■ やっぱり、購入しました
今回取り上げるのは、10月25日発売の「美女と野獣 スペシャル・リミテッド・エディション」。 作品自体への注目度はもちろんのこと、今まで、「白雪姫&ディズニーDVDプレーヤーセット」、「ジブリDVDプレーヤ」と、ブエナが販売するDVDプレーヤーを紹介してきたAV Watchとしては、DVDプレーヤーとVHSのコンボデッキ「ディズニーデュアルプレーヤー」を取り上げないわけにはいかないだろう。 ということで、もちろん購入したのは、「美女と野獣 スペシャル・リミテッド・エディション&ディズニーデュアルプレーヤーセット」。購入価格は29,600円。 ちなみに、「美女と野獣 スペシャル・リミテッド・エディション」単体の標準価格は4,200円なので、デッキ自体は2万円代半ばということになる。
■ DVDには3種類のバージョンを収録 「美女と野獣」のストーリー自体は、今更説明するまでもないだろう。世界中で親しまれている童話を下敷きに、擬人化された各種キャラクタが登場するミュジーカル仕立て。ディズニーの王道ともいえるスタイルで仕上げている。 また美女と野獣は、手書きのアニメーションに、本格的にCGを組み合わせた先駆け的な作品でもある。公開当時はその美しさと、手書きのアニメでは実現困難であろうカメラワークに驚かされた、ダンスシーン。しかし、今回改めて見ると、CGで描かれた背景には、いかにもCGという雰囲気が残っているのがわかる。10年でそれだけ技術が進歩し、見る目が厳しくなったということだろう。 今回のDVDでは、すでにビデオ化もされている「オリジナル劇場公開版」に加え、ミュージカルシーン「人間に戻りたい」を追加した「スペシャル・リミテッド・エディション版」、'91年ニューヨーク映画祭で公開された絵コンテバージョン「ワーク・イン・プログレス版」の3種類を収録。DVDだからこそ実現できた企画といえるだろう。 特に、スペシャル・リミテッド・エディション版に追加された「人間に戻りたい」は、オリジナル劇場公開版の製作時に、歌曲が書き下ろされストーリボードまで作られていた。しかし、劇場公開時に「愛の芽生え」のシーンと差し替えられ、「人間に戻りたい」はカットされてしまった。 その後、IMAXシアターでの公開時に「人間に戻りたい」を復活させることになったが、それに続くシーンにもいくつかの矛盾が発生。それらを、デジタル的に修正を施し、'98年から約1年がかりで完成させた。なお、その経緯については、映像特典や音声解説などで詳しく語られている。
■ DVDとしてはどうか? 映像はビスタサイズのスクイーズ収録。本編収録時間は約90分で、ディスクは片面2層。DVD Bit Rate Viewer Ver.1.4でみた本編の平均ビットレートは6.8Mbpsだった。10年以上前の作品ではあるが、IMAXラージスクリーン用に全編に渡って、200シーン以上にアニメーションを追加したり、視覚効果などにデジタル修正が加えられている。ただ、34インチぐらいまでのブラウン管テレビを、視聴環境として想定しているのか、プロジェクタで見るとあらが見えるところもある。実際、DLPプロジェクタで投射したワイド80インチサイズと、25インチTVで同時に見比べると、「25インチTVで見た方がいいな」と思ってしまった。 音声は英語、日本語ともドルビーデジタル5.1ch。ただし、ビットレートは英語が448kbps、日本語が384kbpsと差がつけられている。作品的に、日本語吹き替えで見るユーザーも多いと思うので、この点は残念。 字幕は英語と、日本語を収録。また、製作のドン・ハーン、作曲のアラン・メンケンなどによる音声解説も収められている。「このコウモリはどこにいった。消えてしまった。制作期間が短かったから目をつぶろう」などと、結構ざっくばらんに語っている。
前述のとおり、本編DISCには、3種類のバージョンが収められているが、なんとそれを選択するのは「音声・字幕メニュー」。そうとわかるには、かなりの時間を要してしまった。トップメニューから直接選べるようになっているほうが自然だと思うのだが、なぜ、こういう仕様になっているか理解に苦しむ。 特典ディスクには、メイキングや、ミュージッククリップなどに加え、いくつかのゲームも入っている。ただゲームは、表示される文章にふり仮名が振られていることからも、子供向けのようだ。一応、全部やって見たが、大人が遊ぶにはつらいものがあった。
■ ディズニーデュアルプレーヤー コンボデッキということで、外形寸法は435×266×99mm(幅×奥行き×高さ)、重量約4.0kgと、かなり大きくなった。
また、従来どおり、全機能が操作できるリモコンと、ボタンが5個だけのミッキー型リモコンの2種類のリモコンが付属する。ただ、電池は2本しか付属しないので、別途用意しないと片方しか使えないことになる。
ミッキー型リモコンは、初代のディズニーDVDプレーヤーでは平らなデザインで、プレーヤーの天板の凹みにはまるようになっていた。しかし、今回は、デッキの天板には凹みがなくなった。それに対応して、ミッキー型リモコンは背面が球形になり、自立するようになっている。 また、ボタンの数が変わらず5個であるのに、DVDとVHSの切り替えボタンが用意されたため、電源、再生、停止の3種類しか操作できなくなってしまった。
興味深いのが、説明書の「再生できません」の項目にDVDオーディオや、SACD、DVD-R/RW(VRモード)などは当然として、ビデオCD、DVD+R/RW、DVD-RAM、音楽用フォーマット以外のCD-R/RWなども列挙されている点だ。特に、DVD+RW陣営の船井製なのに、DVD+R/RWが挙がっているのが意外。 しかし、実際に試してみたところDVD+RWも、DVD+Rも問題なく再生できた。各種ディスクを編集部でテストした結果は、右表のとおり。思いのほか再生できたメディアは多い。もちろん、メーカーが再生を保証しているわけではないので、必ずしも再生できるとは限らない。 それ以外のDVDプレーヤーとしての機能は、ジブリプレーヤーとほぼ同等で、2/8/30/60倍速再生、1/16、1/8、1/2スロー再生、2/4倍のズーム機能、A-Bリピートなどを搭載している。 VHS部はHi-Fiに対応し、Gコード予約もサポート。ただし、S-VHSの簡易再生には対応せず、DVDからのVHSへのダビング機能も搭載していない。
以上の様に、VHSとDVDプレーヤーのコンボデッキとしての基本機能は、ほぼ網羅している。コンボデッキの購入を検討している方は、価格的にも十分購入候補になり得るだろう。 (c) Disney Enterprises, Inc.
□ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントのホームページ
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