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実質1万円? ピクセラの地デジTV「PRD-LA103-16」を試す

−低価格ながら使い勝手の良い、“軽い”テレビ


ピクセラの16型地デジ液晶テレビ「PRD-LA103-16」

12月初旬発売

標準価格:オープンプライス

実売:2万円前後

 一昔前は、地上デジタルチューナが1万円を切るかどうかが地上デジタル普及の分かれ目とされていたが、今年の9月にはイオンが、ジャスコやサティなどで5,000円を切る、4,980円のチューナ「PRD-BT102-PA1」を発売(製造担当はピクセラ)。1万円以下のチューナは珍しくなくなったほか、経済的に困窮度の高い世帯に簡易地デジチューナを配布する総務省の事業も、申込受付を開始するなど、地デジチューナは急速に身近なものになりつつある。

 そんな中、注目を集めているのが、“安価な地上デジタルテレビ”だ。個人ユースを想定した小型モデルは3万円以下の“激安”と言える機種が人気で、最近ではドン・キホーテが、13.3型の「WS-TV1310SKシリーズ」を18,700円で発売。価格と同時に、スケルトンボディを採用したことでも話題となった。

 また、PC用地上デジタルチューナなどで実績を持つピクセラも、同社AV家電ブランド「PRODIA」シリーズの新製品として、16型の地デジ液晶テレビ「PRD-LA103-16」を発売する。こちらはオープンプライスだが、実売は2万円を切る見込みだ。

 これらのテレビはエコポイント対象(26V未満は7,000ポイント)であるため、ポイントを割り引いて考えれば、標準価格が2万円でも、実質13,000円程度で購入できる事になる。また、古いテレビを出してリサイクルポイントを3,000円もらうと、実質1万円程度になるというのが1つの“ウリ”だ。

 ここまで安くなると、現在使っているアナログテレビが小型の場合、「単体デジタルチューナを追加するのと、テレビごと新しく買うのとたいして値段が変わらない」状態になってくる。また、この価格ならば、書斎や寝室などに、パーソナルユースの“2台目”の地デジテレビを気軽に置くことができそうだ。

 今回はピクセラから「PRD-LA103-16」を借りて、細部や使い勝手、画質などを検証した。チューナは地上デジタルとアナログを各1系統。内部ボードは自社設計で、各チューナをワンボード化することで、この価格を実現したという。また自社によるソフトウェア設計やハードウェアの品質チェックにより、「低価格ながらも安心・安全の品質を保っている」というのが特徴だ。


■ 中身はシンプル

 梱包箱はオーソドックスなダンボール。表側にピクセラのAV家電ブランド「PRODIA」のロゴが大きく印刷されている。その下に「ピクセラは日本の地上デジタル放送受信機開発メーカーです」と書かれているのが面白い。PCユーザーにはお馴染みの同社だが、民生向けAV製品に同ブランドで参入したのは2007年であるため、改めて説明しておこうという判断のようだ。ケース背面には接続図が大きく描かれており、説明書を見なくても箱だけ見れば接続できそうだ。なお、ケース下部に「MADE IN CHINA」と書かれている。

 内容物は非常にシンプルで、本体とリモコン、説明書と、リモコン用電池(単4×2本)のみ。接続ケーブルなどは付属しない。

 
ケースはダンボール。ブランドロゴが大きく印刷されている 背面には入力端子の説明が大きく描かれている 内容物。ケーブル類は付属しない

3kgと軽く、小さいため、片手で簡単に持ち上げられる
 開封時に驚いたのは、約3kgという本体の軽さだ。16型のサイズとあいまって、ポータブルテレビのような感覚で、片手で楽に持ち上げられる。この重量/サイズならば、例えば書斎と寝室など、2カ所を移動するような使い方でも苦にならないだろう。

 入力端子は向かって左側面にコンポジットとアナログ音声(RCA)を各1系統装備。アンテナ入力とB-CASカードスロットもこちらに備えている。付属のB-CASは地デジのみの青いカラーのものだ。

 PC用入力は背面下部で、アナログRGB(D-Sub 15ピン)と、ステレオミニのアナログ音声を1系統装備する。S端子やコンポーネントが無いのは寂しいが、書斎や寝室など、個人的な空間で利用すると想定すると、PCと接続できるのはポイントが高い。テレビに飽きたらノートPCなどと接続し、ネットの動画やPC内の動画を楽しむといった使い方が可能だ。



フロントベゼルは光沢仕上げ スタンド部分も光沢仕上げとなっている 側面から見たところ
右側面にある入力端子部 背面。PC用のアナログRGB入力やステレオミニ音声入力を備える。また、壁掛け金具取り付け用のネジ穴も見える B-CASカードは右側面に挿入する

 背面には壁掛け金具用の取り付けネジ穴も4個装備。小型/軽量テレビであるため、アームなどに装着してベッドサイドに設置するという使い方も便利そうだ。右側面には電源ON/OFFや入力切替、メニュー、チャンネル、音量の操作ボタンに加え、ステレオのイヤフォン出力も装備する。このサイズのテレビは近くで視聴する事が多いので、操作が本体から行なえるのは便利だ。

 リモコンもフル操作が可能で、上部に大きな電源ボタンと入力切替、その下段にデジタルとアナログの放送切り替えボタンを用意。ボタンの説明表記も日本語で、操作に詳しくない人でもわかりやすいデザインだ。

付属のリモコン。コンパクトながらフル機能を操作できる 左側面には操作ボタンを装備

 はじめて電源を入れると、デジタル放送の場合はチャンネルスキャンが開始される。アナログの場合は住んでいる都道府県を設定後、チャンネルスキャンを開始。特に操作が難しい所は無い。

 トップメニューには「映像設定」、「音声設定」、「デジタル設定」、「その他機器設定」を用意。映像設定では輝度やコントラストなど、画質に関する設定を行ない、「音声設定」では音質調整やスピーカー出力のON/OFFが可能(イヤフォン接続で自動的にOFFになる)。スピーカーは前面下部に搭載し、出力2W×2chのステレオだ。 


■ 使い勝手は良好、画質・音質は価格相応

真正面から見ると、過不足無い画質
 画質を見てみよう。パネルの解像度は1,366×768ドットで、16:9。輝度は250cd/m2、コントラスト比は500:1、応答速度は8ms、視野角は上20度/下45度、左右各45度。視野角などを見るとTNパネルのようだ。

 画質モードは「ダイナミック」、「スタンダード」、「映画」、「ユーザー」の4種類備えており、「ユーザー」では輝度やコントラスト、NRなど、細かい設定が行なえる。

 まずは「ダイナミック」と「スタンダード」を見てみた。フルHD解像度ではないが、画面そのものが小さいため、地デジ番組では凝縮感のある綺麗な映像が楽しめる。ただ、ダイナミックやスタンダードは輝度が高めの設定であるため、髪の毛の暗部や、4:3映像表示時の左右の黒帯などを見ると、黒浮きが気になる。タレントの肌の階調も明るい部分が飛び気味だ。

 そこでユーザー設定に移動。各項目を調整する。調整幅は0〜50で、標準値は25となっている。ここで輝度を10〜12程度に落とすと階調が戻り、落ち着いた映像になった。ただ、暗部がツブレぎみになるので、黒レベルを35程度に上げると、髪の毛の細かな描写が見え、バランスの良い絵になった。


画質の設定メニュー。ユーザー設定では細かな調節が可能
 プリセットの画質ではギラつきが気になり、ザラザラしたパネルの質感も目立つ。調整時はダイナミックレンジの狭さも気になるが、価格を考えるとこのあたりは仕方ないところだろう。プリセットモードは、画面サイズが小さいため、ある程度メリハリのあるセッティングの方が見やすいという判断なのだろう。また、寝転がって見上げるような視聴では、視野角による輝度の低下を補う側面もある。ただ、長時間見続ける場合は、輝度を落としめにしたほうが疲れは少ない。

 気になるのは視野角の狭さだ。斜め上から見ると、コントラストが低下し、画面が白っぽく見える。上下も狭く、下から見ると色も反転しがちだ。テレビを上から見下ろす事は少ないと思うが、床やコタツに寝転がって、水平に設置したテレビを見上げるなど、下から見るシーンは結構ある。その場合は、チルト機能を使うなどして、できるだけ正面から見るようにした方が画質的には良いだろう。スタンドのチルト角は上10度、下5度で調節できる。

スタンドのチルト角は下5度、上10度
斜め上から見るとコントラストが低下する 下から見上げると色が反転しがちだ


 筐体が小型/薄型であるため、スピーカーの音は高域寄りで、カンカンした軽めの音になる。バラエティやニュース番組では必要十分だが、映画などではやはり迫力不足だ。

 電源ONから出画までの時間は約5.5秒、地上デジタルのチャンネル切替スピードは約4秒。特別高速というわけではないが、ストレスを感じるほど遅くもない。EPGの表示は1秒強で早く、メインメニューもほぼ瞬時に表示される。EPGのスクロールやカーソル移動は、ボタンを押してからワンテンポ遅れるが、操作しづらくはない。放送時間の短い番組にカーソルをあわせると、吹き出し形状で番組名が表示されるなど、細かい部分の使い勝手も高められている。

メインメニュー。表示のレスポンスは良い デジタル設定画面 視聴設定画面

 EPGのズーム表示も可能で、5チャンネルの4時間分表示と、3チャンネル3時間分表示が切り替え可能。5チャンネル4時間では、フォントサイズが小さいものと大きいものの2種類があり、合計で3タイプの表示方法となる。テレビのサイズ的にあまり離れて見る事は無いだろうが、お年寄りが使う場合などは、大きめの表示ができると便利だろう。

 EPGとは別に、同時間帯の裏番組表も用意。独立したボタンとしてリモコンにも用意されており、表示チャンネル数も多いので「何か面白い番組無いかな」と探す際にはこちらの方が便利だ。

EPGの表示例。写真は3チャンネル、3時間分の表示 5チャンネル4時間分の表示画面 左と同じ表示量でフォントを大きくする事もできる
番組情報を手動で受信する事もできる 番組情報表示画面 裏番組表

入力切替メニュー
PCの画面を表示しているところ
 PCとも接続してみた。サポート解像度は640×480ドット/60Hz〜1,360×768ドット/60Hzで、1,280×1,024ドット/60Hzもサポートする。パネル解像度は1,366×768ドットだが、サポートは1,360×768ドットまでで、何故か6ドット少ないが、オーバースキャン領域の変更などの設定メニューは無い。

 アナログRGB接続だが、文字の視認性は悪くなく、にじみや、ぼやけも少ない。Webの表示やPC内動画表示も問題なく行なえるだろう。

 入力切替は、リモコンや本体の切り替えボタンを押すと右上にOSDメニューが表示され、地上デジタル、地上アナログ、ビデオ(外部入力)、PCから選択できる。順送りで切り替える必要が無いので素早く目的の入力に変更できる。



■ 2万円以下で地デジTVが買える意義は大きい

 実売2万円を切るテレビだが、使い勝手は良好で、「とにかく地デジが観て、楽しめればOK」というニーズには十分応える能力を持っている。視野角やスピーカーの音質に、“価格相応”だと感じる部分もあるが、リビングなどに置いて大勢で見るサイズではないため、正面から視聴するよう調節すれば、そういったポイントもカバーできるだろう。

 リビングに置かれた大型テレビが地デジに対応しているという家は多いが、書斎や寝室、子供部屋など、家のテレビ全てがデジタル対応しているという家となると、まだまだ少ない。2011年7月に迫るアナログ停波に向け、今後重要になる“2台目のデジタルテレビ”を考える上で、この価格で購入できる意義は大きいと言えるだろう。


(2009年 12月 10日)

[ AV Watch編集部 山崎健太郎]


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