第58回 魁!藤原流アイテム道
 

気になるグッズを衝動買い


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第58回:サブウーファ内蔵でよいシステムはないものか?
バーチャルサラウンドスピーカー「アイワ HE-303」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

部屋のレイアウトを考えると……

 現在のところ、我が家で稼動中の5.1chシステムは、PC用にセットアップしたクリエイティブの「Inspire 5.1 5300」のみ。一度はテレビ用にとセットアップしたシステムも、部屋のレイアウトに合わなくて、片付けてしまいました。

 しかし、テレビの環境でDVDを視聴することも多く、テレビにも5.1chシステムが欲しいところ。さて、問題は設置場所です。ふと部屋を見渡してみると、う……。え~と、まあ、あまりの惨状に片付ける気力をなくしてしまったわけですな。部屋の模様替えもしないとマルチチャンネルシステムが合わないし……。そのための労力を考えると、いくら安くなったとは言え、5.1chスピーカーセットを設置するのはためらわれます。まあ、いつかは本格的なシステムを導入したいと考えているですが。

 そんな訳で、バーチャルサラウンドシステムでなんとか代用したいと思う今日この頃。ん~、ダイマジックの「BeatShock」はかなり良かったんだけど、「ソードフィッシュ」見た後だと、サブウーファの迫力も欲しいしなぁ。といっても、このシステムはサブウーファが別売。しかも結構大きく、設置場所を確保するにはやっぱり模様替えが必要。ううむ……。

 「手軽に設置できる」ことが条件だから、模様替えが必要なシステムはNG。もちろん、サブウーファは必須。そういう条件でブツを探してみると、あらら、意外とないものですね。しかし、1つだけ条件にぴったりハマる製品が見つかりました。それが、アイワの「HE-303」でございます。

 この「HE-303」は、バーチャルサラウンド機能「Q surround」を利用したシステムで、テレビの上に設置するタイプの製品。この手の製品はコレまでもいくつかありましたが、「HE-303」ではL/Rのスピーカーユニットに加え、サブウーファまで内蔵した1BOXシステムとなっているのが特徴。

 ん~、「Q surround」といえば、ゲームセンターの大型筐体ゲームでボツボツと見た記憶がある程度。DVDプレーヤーに採用されている例も多いけれど、自分としてはまだ使ったことがないし、サブウーファ一体型のテレビトップシステムって他には心当たりがないからなぁ。よし、いっちょ行っておきますか。

 ということで、やって来たるは量販店。しかし、ホームシアターコーナーには見当たらず。まあ、「ホームシアターシステム」というくくりからは外れてるからねぇ。もしやと思い、場所をテレビコーナーに場所を移すと、お、ありましたよ。

 21型テレビの上に、ぴったりと鎮座しておりました。ふむふむ、どうもサイズ的には21型テレビに合わせている様子。まあ、21型テレビってパーソナルな環境では手ごろでそこそこ迫力のあるサイズだからなぁ。サブウーファまで内蔵したシステムとなると、なかなかいい選択かも。ウチのテレビは14型ですが、まあ、なんとか設置できるでしょう。

 標準価格はオープンプライスですが、さて、お値段は、えーと、9,200円ですか。ふむふむ、価格的にもかなりお手ごろ。では、お願いいたします。


コンセプトは「テレビスピーカーの置き換え」

 ということで、購入いたしました。お持ち帰りしたのですが、盲点だったのはその重量。なんと本体だけで5kgもあったのです。まあ、なんとかお持ち帰りできましたが、結構微妙な重量。配送にするのも馬鹿らしいしなぁ。

 ま、そんなこんなで、我が家に到着。付属品は、リモコン、リモコン用単3型乾電池×2本、ステレオRCAケーブル×1、ステレオミニ→ステレオRCAケーブル×1、固定用のマジックテープ×2組、固定用金具×2、ネジ×4本、固定用クッション×1という構成。

 なんだか固定用の付属品が異常に多いですが、本体のサイズはサブウーファを内蔵しているためか、530×245×99mm(幅×奥行き×高さ)と、奥行きが結構長め。テレビによっては、フラットな部分で本体が収まらず、固定用金具を使ってブラウン管の傾斜に合わせて固定しないと危険な場合もある、ということへの対策でしょう。が、我が家のテレビは14インチ。そもそもテレビのサイズと合わないんだよねぇ……。しばし思案をした結果、無理やりテレビの上に設置することにいたしました。その様子はのちほど。

 で、入出力端子部はというと、ステレオRCAとステレオミニジャックを装備。入力端子はステレオRCA入力×2系統を装備。マニュアルの解説によると、「INPUT 1」にはテレビのヘッドフォン端子から付属のステレオミニ→ステレオRCAケーブルで接続、「INPUT 2」にはDVDプレーヤーなどから入力が推奨されてます。

 出力端子は2系統を装備。スルー出力用ステレオRCAと、ラインアウト用のステレオミニジャックという構成。スルー出力は「INPUT 1」の入力をそのまま、ラインアウトは「INPUT 1/2」を出力する。が、ヘッドフォン端子として使われることの多いステレオミニの端子は、背面部に装備。ヘッドフォン端子として使用するには少々使い勝手がよろしくありません。

 入出力端子の構成を見ると、テレビのヘッドフォン端子に接続することが推奨されていることから、テレビのスピーカーの置き換えというコンセプトの製品と思われます。ふむ、確かに21型テレビでサブウーファまで内蔵している製品は見かけません。なかなかいい所の盲点を突いたシステムだと思います。

本体前面。操作パネルはシンプル 付属品一覧。固定金具類がほとんど 本体背面。バスレフポートがサブウーファ内蔵を語る

本体上面。「BUILT-IN SUBWOOFER」の文字がなんとも…… 本体底面。足はついているが、フラットな面でないと接地しない 入出力端子部。上部のスイッチは自動電源ON/OFの切り替え

サラウンド/サブウーファの効果の程は

 さて、設置です。設置場所は14型テレビの上に超決定。やはりテレビの画面から音が出てこないと、バランスが悪いッスからねぇ。問題は、14型テレビの上に置くにはかなりの無理があるってこと。しかも、我が家では木製シェルフに無理やり14型テレビとデッキ類を押し込んでるものだから、テレビ上部に約10cmの高さを確保するのがやっと。しかも、梁の部分を無視すれば、という状況。うーむ。

 とりあえず、マニュアルの推奨どおり、「INPUT 1」にテレビのヘッドフォン端子からの信号を入力して、スルーアウトはミニコンポに接続。背面には信号の入力を感知して電源を自動でON/OFFする機能の切り替えスイッチがあったので、それをONっと。電源プラグを差し込んで、準備は完了。さて、テレビの上に押し込むか。シェルフの梁に一部隠れながらも、なんとか14型テレビ上にセッティング完了。いやあ、我ながら無理があるなぁ。

 では、テレビの電源を入れて、聞いてみますか。電源を入れて程なくして、「HE-303」が鳴りました。反応速度もほぼ満足。音質はというと、「テレビのスピーカー」というレベルですが、違うのはやはり低音の迫力が加味されていること。通常のテレビ番組を視聴していても、ドラムなどの効果音で低音の迫力が増して感じられます。

 まあ、5.1chスピーカーとしてはむちゃくちゃ下位レベルにあたる「Inspire 5.1 5300」と比較しても、音質、低音の迫力共に劣るわけですが、テレビの電源を入れるだけで、部屋の中で邪魔になるサテライトスピーカー、サブウーファを気にすることも無い。が、ここで少々問題が。低音が元気なソースを聞いてると、テレビのキャビネットと「HE-303」が共振しやがるんです。ぐは。スピーカー本体には一応足が付いてますが、我が家のテレビ「KV-14AF1」は上面がフラットではないデザイン。無理やり押し込むことはできましたが、当然のごとく足は接地しておらず、スピーカーの振動をテレビのキャビネットがモロにかぶるんですわ。

 仕方ないので、近所の100円ショップで「防振ゴム」と銘打っているゴムシートを買ってきて、2枚重ねでテレビ/スピーカー間にかませました。効果はてきめんで、その後は共振は起こっておりません。無理した故に不具合もありましたが、何とか解決できたということで。

 で、肝心のバーチャルサラウンド。リモコンの「Qサラウンド」ボタンを押して、さて効果の程はというと……。まあ、「音の広がり」は感じますが、「包み込まれる」感はあまりなし。DVD「ソードフィッシュ」を中心に視聴してみましたが、爆発のシーンなど、低音が重要な部分ではなかなかの迫力でしたが、ヘリコプターでの飛行シーンや、カーチェイス、銃撃戦シーンなど5.1chシステムでサラウンド感がよかったシーンでも、定位感がほとんど感じられませんでした。

 まあ、バーチャルサラウンドシステムではなく、テレビ用のサブウーファシステムとしてならかなりよろしいかと。リモコンのボタンも、サブウーファ、メインの+/-と電源ボタン、ミュート、そしてQサラウンドと7ボタンだけ。学習リモコンを愛用している自分にとって、テレビのページに7ボタンを登録する程度はそれほど苦でもなく、普通のテレビと同じ感覚で音量調節も可能。自動電源ON/OFF機能が付いているから、いちいちスピーカーの電源を入れる手間もなし。便利です。

我が家の設置状況。かなり無理があると理解してますが…… リモコン。ボタンは全部で7つで、学習リモコンに登録するときもラク 本体前面のパネル部。本体とマッチしている控えめなデザイン


テレビ用のサブウーファシステムとして

 そういえば、ゲームセンターで「Q Surround」搭載のゲーム遊んだときも、そんなに効果を感じなかったなぁ、と思い出してみたり。あの時は「その他の騒音が多い環境だから……」とあきらめていましたが、自宅で他の騒音が少ない環境で聞いても、サラウンド効果はそれほど……。

 バーチャルサラウンドシステムで、とにかくサラウンド効果を求めたい、というニーズには、正直あまりお薦めできないかと。そういう方にはやっぱり「beat shock」の方がよろしいです。サブウーファは別売ですが。

 ただ、テレビ用のアドオンシステムとして考えると、サブウーファが内蔵されているところがポイントになります。21型にジャストフィットする幅530mmというサイズ、スルー出力、自動電源ON/OFF機能という利便性も評価高し。テレビの電源を入れるだけで、サブウーファの迫力ある低音が得られるのだから、これはこれで使いでがあります。

 設置場所もテレビの上にある程度の隙間が必要なだけ。14型でも(無理すれば)設置可能です。価格も1万円以下とお手軽。テレビの音声に手軽に迫力を追加したい方ならば、かなりお薦めの製品だと思います。

□アイワのホームページ
http://www.aiwa.co.jp/
□製品情報
http://www.aiwa.co.jp/corporate/report/2002/he-303.html
□関連記事
【2月26日】アイワ、Qサラウンド搭載サブウーファ内蔵スピーカーシステム
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020226/aiwa.htm

(2002年4月16日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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