「フルHD」が、今年の映像機器における最大のキーワードであることは間違いないだろう。フロントプロジェクタにおいても、この「フルHD」の波が押し寄せてきている。これまで100万円を越えていたフルHDプロジェクタが、2006年の秋以降、各メーカーから100万円以下のプロジェクタが発売されており、透過型液晶では40万円以下になるなど、フルHDがぐっと身近になりつつある。 今回紹介するソニー「VPL-VW50(VW50)」(735,000円)も、この“波”に乗った製品の一つ。「QUALIA004」(252万円)に採用されて話題となったソニー独自の反射型液晶素子「SXRD」を採用しているのが最大の特徴。 SXRD採用プロジェクタといえば1年前、「QUALIA004の遺伝子を受け継ぐもの」として「VPL-VW100」(136万5,000円)が発売となっている。あの「遺伝子」はどのような形でVW50に受け継がれているのだろうか。これからも併売されるという兄貴分のVW100を意識しつつ、評価した。
■ 設置性チェック ~投射系は兄譲り。水銀ランプ採用でランニングコスト削減
一目見て分かるのが本体サイズがVW100より小さくなったこと。VW100が496×574×175mm(幅×奥行き×高さ)なのに対し、VW50は395×471×174mm(同)。二回りは小さくなった印象だ。特に全長がかなり縮まっている。 重量についても、VW100のアルミ製ボディ19kgに対し、VW50は樹脂製11kg。手軽に持ち運び、というわけにはいかないが、ちょっとした移動は楽になった。 全長が短くなったとはいえ、40cmを大きく超えているので本棚の天板に載せて設置する「疑似天吊り設置」は難しい。また、キャスター付き設置台を見繕う場合も、この奥行きについては留意する必要がある。
基本はやはり常設天吊り設置ということになるはずだ。天吊り金具は純正オプションとして「PSS-H10」(80,850円)と「PSS-610」(52,500円)が設定されている。ちなみにこれらの金具はVPL-VW100/VPL-HSシリーズ用のものと同じ。VPL-HSシリーズからのアップグレードを考えている人にとってはありがたい。
筐体が小さくなり、アルミ製から樹脂製となったことで心配される動作音については、スペック的にもVW100の22dBを踏襲している。実際に、かなり設置位置に近づいて耳を澄まさないと騒音が聞こえない。この騒音低減には、エアフローの最適化とソニー製のノンコンタクトメカニズム採用の冷却ファンの相乗効果によるものだと推察される。 本体周辺には数カ所の吸排気スリットがあるが、光漏れはない。
VW100と同等の、1.8倍電動ズーム/フォーカス/レンズシフト機構付きの投射レンズを採用する。VW100に対し、本体価格は約半分のVW50ではあるが、この投射レンズに妥協はない。特に電動フォーカスは本体から離れ画面に近づいた状態でフォーカス合わせができるので便利。再設置の機会が多くなる台置き設置ユーザーにとっては重宝する機能となる。 100インチ(16:9)の投射距離は最短で約3.1mでVW100と同じ。この短焦点性能は普及価格帯のエントリー機に肉迫するもの。「短い投射距離で大画面が欲しい」という日本の家庭事情に配慮した日本メーカーらしい性能設定だ。 100インチ(16:9)投射距離の最長は約5.3mでこれもVW100と同じ。16~18畳クラスの大きい部屋で画面が大きくなってしまうことはない。 レンズシフトは垂直方向のみで上65%まで。今回の評価にあたっては着座位置の頭上、部屋の高さの中央当たりに設置して視聴したが、問題なく天吊りスクリーンに投射ができた。 左右レンズシフトはリモコンでは行なえず、プラスドライバを用いて、100インチ(16:9)投射映像に対して±15cmの移動が可能だ。天吊り金具を取り付けた後、センター出しの微調整に活用することになる。 光源ランプは200Wの超高圧水銀系ランプを使用する。ここはVW100とスペック的に大きく変更された部分だ。VW100では画質重視のために、色純度が高いが寿命が若干短く、しかも高価なキセノン系ランプを採用していたが、VW50では運用性に配慮し、色純度はキセノンに及ばないものの価格が安く寿命も長い水銀系ランプが採用された。交換ランプはVW100用の「LMP-H400」が103,950円なのに対し、VW50用の「LMP-H200」は42,000円と半額以下だ。これは妥協点と言うよりはVW50のユーザーニーズに合わせたモディファイと取るべきだろう。 消費電力はVW100の610Wに対してVW50は半分の300W。ランプコストの低下も相まって本体価格だけでなくランニングコストも安くなる。
■ 接続性チェック ~HDMI 2系統装備。1080/24p入力に対応
HDMI端子は2系統を装備。コンポーネント入力はRCAピンプラグが1系統で、VW100同様にD端子はない。アナログビデオ入力はコンポジットとS映像が1系統ずつ。 PC入力はD-Sub15ピン端子によるアナログRGB入力のみを正式サポート。VW100にあったDVI-D端子は省かれている。省かれていると言うよりはDVI-D端子がもう一系統のHDMI端子に変更したという捉え方の方が正しいかもしれない。 PCから制御するためのEthernet端子はVW50では省略。ただし、引き続きRS-232C端子はある。外部機器連動用の本体稼働中にDC12Vを出力し続けるトリガ端子も健在だ。 細かいことだが、VW100では未対応であった毎秒24コマのフルHDプログレッシブ映像(1080/24p)の入力にVW50では正式対応している点も挙げておこう。HDMI端子もVW100の1基に対してVW50では2系統になっているなど、VW50でコストダウンした部分もあるが、より時代のニーズに応えた設計になっていることは確かだ。
■ 操作性チェック ~操作性は良くも悪くもVW100と同等
電源オンから実際に映像が投射されるまでの所要時間は約50秒。これはVW100の2倍の起動時間で、最近のエントリークラスの製品よりも遅い。 リモコンは、5年以上前のVPL-HSシリーズから使われている“あの”リモコンがそのまま流用されている。十字キーは押しにくく、入力切り替えは順送り式など不満点が多い。そろそろフルチェンジを期待したい。 蓄光式に鈍く光るリモコン左端の[LIGHT]ボタンを押すことで、その他のリモコン上のボタンを自発光式にライトアップできる。同じく蓄光式に光る隣の[INPUT]ボタンは、入力切り替えを順送り式に行なうためのもの。入力切り替え所要時間はHDMIからSビデオで3.7秒、SビデオからアナログRGBで3.1秒、アナログRGBからHDMIで2.6秒で若干VW100よりも遅い印象。 その下の[PICTURE MODE]の覧にあるボタンは画調モード切り替え用。直接希望の画調モードへ切り換えられるのでストレスがない。画調の切り替え所要時間は約0.8秒。 [LENS]ボタンは、投射レンズの電動制御を行なうためのもの。一度押すとフォーカス調整モードになり、ここでカーソルキーの上下を使って調整操作を行なう。ここでもう一度[LENS]ボタンを押すと今度はズーム調整、同様にもう一度押すとレンズシフト調整を行なうモードになる。標準設定では[LENS]ボタンを押した瞬間にテストパターンが表示されるので、気づかずにそのままリモコン操作をしてしまい調整を狂わせてしまった……と言うことが起こりにくくなっている。 [WIDE MODE]ボタンはアスペクト比切換を行なうためのもので、押すたびに順送り式に表示縦横比が切り換わる。切り替え所要時間は約1.1秒でそこそこ速い。 ユーザーメモリの仕組みや調整可能なパラメータ群については、VW100とまったく同じなので、詳細な情報はこちらを参照してほしい。
■画質チェック ~圧倒的なコントラスト性能。水銀系ランプでは究極に近い色再現性
VW50の映像パネルにはソニーが誇る独自の「SXRD」(Sony Crystal Reflective Display)を採用する。名前は違うが、原理的にはビクターのD-ILAなどと同じ反射型液晶パネル、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)だ。
反射型液晶では、無機配向膜で挟み込んだ液晶を垂直配向させているのが特徴。シリコン基板に配した画素サイズのメタル鏡面電極でこの液晶素子を制御して入射光を調整し、この光をメタル鏡面画素電極自身で反射させて入射方向に戻すという仕組みだ。簡単に言えば、通常の透過型液晶パネルが「どれくらい光を通すか」を制御するのに対し、反射型液晶は「どのくらい光を反射させるか」を制御する。 LCOSの最大の特徴はなんといっても、画素を区切る格子隙間が狭いということ。つまりは画素開口率が高いのだ。 液晶パネルは小型化した方が製造コストを下げられる。だから、世代の新しいパネルほど小型化が進んでいるわけだ。その際、必然的に画素サイズも小さくなる。フルHDプロジェクタともなれば、画素数は従来の720p機の2倍。同一サイズの液晶パネルであれば画素サイズが半分になってしまう。 透過型液晶パネルでは画素を駆動するための回路を画素周辺に形成しなければならず、ここを微細化するのは限度がある(製造コストが高くつく)。よって透過型液晶パネルではパネルの小型化が進むにつれて画素開口率が低下するという特性に悩まされている。今やフルHDパネルで比較すると、透過型液晶パネルの開口率は50%前後にまで落ち込んでおり、それだけ画素に対する格子隙間の割合が大きくなってきてしまっていると言うことだ。 LCOSの場合、駆動回路は鏡面画素電極の下にあり、鏡面画素電極自体が隣のと接していなければいいだけなのでこの弱点がない。VW50の0.61型SXRDの開口率は実に約90%であり、フルHD透過型液晶パネルの約2倍の開口率がある。 実際、100インチ程度の大きさに投射した映像を見ても格子模様はほとんど見えない。視聴距離を1mに詰めてもほとんど画素格子は見えず、数十cm程度まで顔を近づけるとやっと見えるというほど。この濃密な描写力を堪能できる優越感はLCOSプロジェクタユーザーの特権といっていい。 なお、VW50に採用されているSXRDパネルはVW100と同世代の0.61型で0.35μm製造プロセスルールによるもの。QUALIA004のパネルは0.78型で開口率は92%だったので、VW50/100では若干低下しているわけだが、その差は誤差レベルで、透過型液晶と比べると圧倒的に高いので気にするほどではない。 投射レンズはVW100譲りのARC-F(オール・レンジ・クリスプ・フォース)レンズを採用しているというが、そのフォーカス性能はVW100の時よりも好印象をもった。今回の評価の100インチ投影では、画面中央でフォーカスを合わせておけば、最外周でも画素形状がクッキリとしており、この部分についてはQUALIA04にも全く引けをとっていない。
色収差についてもかなりがんばっている。画面中央付近ではほとんどそれらしい色ズレは感じられない。最外周では多少ズレが出てくるが、それでも画素間格子内に収まっている程度で、解像情報劣化は最低限だといえる。 前述のフォーカス性能の高さもあるため、フルHD解像度の高解像情報をかなり高精度で投射できていると感じる。映像の全周においてパネル解像度以上の高解像感が得られているのはこの高品位な投射レンズ性能に因るところが大きいと思われる。 プロジェクタにおいて画質を左右する光源ランプは、コストパフォーマンスの高さを追求したVW50では水銀系となったが、光量自体は向上しているようで、公称輝度はVW100の800ルーメンを上回る900ルーメンを達成している。 実際に投射映像の輝度は十分高く、蛍光灯照明下でも映像の概要は問題なしに見られるほど。リビングに設置してテレビ的に活用したいという向きにも十分対応できるはずだ。 公称コントラスト性能は15,000:1と高いが、この値は投射レンズに組み合わされた動的絞り機構の「アドバンスドアイリス」使用時の値。動的アイリス機構を使わない、ネイティブコントラストの値は非公開となっているが、アイリスを使わない場合でもコントラスト性能は十分高いことが実感できる。あくまで目分量だがネイティブコントラスト値で数千対1は出ていると思われる。 なにしろ映像の最暗部となる黒が、スクリーン上のVW50の投射光が当たっていない部分とほぼ同等の暗さになっている。つまり、黒の沈み込みでかなりのハイコントラストを稼いでいるのだ。この沈み込み方はDLP並であり、おそらく、VW50の動的アイリスなしのネイティブコントラストは、DLPプロジェクタにも近い値を実現できているのではないだろうか。 ただ一様に沈み込ませているのではなく、暗部のダイナミックレンジが高いのも特徴。そのため夜の町のシーンなどでも道路のアスファルトの鈍い陰影までもがきめ細かく見え、また茂みや暗がりの描写もしっかりと見えている。夜のシーンは映像表示機器にとって難易度の高いはずなのだが、VW50の場合は明らかに情報量が多く、臨場感が凄いのだ。 今回、評価で北米版の「The Fast & The Furious: Tokyo Drift(ワイルド・スピード×3)」HD DVDを鑑賞したが、そのラストレースの夜の峠シーンでは、暗いシーンなのに強い立体感を感じて感動した。VW50の暗部描写力は夜のシーンに強い。 明部階調も優秀だ。もともと900ルーメンという高輝度性能がありながら、前述したように暗部ダイナミックレンジがあるので、相対的に最明部は鋭く見え、そしてそこから始まる明部から中明部への階調性も非常に豊かに感じられるのである。昼間の屋外シーンでは、太陽光を受けて乱反射する空気そのものが画面の中に見えるような錯覚を覚える。 発色についてもうまく調整され、水銀系ランプ的な青緑の強い傾向を全く感じない。人肌の発色も良好で、肌色に水銀系ランプ特有の黄緑感もない。輝度方向だけでなく、色のダイナミックレンジも高いように感じる。HD DVDなどのフルHD映像では映像解像度が上がり、表示画素数が増えたわけだが、ちゃんと1画素1画素が高い色ダイナミックレンジを持って正確に発色できなければ、解像度が上がったことが実感できない。VW50は、その要求に十分応えられる色ダイナミックレンジも持っているのだ。俳優の顔の薄シワの陰影、髭の生え際、肌の凹凸感などが、手の届きそうな距離感で見えるのはそうした色再現性能のたまものだろう。 、意外なところでは、キセノンランプ搭載VW100の特権的機能と思われた「カラースペース(色空間)」モードが、なんとVW50にも搭載されていた。カラースペースモードとは、その名前の通り、色域モードを切り換える機能で、「ノーマル」時はNTSCやsRGBといった標準規格の色域再現に合わせたチューニングとなり、「ワイド」時は、光源ランプが持つ発色性能を最大限に活用し、色再現を行なう。 VW50でも色域「ワイド」の設定ができ、この設定では超高圧水銀系ランプの光スペクトルのおいしい部分を躊躇無く使って色再現をするようになる。実際に使ってみると、色域ワイドモードでは全体的に彩度が強くなって、見た目としても艶やかになることが実感できた。 色域ノーマル(標準)では中暗部の色味が薄くなるのに対し、色域ワイドではちゃんと「その色が薄暗くなっている」というのが実感できるほど色ダイナミックレンジが広がっている。全体的に記憶色に訴える表現となるので面白い。特に空の青さに鋭さが増して、植物がみずみずしく見えるようになるのは楽しい。また、赤も鮮やかとなり、赤が不得意な水銀系ランプでもここまでが出せるのかと感心してしまったほど。ただ、人肌についてはこの強調された赤の影響なのか、かなり赤みが強くなり、全ての人が血気盛んな感じに見えてしまう。これは色温度を「高」設定とすると低減される。色域ワイドで人肌の赤みが気になった人はこの調整を試してみるといい。
さて、VW50には、映像の輝度に応じて光を動的に絞る機構「アドバンスドアイリス」機能が搭載されている。 これは暗い映像の時には光を絞って迷光を減らして黒浮きを抑えて暗部階調描写のダイナミックレンジを上げ、明るい映像の時は絞りを開いて輝度を最大限に生かした表示を行なうもの。この働きにより、出力される映像を連続的に見たユーザーは時間積分的なハイダイナミックレンジ感を得られる。 この類の機能で1つ問題となるのは、映像の明暗の移り変わりに、その絞り制御が遅れるという“遅延”問題。動的絞り制御があまりにも遅れると、違和感を認知させてしまう。
この点に配慮するために、VW50のアドバンスドアイリスはVW100から若干進化を遂げている。VW50では映像輝度に呼応してドラスティックに絞る「オート1」モード、やや控えめに絞る「オート2」の2タイプのモードが用意されたのだ。また、二つのオートモードそれぞれにおいて、絞り制御の際の応答速度を「早い、通常、遅い」から選べるようにもなっている。 こうした動的絞り制御の視聴テストに用いている「アビエイター」のDVDのチャプター7の夜間飛行シーンを実際に再生して確認してみたが、オート1/2それぞれにおいて不自然さを感じることはなかった。なおオート1は暗いシーンで強めに絞るため、せっかくのVW50の高輝度性能がキャンセルされるので、オート2の方がバランスがよいと感じる。 動的絞り制御オフでも十分に暗部階調は沈んで見えるので、無理してこの機能を活用する必要はないとも感じた。それこそ常用はオフでもかまわないと思う。アクション映画やゲームなど、明暗の移り変わりの激しい映像を臨場感たっぷりに楽しみたい時などに活用すればいいだろう。 VW100でもアドバンスドアイリスの固定絞りモード(マニュアルモード)が搭載されていたが、VW50では絞りを0~100の100段階で設定できるように改良された。シーンによって最大輝度が変わってくるオートモードとは異なり、最大輝度を安定させて平均的なハイコントラストが得られるようになるので、長時間視聴にはこちらの方が目に優しい。その際には、その映像ソースの最暗部シーンを出して、黒浮きが見えなくなる程度に設定しておくといいだろう。
■ まとめ ~悩めるフルHDスペック・プロジェクタ2006秋の陣 2006年度の最新フルHD対応のLCOSプロジェクタとしての総括は、このあと発売されるビクターのDLA-HD1の評価を待ってから行なうとして、ここでは、先代ではあるが兄貴分のVW100と、このVW50のどちらを購入すべきかについて考察してみたいと思う。
まず、設置性について。ボディの大きさ、重さの差はあるが、常設天吊り設置と言うことであれば、両者に大きな差異はないと考えられる。投射レンズを共通としているため、設置位置にまつわる要件は両者変わらない。接続性についても、VW100にはDVI-DがあってVW50にはないという違いはあるがほぼ互角。操作性についてはリモコンが同じでメニューデザイン(ファームウェア)までが似ているので優劣は付けがたい(リモコンは、そろそろモデルチェンジを期待したいが)。 やはりポイントとなってくるのは画質の差異だろう。映像パネルが同じ投射レンズ性能も同じなので、「画素の映し出され方」そのものに大きな格差は感じないが、発色についての違いはやはり感じる。今回の評価では、VW50とVW100の同時投射の機会にも恵まれたのだが、色の出方が違うことを痛切に感じた。キセノン系ランプを採用しているVW100の方が明らかに色ダイナミックレンジが広い。VW100の色域ノーマルが、VW50の色域ワイドよりも色ダイナミックレンジが広いといえば想像が付くだろうか。決してVW50の色が悪いわけではない。VW50基準で見ればVW100のキセノンランプが良すぎる……という感じだろうか。 良い兄を持つ弟は辛いのだ。この圧倒的な色ダイナミックレンジの広さが欲しいという場合にはVW100を選択する価値は十分ある。しかし、本体価格が約2倍、交換ランプが2倍以上高価とハードルは決して低くはない。 QUALIA004の遺伝子を受け継いだSXRD画質を「頑張れば手の届きそうな価格帯」にまとめ上げたVW50の価値は高い。SXRD採用機の中では下位モデルではあるが、水銀系ランプ採用機の中では最上級の画質を持っていることだけは間違いない。
□ソニーのホームページ (2006年11月24日) [Reported by トライゼット西川善司]
AV Watch編集部 |
|