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マウス、映像/写真クリエイター向けPC「DAIV」第1弾。全天球8K映像制作用も
(2016/3/28 20:36)
マウスコンピューターは、写真や映像編集、3DCG製作向けパソコンの新ブランド「DAIV」(ダイブ)第1弾モデルとして、デスクトップPC「DAIV-D」シリーズ4モデルと、ノートPC「DAIV-N」シリーズを3月下旬より発売する。販売は同社直販サイトや電話通販窓口で行ない、いずれも用途に合わせた構成にカスタマイズ可能。
デスクトップ型で最小構成となる、第6世代CoreプロセッサとIntel Z170チップセット、GeForce GTXを採用したモデルは99,800円~(本体のみ/ディスプレイ別売)。15.6型フルHD液晶ディスプレイを備えるノートPCで、GeForceGTX965M(NG5600)を採用したモデルが169,800円。
DAIVは、「ビジュアル(づくり)への力強いアプローチ」というコンセプトを表す「Dynamic Approach Imagery of Visual」の頭文字から名付けられたパソコンブランド。広告グラフィック制作などを手掛けるアマナの写真家やデザイナーなどの第一線で活躍するクリエイターらの意見を取り入れて開発。高速な処理性能やメンテナンス性の高さなどを特長としている。
2月にブランド立ち上げが発表され、同月開催の写真映像関連イベント「CP+ 2016」のマウスブースで各モデルを参考出展。今回、新たに製品構成などの詳細が決定した。
大型ハンドルで移動しやすいデスクトップ型「DAIV-D」
DAIV-Dシリーズは、構成の違いで4モデルを用意。いずれも本体のみで、ディスプレイなどは別売。モデルによってストレージの容量・種類や、HDMI/DisplayPort/USB 3.0などの各種インターフェイスの有無、端子の数が異なる。OSは、Windows 10とWindows 7 Professionalから選択可能。
「DAIV-DGZ500」と「DAIV-DQZ500」は、第6世代CoreプロセッサとIntel Z170チップセットを採用。メモリは最大64GBまで搭載可能。GPUは2種類から選択でき、GeForce GTXモデルは最小構成99,800円から、Quadroモデルは最小10万4,800円から。
「DAIV-DGX700」と「DAIV-DQX700」は、Core i7プロセッサとX99チップセットを採用した上位モデル。メモリは最大128GBまで搭載できる。GeForce GTXモデルは最小16万9,800円から、Quadroモデルは最小16万4,800円から。
筐体デザインを起こすにあたり、アマナと協力。写真や映像を扱うプロやライトクリエイター層を対象にヒアリングを実施。「無骨なデザイン」、「頑丈さ」、「掃除しやすさ」、「スペックに応じたカスタマイズ性」といったキーワードを元に、デザインを仕上げたという。現場の意見を元に取り入れた、高い処理能力やカスタマイズパーツの豊富さ、移動などハードな使用に耐えうる機能性なども特長とする。
前面パネル上段にはUSB 3.0×2と、音声入出力を各1系統装備。デスクの下に設置しても機器接続しやすいよう、上段のみ斜め上に傾斜がついている。各端子の脇には、オーディオ機器のボリュームのようなダイヤル式電源スイッチを装備。「(モノづくりに向けた)気持ちの切り替えをイメージした」という(マウスコンピューター コンシューマ営業統括部の氏家朋也部長)。
中段には5インチベイと3.5インチベイの拡張ベイを搭載。着脱可能な前面パネルで覆ったり、外しておくこともできる。下段の内側には着脱可能な防塵フィルタを装備。拡張ベイ用パネルと重ね付けしたり、外してホコリなどを水洗いで流すこともできる。
制作スタジオ内での移動を想定し、筐体には旧Mac Pro風の大型ハンドルを備えて移動しやすく、またデザイン上のアクセントにもなっている。さらに筐体下部には、オプションのキャスターを2個装着でき、ハンドルを片手で持って引っ張りやすくしている。軸を設けるかわりにキャスターの輪のみが回るようボールベアリングを採用し、高い耐久性とスムーズな移動ができるとする。外形寸法は全モデル共通で、190×485×450mm(幅×奥行き×高さ)。
4K/60Hz対応のHDMI 2.0を備えるノートPC「DAIV-N」
15.6型/1,920×1,080ドット、sRGB比95%のIPS液晶パネルを搭載したノートPC。「DAIV-NG5600」1機種、「DAIV-NQ5300」2機種の計3モデルを用意する。OSは、Windows 10とWindows 7 Professionalから選べる。
2月の発表当初、パネルのsRGB比は100%としていたが、生産上の都合で95%に変更された。「(同モデルの)ディスプレイsRGB比は全台点検して出荷する」(氏家氏)。
いずれも第6世代Coreプロセッサを搭載し、ハイエンドデスクトップPCと同等というスペックを実現。メモリは最大64GBまで搭載できる。ストレージはPCI-E接続のM.2 SSDで、最大4枚載せることができ、RAID 0構築で処理速度の向上にも対応。GPUを選ぶことができ、GeForce GTXモデルは最小16万9,800円から、Quadroモデルは最小18万9,800円から。
4K/60Hz対応のHDMI 2.0を背面に1系統装備。テレビやディスプレイなどにつないで、表示を確認しながら映像編集を行なうといったワークフロー構築ができる。DisplayPort×2や、USB 3.1 Type-Cも備える。また、高速なデータ転送が行なえるUHS-II対応カードリーダも標準装備する。外形寸法は共通で386×262×35.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.4kg。
作品作りに没頭できるPC環境を。VR向けのコンセプトモデルも
製品発表会では、RAWデータ現像用途や、全天球8KのVR映像視聴/編集向けにカスタムされたコンセプトモデル「VR-8K」のほか、17型の4K液晶パネルを搭載したノートPCも今後発売予定であることを明らかにした。
全天球VR-8Kの映像視聴に適する「DAIV DGX700」シリーズは参考価格20万9,800円。VR映像の編集に特化した「DAIV DQX700」シリーズは同48万9,800円。どちらもCore i7プロセッサとX99チップセットを採用する。DGX700はメモリ32GB、GPUがGeForce GTX 970を採用。DQX700はメモリ64GB、Quadro M5000。
どちらもOculus Rift DK2環境に対応するが、Oculus Riftとのセット販売は現時点では未定となっている。またマウスの担当者によると、HTC VIVEでVRコンテンツの体験ができる期間限定イベントを秋葉原のショップで行なっており、Oculus Rift以外の展開も考えているとのこと。
マウスコンピューターの小松永門社長は、クリエイターの感情やイメージを爆発させるさまを表した7色の水が沸き立つキービジュアルを示して「DAIVシリーズはプロのクリエイターからライトなユーザーまで、画づくりに没頭できる製品。4K/8KやVRコンテンツなど、新しいイメージを作り上げていくために役立つものを送り出したい」とコメント。
また、日本マイクロソフト Windowsコンシューマーグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの藤原正三氏は「Windows 10はクリエイターもターゲットユーザーに入っている。今は誰でもクリエイターになれる時代だ」と話し、DAIVの登場を歓迎した。