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USBストレージ対応1インチHDDプレーヤーの新モデル 地道な機能アップで使い勝手向上 クリエイティブメディア「MuVo2 FM 5GB」 |
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発売日:9月18日発売 直販価格:26,800円 |
■ Seagate製HDDの登場で盛り上がる1インチプレーヤー市場
昨年のRio Nitrusの登場以後にわかに盛り上がりを見せていた1インチHDDプレーヤー市場だが、7月のiPod miniの日本上陸以後はさらなる盛り上がりを見せた。そうした中、他社に先行してRioがSeagate製の5GB 1インチHDDを搭載した「Rio Carbon」を発表、翌日にはクリエイティブが同HDDを搭載した(製品発表当初は、HDDメーカーについては公開していなかったが……)「MuVo2 FM 5GB」を発表した。
今まで1インチHDDというとHITACHIもしくはCornice製のみで、容量も最大4GBとなっていた。しかし、Seagateが5GB容量で1インチHDD市場に参入したことで、iPod mini以外の製品にも注目が集まった。5GBといえば、2001年発売の初代iPod(1.8インチHDD搭載)と同容量。1.8インチHDDプレーヤーが引っ張ってきたHDDオーディオプレーヤー市場も、1インチシフトが進むのだろうか?
5色のカラーバリエーションを用意 |
今回取り上げるのは、一足先に市場投入されたクリエイティブの5GB HDDプレーヤー「MuVo2 FM 5GB」。発表では1日出遅れたクリエイティブだが、Rioに先駆けて18日より市場投入されている。HDD容量以外の特徴といえば、FMチューナやボイスレコーダを搭載したこと。もちろん、USBストレージクラス対応というMuVo2シリーズの最大の特徴はきっちり踏襲している。
さらに、MuVo2 FM 5GBでは、5色のカラーバリエーションを用意している。iPod miniを意識していると思われるカラー戦略だが、クリエイティブによれば「5GBということで、5色をラインナップした。従来のユーザーに加え、カラーを増やすことで幅広いユーザー層を開拓していきたい」とのこと。
機能の豊富さと実売価格の安さではiPod miniを上回るMuVo2 FM 5GB。早速検証した。
■ デザインは若干の変更のみ
パッケージはブリスターパック |
パッケージは小型のブリスターパック。同梱品は、リモコンや保護ケース、USBケーブル、ACアダプタ、ステレオイヤフォンなど。
従来モデルの4GBモデルと外形寸法はほとんど変わらず、重量が2g増えている。カラーバリエーション以外の外見上の変更点は、操作ボタンがスティック型になったこと。また、ボイスレコーディング機能の搭載により、側面にマイクを備えたこと。
操作ボタンは、メニュー操作や曲送り/戻りなどの操作が行なえる[MENU]ボタンと、再生コントロールボタンの2つと相変わらずシンプル。本体上面にヘッドフォン端子と、USB 2.0コネクタ、電源コネクタを装備。左端にはストラップ金具も備えている。ヘッドフォン端子には、リモコン用のコントロール端子も装備。バッテリは交換式で、容量は900mAh。
本体前面に液晶ディスプレイやスティック型操作ボタン、再生/停止ボタンを備えている | 上面にヘッドフォン出力やUSB 2.0端子を装備 | ストラップ金具も装備する |
マイクも内蔵している | 交換可能なリチウムイオンバッテリを採用する | スティック型操作ボタンを新採用 |
リモコンは「Sリモコン」と呼ばれる小型のもので、再生/停止ボタンを中央に配し、左右に曲スキップ/バックボタン、左にLOCKスイッチ、右にボリュームボタンを配したシンプルなものとなっている。
Sリモコンが付属する | 左右にスキップボタンを装備。ボリューム操作も行なえる |
iPod mini(上)や従来モデル(右下)との比較 | iPod miniとの比較 | 厚みは20mm |
本体サイズは従来モデルとほぼ同じ | 新モデルではマイクを内蔵する | 操作ボタンもスティック型に変更 |
MuVo2 FM 5GB | MuVo2 4GB (参考) |
Rio Carbon (参考) |
iPod mini (参考) |
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HDD | 5GB | 4GB | 5GB | 4GB |
対応フォーマット | MP3 WMA WAV |
MP3 WMA Audible |
AAC MP3 Audible AIFF(Macのみ) WAV |
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液晶ディスプレイ | 132×32ドット ELバックライト |
未公開 バックライト |
1.67インチ 138×110ドット 白色LEDバックライト |
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PCインターフェイス | USB 2.0 | IEEE 1394 USB 2.0 |
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連続再生時間 | 約14時間 | 約20時間 | 約8時間 | |
USB充電 | ○ | ○ | ○ | ○(専用ケーブル) IEEE 1394も対応 |
リモコン | ○ | オプション | ||
ドック | - | オプション | ||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) |
約67×20×66.5mm | 約83×62×15.5mm | 約50.8×12.7×91.4mm | |
重量 | 79g(本体のみ) 103g(電池含む) |
71g(本体のみ) 101g(電池含む) |
79g(本体のみ) 88g(電池含む) |
102g(電池含む) |
直販価格 | 26,800円 | 24,801円 | 29,800円 | 28,130円 |
■ スティックボタンにより操作性も向上
Creative MediaSource |
「MediaSource」はWMA/MP3/WAVE形式でのリッピングに対応。プレイリストの作成も行なえる。1.1GBのデータの転送速度は、MediaSource経由が13分15秒、USBストレージ時が8分5秒。WMA DRM対応ファイルはMediaSourceやWindows Media Player経由でのみ転送可能となる。
USB 2.0/1.1で本体とPCを接続すればリムーバブルドライブとして認識されるため、フォルダ階層を維持したままドラッグアンドドロップで転送が行なえる。対応オーディオ形式はMP3/WMA/WAVE。
基本操作はスティック型のMENUボタンと、電源/再生ボタンで行なう。スティックを押し込むとMENU画面があらわれ、フォルダ検索モードやミュージック/マイク録音/FMモードの選択、イコライザ設定などが可能となる。1曲/フォルダ単位のリピートやシャッフル再生などの設定もここで行なえる。
メニューの[フォルダ]から再生楽曲を選択してみる。基本操作は従来モデルとほとんど変わらず、スティック左右でフォルダ移動、長押しでルートメニューに戻るという構成で非常にシンプルなもの。
MENU画面 | 再生画面 | ミュージックモードを選択 |
フォルダ階層は1階層づつの表示で液晶ディスプレイの表示面積が他のプレーヤーに比べて狭く、1行表示となっているため、データの一覧性は高くない。ただし、フォルダ管理が可能なので、パソコンで自分にわかりやすいようにフォルダわけをすることなどで、使い勝手を図ることは可能だ。
個人的にはPC上のオーディオファイルを[オーディオ形式]-[アーティスト名]-[アルバム名]の順でフォルダ階層を作り管理しているので、そのまま転送してみた。この方法だと5GBのオーディオファイルを転送すると[アーティスト名]だけで100程度になるので、左右ボタンで検索すると結構大変だ。
ただし、操作ボタンがスティック型になったことで、しっかりホールドしながら移動できるので、旧モデルより操作性はかなり向上したように感じた。できれば、押し続けるとリニアに速度が変わるような仕組みも欲しかったところだ。
1行ずつ表示しているため検索性は高くないが、操作体系は非常にシンプルなので、操作で迷うことはほとんどないだろう。操作のレスポンスも非常に良く、ストレスを感じることは皆無といっていい。
また、フォルダモードのほかにプレイリスト再生機能も搭載し、MediaSourceなどで作成したm3uプレイリストの再生も行なえる。
再生中は、スティックの左右が曲スキップ/バックが行なえ、倒したままにすると早送り/戻し、スティックの上下でボリュームコントロールを行なうというシンプルなものだ。本体には誤動作を防ぐホールドボタンを備えておらず、HOLD状態にするためには、設定画面から[ボタンロック]をかけるかリモコンのLOCKボタンを利用する。しかし、ロックを掛けずに電車の中でポケットやバックなどに入れて使ってもほとんど誤動作は生じなかった。
リモコン操作は、再生/停止やボリュームコントロールが行なえるほか、左右の曲スキップ/バックボタンで曲のスキップやバック、長押しで早送り/巻き戻しが行なえるというシンプルなもの。フォルダ階層移動などは行なえないが、使い勝手は良好だ。
■ 音質は良好。相変わらずのイヤフォン
付属のイヤフォン |
イヤフォンは、最近のクリエイティブ製品共通のもの。音がイマイチというのはまあいいのだが、高域のキラツキなど音にクセが非常に強いので、ヘッドフォンを変えると曲の印象ががらりと変わってしまうようなこともある。HDDプレーヤー市場も自分で好みのヘッドフォンを選択するようなマニア層から、一般層に広がりを見せているわけで、安っぽくてももう少し普通のイヤフォンの同梱が望まれるところだ。
イヤフォンを除けば本体の音質は良好。特に高音質化機能などを搭載しているわけでもないが、S/Nが高くヌケの良さが気持ちいい。iPodやiPod miniと比較しても個人的にはMuVo2 2 FMの方が好ましいと感じた。イコライザは、ロック/ポップス/クラシック/ジャズの4モードと、カスタムモードが用意される。
また、新たにFMチューナを内蔵。FM局の登録は簡単で、オートスキャン機能も搭載。設定の[オートスキャン]を選択するだけで、自動的にFM局を選曲してプリセット登録される。ADPCM形式での録音機能(4bit/16kHz/ステレオ)も搭載している。なお、旧MuVo2など用のFMワイヤードリモコンは、MuVo2 FMで利用できないので注意が必要だ。
新たに内蔵マイクによるボイスレコーディング機能も搭載した。録音形式はADPCM 4bit/16kHz/モノラル。高音質とは言いがたいが、講義や会議録音にはそれなりに使えそうだ。なお、ライン録音機能などは備えていない。
FMラジオを搭載 | ボイスレコーディング機能も備えている |
バッテリは交換可能なリチウムイオン型で、駆動時間はカタログスペックで14時間。MP3ファイルを中心にボリューム15でシャッフル再生したところ、16時間40分の再生が行なえた。ACアダプタ経由での充電のほか、USB経由での充電にも対応する。充電時間はACアダプタが3時間、USBが約5時間。
ただし、USB充電の場合はWindows起動中にMuVo2と接続すると転送モードとなっているため、転送を行なわない場合でも電池が消耗してしまう。PC起動時に充電するためには、パソコンのエクスプローラ画面から右クリックで[取り出し]を選択すると充電が開始される。
■ 地味だが着実な機能強化
基本的には従来のMuVo2と大きく変わることはないが、地道な機能追加や操作性向上により従来モデルより使い勝手は向上していると感じる。液晶画面が小さいため、今後の大容量化には不安が残るが、軽快な操作感は非常に魅力的。
検索性、一覧性はiPod miniやRio Carbonに及ばないが、フォルダ管理ができるので、自分でジャンルや利用区分ごとにデータ管理ができる人にはむしろわかりやすいともいえる。きちんと世代を追うごとに機能や使い勝手が向上しているのも好感が持てる。
もっとも、ライバルのRio CarbonもMuVo2の最大の特徴とも言えたUSBストレージクラス対応を果たした。しかも、iTunes用のプラグインなどで、iPodユーザーの取り込みも図るということで、この市場の競争も一段と激しくなりそうだ。
□クリエイティブのホームページ
http://jp.creative.com/
□製品情報(MuVo2 FM 5GB)
http://jp.creative.com/products/product.asp?category=213&subcategory=215&product=10659
□製品情報
http://jp.creative.com/products/product.asp?category=213&subcategory=215&product=10659
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【2003年12月5日】【デバ】USBストレージクラス対応の1.5GB HDDプレーヤー
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031205/dev050.htm
(2004年10月1日)
[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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