「LS70 II HB」は、スピーカーを乗せる天板と、ベース部の双方にスパイクを採用。転落防止のためのネジロックも可能。

(山崎健太郎)