気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】

第74回:DVD視聴はPC上でもリモコンで
インタービデオ「WinDVD4リモコン同梱版」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

ソフトDVDプレーヤーにもリモコンを

 DVDやテレビキャプチャなど、PCで映像を視聴するのが最近の流行。しかし、PC環境では、マウスなどポインティングデバイスでの操作や、キーボードでの操作などを基本としており、普段リモコンに慣れ親しんでいる身としては少々寂しい思いもあったりして。

 ソフトDVDプレーヤーといえば、リモコンが付属しないものが圧倒的多数。我が家の「PowerDVD XP Pro」にも付いておりません。オプションで用意されているものの、店頭で見かけることはなく、ネットでの直販しか販売を確認したことがありません。

 「ネットで買うのも面倒だなー」と思っていたところ、インタービデオから2,000本限定で本日発売された「WinDVD4リモコン同梱版」をお借りすることができました。「WinDVD4」はこれまで使ったこともないし、試してみたいと思った次第。

 では、早速同梱品の確認をば。中には、リモコンと単4型乾電池×2本、USB接続の赤外線光部、ソフトの収録されたCD-ROMという構成。電池が「SuperNOVA」(日本語で言えば超新星ですな)という、なんだかスケールが大きいのか小さいのかよくわからない名前のメーカー製だというの事が目新しいくらい。ほかの同梱品は「リモコン同梱版」という商品名から想像できるような内容でした。

 動作環境はというと、DirectX8.1が必須で、ハードウェアの要求スペックはCeleron 400MHz以上、メモリ64MB以上、推奨環境はPentium III 700MHz以上、メモリ128MB以上と現在としては比較的低スペックな環境で動作可能。我が家のマシンはCPUがCeleron 800MHzなので推奨環境に達しているか少々微妙ですが、まあ大丈夫でしょう。ではインストールしてみますか。

パッケージ。「2,000本限定」を大きくアピール 同梱品一覧。電池がちょっと怪しいですが、こんなもんでしょう


インストールはクリーンな環境を要求される?

 ということで、インストールを実行。CD-ROMを入れると自動でインストーラーが起動し、後の操作もシリアルの入力時以外はマウス操作ですべてが行えるウィザード形式。「WinDVD3」がインストールされていたので、このとき「WinDVD3」もアンインストールされ、改めて「WinDVD4」が導入されました。ふむふむ、ここまではフツーのアプリですなー。

 しかし、いざ起動という段階になって、メインで使っているOS、Windows Meの方では、起動すると同時になぜかブルースクリーンが発生……。ううむ、CPUはCeleron 800MHz、ビデオカードはRADEON LE、メモリも384MBと要求スペックは満たしてるはずなんですが。あらかじめDirectX8.1も導入してありましたし。

 ま、今使ってるWindows Meはメンテナンスをほっぽり出して半年くらい経つ環境ですからなー。自分でも訳のわからないくらいアプリ導入時にレジストリその他がいじられてますし。ちなみに、ほかのDVD再生ソフトをアンインストールしてもNG。原因はわかりませんでした。

 そういえばこの環境では「WinDVD3」もいつのまにか起動と同時にブルースクリーンになる現象が発生し、「PowerDVD XP Pro」導入のきっかけの一端となっていたような記憶が……。しかし、OS入れ直すってのは大変めんどうな作業であるわけッスよ。

 ということで、Windows Me環境への導入は断念。最小限のアプリケーションしか導入していないため、同じマシンでサブとして使用しているWindows XP Home Edition環境への導入を敢行いたしました。

 インストールはWindows Meの導入時とまったく同じ。シリアルを打ち込んで無事終了。さて、問題は起動ですが、こちらの環境では無事起動。メモリは384MB搭載しておりますが、起動時間は15秒ほどかかりました。

 インストールされた状態でのバージョンはVer.4.0 B11.065C00.4930.06P0D0IH0S。インタービデオのサポートページで公開されているアップデータの最新版は4.0 B11.083.C00.5090ですから、おそらくビルトを指すと思われるBの数字は最新の11。公開中のアップデータも「同梱版」のバージョンは対象にしていないので、このまま使っていけると思います。

 うーむ、メンテナンスしていない自分が悪かったとはいえ、ほかのアプリケーションではこんな現象起こらないんですがねー。しかし、ビデオの部分をいろいろといじるアプリという性格上、「動作にはある程度クリーンな環境を要求する」と理解しておきたいと存じます。


機能充実のDVD再生

 ということで、無事ではありませんでしたがインストールも完了。とりあえずはソフト本来の使い勝手を試すべく、ノーマルにマウスで使ってみましょうか。

 DVDを挿入すると、自動認識で再生開始。今では解決しましたが、「PowerDVD XP Pro」導入時に発生していたコマ落ちも「WinDVD4」では導入時からなし(ちなみに、PowerDVDでコマ落ちが解消した原因はいまだもって不明です)。

 再生画質は、「いかにも、ソフトDVDプレーヤー」って感じですな。解像感が高く、モニタで見る限り少々輝度が不足がち。しかし、フルスクリーンにしてもウィンドウモードで感じた印象とあまり変わらず、スケーリング処理はなかなか優秀。ある程度ビットレートが高いソフトであれば、アラを感じることなく視聴できるのでは。

 以前に使っていたソフトDVDプレーヤーでは発生していた、ビデオソースのコーミングもまったく感じず、再生は非常に滑らか。うーん、いいんじゃないでしょうか。

 画質調節も、明るさ、コントラスト、カラー(彩度)、色調の調節が可能。「WinDVR2」で便利と感じていた、デスクトップの壁紙を再生画面とする「ビデオデスクトップ」の設定も可能だから、何か作業をしながらのながら視聴にも向いてますな。再生が終了すると自動的に通常のデスクトップに切り替わるから、設定をいじらずにすんで非常にラク。

 基本操作は、コントロールパネル上のボタンで操作。再生、停止、早送り、巻き戻しなどの基本操作のほか、サブメニューであるところの「ナビゲーション」を表示することで、チャプターや字幕の切り替えなど、DVD視聴時に必要とされる項目は、すべてコントロールパネル上で操作可能。フルスクリーン再生時も、クリック1回でコントロールパネルを表示、さらにクリック1回で非表示にできるから、フルスクリーン時もあまり邪魔にはならないかと。ま、スキップなどではステップが増える分、面倒ではありますが。

 そして、目玉が「タイムストレッチ」機能。これは再生速度をコントロールするもので、0.5~2.0倍速まで再生速度を変更可能。単に再生速度を変化させるだけでなく、音声も再生速度に合わせて調整し、可変速再生時でも自然な音を再生してくれます。

 この辺を考えていない可変速再生だと、早送り再生時にはピッチが上がったりするものですが、実際に速度変更して視聴してみると、確かに音声は自然。再生速度はリアルタイムに変更可能で、変更時に多少違和感を感じるものの、切り替え後の音声ピッチは通常再生時のピッチと同様。ま、音楽などのテンポが狂って聞こえるのは可変速再生という性質上、仕方のないことですけど。

 この「タイムストレッチ」に新たに追加されたのが、時間指定機能。再生時間と終了時間で指定が行なえ、「120分の映画を100分で見たい」とか、「何時までに視聴しておきたい」というニーズにはよろしいかと。

 音声といえば、サラウンド関連の機能も充実しております。ドルビーデジタルの5.1chソフトデコードには標準で対応しており、そのほかにもドルビーヘッドフォン、ドルビープロロジック IIに対応。SRSの開発した技術、バーチャルサラウンド機能「TruSorround XT」、低音補強機能「TruBass」、センターチャンネルの音を強調する「Dialog Clarity」も搭載しています。

 SRSの機能は、特に5.1chソースの2ch再生時に有効で、すべてを適用してもあまり不自然な感じにならず、低音も増して感じられ、セリフも聞き取りやすくなりました。うーん、センターチャンネルの音ってやはり重要だなー、と再認識した次第。

ー  そのほかにもドルビーデジタル音声のダイナミックレンジ圧縮が可能になったり、DSPエフェクトなども追加。ま、深夜での視聴時にはダイナミックレンジ圧縮はありがたいですが、DSPエフェクトは音声が不自然になると感じたので、あまり使わないと思います。

 目玉のサウンド機能は、2chソースを5.1chあるいは7.1chで再生するインタービデオ独自のバーチャルサラウンド機能「ICEサラウンド」でしょう。しかし、アニメソースを何本か視聴した印象では、「セリフの定位感が比較的高い4chステレオ」という感じですかな。音が前後に移動する感覚はあまり高くありませんでした。

 とまあ、サウンド関連の機能も充実してますが、DTSのソフトデコードには未対応。S/PDIF経由でのストリーム出力には対応しているものの、ソフトデコードを望むならドルビーサラウンドEX、DTS-ESのデコードにも対応する、カノープスが販売している「Premium」版を購入する必要があるんでしょうなー。

基本再生画面。再生ソースによってウィンドウサイズも変化 コントロールパネル。フルスクリーン時はクリックで表示/非表示を切り替え

ナビゲーションを表示した状態のコントロールパネル

カラーナビゲーションパネル。最下段はガンマ補正だが、このバージョンではオミット オーディオエフェクトパネル。DSPでのエフェクトを行なえる SRS関連の機能を集めたナビゲーション、SRSオーディオパネル


結局、リモコンはどうなの?

 さて、肝心のリモコンはいかがなものか。赤外線受光部を接続して、OSが認識するのを待つとタスクバー常駐型の管理ソフト、「Win Cinema Manager」が起動して、リモコンの受信準備が完了。Windows XPではドライバを導入する必要はありませんでした。これでリモコンからの操作で「WinDVD4」、「WinDVR2」の2アプリの操作が可能となった訳ですな。

 では、とりあえずPowerボタンをポチっとな。するとショートカットをダブルクリックするが如く、いつもどおりに「WinDVD4」が起動。10キーはチャプター指定に使用し、ボリュームボタンで音量の操作が可能で、タイムストレッチはSpeedの+/-ボタンで再生速度を調節可能と、機能のほとんどをリモコン上のボタンから操作でき、据え置きのDVDプレーヤーと同じような使い勝手で使用できました。

 PC用ならではのボタンとして、フルスクリーンへの切り替えボタンやブックマーク位置の登録/ジャンプに使用するBookmarkボタンのほか、ファイル検索ダイヤログを表示するLibraryボタンが付いてます。けど、ファイル検索にはマウスなどポインティングデバイスが必要になります。が、ご安心ください。ちゃんとリモコンから操作できます。

 カーソルとして機能するのかと思っていた上部の丸いボタンは実はポインティングデバイスとなっており、カーソルの移動が可能。その下にはポインティングデバイスの右ボタン、左ボタン、センターボタンが配されており、IEなどスクロール対応アプリでスクロールを行うこともできました。

 やー、これならすべてワイヤレスで操作が可能ですよ。と、思ってましたが、うん、まあ確かにすべてワイヤレスで操作は可能です。が、このポインティングデバイス、ちょっと操作がやりにくい。

 個人的にはこういう形状のポインティングデバイスは好みなんですが、使い慣れている身としてもまだ改善の余地があるなー、というのが正直なところ。電池節約のためか、どうも信号をパルスで発信しているらしく、マウスカーソルの移動が微妙に断続的なんですよねー。なんかカクカクしてて違和感があります。

 ともあれ、リモコンとしては満足。やはりあれですな、最大のメリットはフルスクリーン再生時にコントロールパネルに邪魔されることなく視聴が続けられること。フルスクリーン時でもクリック1回でコントロールパネルは消えるので、さほど邪魔ではないものの、それでも邪魔といえば邪魔。おまけに表示→操作とステップが1回増える分、面倒も増えるのですよ。

 同じく操作が可能な「WinDVR2」での操作感も同様で、ポインティングデバイスを使ってiEPGサイトでの録画予約も可能。こちらもフルスクリーン時でも表示に邪魔されることなく基本操作が行えることがすばらしいですな。

 やはりリモコンは便利なものだなと実感できた上に、(不満は残るものの)ポンティングデバイスまで搭載することで、すべてをワイヤレスで行えるのがよろしいです。やー、やはり映像視聴にはリモコンが必要ですなー。

リモコン本体。比較的大型でホールド感は高い USB接続赤外線受光部。Windows XPではドライバは必要なかった


リモコンの利便性は高いけど……

 やはりというか、当然というか、リモコンでの操作は利便性が高くてよろしいですな。「WinDVD4」と共に「WinDVR2」の操作もかなり快適。やはりフルスクリーンの画面を邪魔するものが表示されないのは良いものです。

 贅沢言えばポインティングデバイスとしての使い勝手をもう少し向上して欲しいところですが、マウスを手に取ることなくほとんどの操作を行なえるってのは画期的でした。

 リモコンの出力もなかなか強力で、HTPCのような使い方を想定している場合でも満足できるのでは。フルスクリーン表示時のスケーリング品質も高く、モニタでは輝度が不足しがちな点を除けば画質的にもかなり納得できる環境が組めるのと思います。そんな贅沢品を揃える金はありませんけどなー。

 音声関連の機能もドルビーヘッドフォンやドルビープロロジック IIに加え、ICEサラウンドなど野心的なアプローチが感じられました。だだし、「リモコン同梱版」の「WinDVD4」はあくまでノーマル版のため、「WinDVD 4 Premium」で対応しているドルビーデジタルEX、DTS-ESのソフトデコードは非対応。まあ、Windows 2000以外の環境ではS/PDIFでのストリーム出力に対応しているので、外部にAVアンプなりデコーダなりを用意すれば解決できますけど。

 ちなみに、「Premium」へのアップグレードパスは店頭で販売されている「WinDVD 4 Premium Upgrade」4,980円ナリ。ちょっと高いかも。リモコン単体での販売は予定されていないので、「Premium」のユーザーがリモコンのためだけに買うとしてもリモコン同梱版の6,980円という価格は微妙な価格ですなー。

 「PowerDVD XP Pro」でソフトウェアDTSデコードのありがたさに浴している自分としては、「Premium」がとても魅力的。ま、8chスピーカーとかは持ってませんけど。もちろん、リモコンの利便性も捨てられません。自分で購入するとすれば、「リモコン同梱版」と「WinDVD 4 Premium Upgrade」のセット価格計1万円越えコースしか選択肢はありませんか……。

□インタービデオのホームページ
http://www.intervideo.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intervideo.co.jp/news/020723_ivj_wd4rm.htm
□製品情報(WinDVD4)
http://www.intervideo.co.jp/products_dvd.htm
□関連記事
【7月23日】インタービデオ、「WinDVD4」にリモコン同梱版を限定出荷
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020723/interv.htm
【5月1日】カノープス、ドルビーサラウンドEX/DTS-ES対応「WinDVD4 Premium」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020501/canopus2.htm

(2002年8月7日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.