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三菱電機、伝搬速度を向上したハイエンド「新製法B4C高音質スピーカー振動板」

 三菱電機は、新製造技術や音声解析技術を適用した「新製法B4C高音質スピーカー振動板」を開発した。今後、自動車や家庭向け音響製品、AV製品への適応を検討していく。

新製法B4C高音質スピーカー振動板
伝搬速度と内部損失の関係

 高い伝搬速度の基準とされる毎秒1万m以上の数値を達成している振動板素材の「B4C」(炭化ホウ素)を採用したスピーカー振動板。B4Cは、ダイヤモンド(毎秒17,000m。理論値)に次ぐ、毎秒13,400mという伝搬速度の速さを持ちながら、適度な内部損失を持つという点が特徴となる。

 B4CはこれまでもDIATONEブランドのスピーカー振動板に用いられていたが、従来のプラズマ溶射法では、伝搬速度が12,000mに及ばなかったという。しかし、新たに開発した新常圧焼結セラミックス製法により、理論値に近い毎秒12,700mの伝搬速度を実現できたとする。

 新常圧焼結セラミックス製法では、従来の超高温・高圧による焼結法で実現できなかった複雑な形状生成が可能になったほか、同社独自の周波数ごとに音の拡がりと音圧を予測する音圧解析技術により、B4Cの性能を引き出す最適な振動板形状を実現可能とした。

 この新製造技術と音響解析技術により、不要な共振音が超高域まで発生しないため、ハイエンドユーザー向けの、より原音に近い音の再生が可能となる、としている。

(臼田勤哉)