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キヤノン、フルサイズで5,060万画素「EOS 5Ds」、エントリー2機種も
(2015/2/6 13:00)
キヤノンは、有効約5,060万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「EOS 5Ds」と、センサー前のローパスフィルタをキャンセルした「EOS 5DsR」の2モデルを6月に発売する。価格はオープンプライス。ボディのみの価格は「5Ds」が468,000円前後、「5DsR」が498,000円前後。
さらに、一眼レフのエントリーモデルとして「EOS 8000D」と「EOS Kiss X8i」を4月にそれぞれ発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、ボディ単体の場合、8000Dが97,800円前後、X8iが92,800円前後。レンズキットの価格は、8000Dの18-55セットが134,800円前後、ダブルズームキットが134,800円前後。X8iの18-55STMキットが101,800円前後、ダブルズームが129,800円前後。
EOS 5Ds/5DsR
2,230万画素のセンサーを搭載した5D Mark IIIと比べ、有効約5,060万画素と大幅に高画素化。風景など、解像感が求められる領域で威力を発揮するという。
「5DsR」は、解像感を低下させるセンサー前の光学ローパスフィルタの効果をキャンセルする機構を搭載。約5,060万画素の解像力を余すことなく引き出すモデルと位置付けている。ただし、フィルタ効果をキャンセルした事で、偽色や色モアレは出やすくなっており、「これらを回避する観点から、光学ローパスフィルタは必要であるというキヤノンの主張に変更は無く、自力で対策ができ、解像度を優先する一部のユーザーがターゲット」だという。
EOSシリーズとして初めて、ピクチャースタイルに「ディテール重視」を導入。細かい部分のエッジ強調がかかりやすく、かつ輪郭を細く、拡大時の品位を良くしたモード。カスタマイズも可能で、シャープネスの項目に「細かさ」や「しきい値」を用意している。
カメラの振動ブレ対策機構として、「ミラー振動制御システム」を導入。従来のバネ式ではなく、7D Mark IIと同じモーターとカム駆動による新しいミラー機構で、ミラー駆動時に発生する振動を低減する事で、カメラの振動ブレを抑制。CMOSセンサーの解像力を引き出しつつ、静音化にも効果があるという。
さらに、ミラーがアップした衝撃が収まってから露光を開始する事で、振動ブレを低減する「レリーズタイムラグ任意設定」機能も用意。「しない(デフォルト)」、「レリーズボタン全押しで2回撮影」、「1/8秒後に撮影」、「1/4秒後に撮影」~「2秒後に撮影」などが選択できる。従来のミラーアップ撮影と違い、レリーズのために再度シャッターボタンを全押しする必要がないことも、振動ブレ対策に効果があるという。
高画素を活かし、擬似望遠撮影が可能なクロップ撮影機能を搭載。1.3倍、1.6倍、アスペクト比1:1のクロップができる。野鳥やスポーツ撮影など、望遠効果が欲しいシーンでの活用を想定。1.6倍クロップ撮影時は、画面のほぼ全域で位相差AFが可能になる。
動画撮影機能ではEOS初となる、タイムラプス撮影に対応。撮影前に静止画を試し撮りし、構図や露出の確認が可能。レリーズは電子先幕シャッターで制御しているため、シャッターの耐久回数に影響する事なく、3600回までの撮影枚数を設定できる。撮影間隔は1秒から99時間59分59秒まで指定可能。撮影した静止画は、つないで動画として記録される。
8000D/Kiss X8i
どちらのモデルも、2,420万画素のAPS-Cセンサーを搭載。「8000D」は「プレミアムエントリー」と名付けられ、男性の30歳以上、特に50代の入門者を重視して開発された。映像エンジンは「DIGIC 6」。上位機種の70Dが搭載している、オールクロス19点AFセンサーを搭載し、Kiss X7iから大幅な強化を行なっている。
「Kiss X8i」は、子供の成長を撮影したい、30~40代のファミリー層、特に女性を重視したモデル。
どちらのモデルも、新測光システムとして、7,560画素のRGB+IR測光センサーと、色情報を加味した測光アルゴリズムを採用。精度の高い露出制御ができるとする。
色情報を加味した動作ができる事から、EOSシーン解析システムも進化。人物の撮影時に、顔の明るさを適切に仕上げる機能では、肌色検知によってARの精度をより向上。夕焼けを色鮮やかに仕上げるモードでは、近赤外光検知で夕焼けであると判断する精度がさらに向上する。
色情報の活用は、AFにおいても行なわれ、人物撮影時に人肌を検知する事で、人物に優先的に合焦する。さらに、蛍光灯下での撮影で使える機能として、フリッカー光源の影響による露出変化を検知、蛍光灯が光るタイミングで撮影する事もできる。
AFには、コントラストAFと像面位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドCMOS AF III」を使用。従来と比べ、位相差AFの精度を向上させたほか、位相差AFでおおまかにレンズを動かし、最後の微調整をコントラストAFで行なうという基本動作は引き継ぎながら、シーンによっては位相差AFのみで合焦を可能にした。これにより、X7との比較でAF速度が最大4.8倍に高速化したとする。
エントリーモデルとしては初めて、NFCと無線LAN機能を備え、スマートフォンとワンタッチでペアリングし、カメラのデータを転送可能。別売の画像/動画ストレージ「CS100」とタッチして、データを保存。CS100からテレビに表示する事もできる。
動画撮影のEOS MOVIEでは、前述のハイブリッドCMOS AF IIIが利用できるほか、新たにオートウインドカット機能や、MP4での録画機能を搭載。
8000Dのみの機能として、動画撮影時のデジタルズームや、明暗差の激しいシーン撮影で活用できるHDR(ハイダイナミックレンジ)動画撮影にも対応する。サーボAF時にピントを合わせ続けながら、最高約3コマ/秒の連続撮影が可能。連続撮影中もライブビュー液晶の表示は消えないため、被写体を追いかけながら撮影できるとする。