~ 低価格USB MIDIキーボードなどを発表 ~ |
PCR-50 | PCR-30 |
いずれもオープン価格ではあるが、店頭予想価格はPCR-50が25,000円程度、PCR-30が20,000円程度と、競合に真っ向からブツけた価格を取っている。25鍵のOxygen 8やPro Controller 25 USBと比較すると横幅がやや大きいが、比較する価値はあるだろう。
■ 高機能かつ低価格なマスタリングソフト「音楽CD制作スタジオ」
音楽CD制作スタジオ~ケイクウォーク パイロ2003日本語版 |
次に紹介するのは今回新たに登場したソフト、「音楽CD制作スタジオ~ケイクウォーク パイロ2003日本語版」というもの。「Cakewalk Pyro 2003」の日本語版である。
このソフト、簡単にいってしまえばSteinbergのClean!、MAGIX Audio Cleaning!のEDIROL版になる。つまりアナログレコードやカセットテープを元にレコーディングし、それにノイズリダクションをかけてきれいにし、整形してからCDに焼くというタイプのソフト。クリックノイズやクラックルノイズ、ヒスノイズなどに対応していて、特にクリックノイズやクラックルノイズに対してはかなりキレイに除去できるようだ。
また、このソフトは単にノイズリダクションを目的にしたソフトではなく、CDのマスタリング用としてもなかなかすぐれている。ほかのソフトではあまり見られない、トラックマーカーの追加機能なども備えている。
この製品も発売は11月で、価格は9,800円。製品が手に入り次第、ノイズリダクション性能などのチェックをしてみたい。
■ 従来製品のリニューアル版も充実
UM-2C |
続いてはUSB対応の32ch MIDIインターフェイス「UM-2C」。これはUM-2、UM-2Eという名称で進化してきた人気機種のデザインと価格変更したものだ。USB電源供給のMIDIが入出力ともに2系統装備しているという製品で、WindowsでもMacintoshでも利用可能。価格はオープンだが、店頭予想価格は7,000円程度になる見込み。初代UM-2の標準価格が15,900円、2代目UM-2Eが11,000円だったので、結構な値下げになる。
なお、カタログを見ると、このUM-2CからはFPT対応と書かれている。FPTとはFast Processing Technologyの略で、Roland独自の技術。動画や3Dゲームなどと同時にMIDIを再生したり、シーケンスソフトでリアルタイム入力を行なう場合など、CPUへの高負荷や高速なデータ処理が要求される場合でも、安定したMIDIデータの送受信を実現するというもの。EDIROLの高性能MIDIインターフェイスであるUM-880/UM-550にも搭載されていた技術だが、低価格なUM-2Cにも採用されたわけである。
ブラックバージョンが登場したのが、10W×2chアンプを内蔵したモニタースピーカー。筆者も愛用しているモニタースピーカーMA-10Dおよびそのアナログ入力モデルであるMA-10Aをそれぞれ黒にしたもの。名称はそれぞれMA-10DBK、MA-10ABKとなっており、いずれもオープン価格。市場予想価格は14,000円、11,000円となっていて、それぞれ限定1,000台での発売となっている。
MA-10DBK | MA-210 |
もう1つ新たに登場したスピーカーがMA-210というもの。こちらは2.1chとなっており、サテライトスピーカーは同クラス初の同軸2ウェイ方式となっている。サテライトスピーカーの出力がそれぞれ6W、サブウーファが20Wなので、計32W。
発表会の会場で音を聞いてみた感じとしては、サテライトスピーカーとサブウーファという組み合わせのものとしては、かなりいい。この手の製品の多くのものが中域が欠けたいわゆるドンシャリな音になりがちだが、これは中域もしっかり出ていて、迫力もある。これだけの性能がありながらも店頭予想価格が8,000円。コンパクトなスピーカーを選ぶのであれば、悪くない選択だ。
■ 新投入のパッケージ製品
「今日からはじめるパソコンミュージック」シリーズの「キーボードをパソコンにつなげちゃOh!パック」は、名前からも想像できる通り、DTM初心者をターゲットとした製品。
ソフトウェアとしてCakewalkシリーズのエントリー製品「ミュージック・クリエーター」と、同ソフトのプラグインとして利用できるソフトシンセ「バーチャル・サウンド・キャンバスDXi」が付属。また、ハードウェアとしては、USB MIDIインターフェイスケーブルのUM-1がセットとなっている。
つまり、エレピやエレクトーン、シンセサイザー、キーボードなど、なんらかのMIDI楽器を持っているユーザーを対象としており、手持ちの楽器と組み合わせてすぐに楽しめるというのがコンセプトだ。標準価格は14,800円となっている。
UA-700専用エディタ |
以上が、今回発表された新製品9種類だ。加えて、無償ダウンロードが可能になったソフトが2種類ある。
1つはUSBオーディオインターフェイス「UA-700」の専用エディタ。UA-700については以前も紹介したが、24bit/96kHzでの入出力に対応し、アンプモデリングやマイクモデリングなど、さまざまなエフェクト機能を搭載した製品。各種設定が本体パネル上で行なえるが、その設定をPC上ですべて可能にしたのがこのエディタだ。
画面を見てもわかるとおり、UA-700のパネルデザインを踏襲したユーザーインターフェイスで、パラメータの設定値などを文字や数字で視覚的に確認できる。もちろん、エディットしたパラメータをPC上に独自形式として保存できるほか、SMF形式での保存にも対応している。10月中旬よりWeb上からダウンロード可能となるので、UA-700ユーザーはダウンロードしてみるといいだろう。
もう1つは、SONAR 2.0のバージョン2.1へのアップデータ。2.1では、ProToolsなどとマルチトラック・オーディオ・データのやりとりをするためのOMF(Open Media Framework Interchange)ファイルと、業務用レコーダーなどに採用されているBWF(Broadcast Wave File)形式のインポート/エクスポートにも対応。さらに、外部コントローラとしてMackie Controlや、Radikal TechnologiesのSAK-2Kを追加している。またCakewalk 9からSONARへ変身した際にわかりにくくなったといわれた、MIDIデータの破壊編集を可能とし、破壊/非破壊双方の選択が可能となった。
□エディロールのホームページ
http://www.roland.co.jp/DTMP/
□関連記事
【10月9日】エディロール、2.1chスピーカーや光デジタル装備のパワードスピーカーなど
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021009/edirol.htm
(2002年10月15日)
= 藤本健 = | ライター兼エディター。某大手出版社に勤務しつつ、MIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。最近の著書に「ザ・ベスト・リファレンスブック Cubase VST for Windows」、「サウンドブラスターLive!音楽的活用マニュアル」(いずれもリットーミュージック)などがある。また、All About JapanのDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも勤めている。 |
[Text by 藤本健]
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