2016年4月期「坂本ですが?」「甲鉄城のカバネリ」など56作品。10作を解説

【 迷家-マヨイガ- 】

(C)diomedea・Ponycanyon/project迷家

公式サイト：

http://mayoiga.tv/

【あらすじ】
　興味本位で参加した胡散臭いバスツアーで合流した若き30人の男女。ツアーの目的地は納鳴村(ななきむら)と呼ばれる存在が定かではない幻の村。納鳴村では現世でのシガラミに縛られないユートピアの様な暮らしができる……と都市伝説のように囁かれていた。
　現実の世界に絶望している、退屈な日常を抜け出したい、人生をやり直したい。それぞれの思惑や心の傷を抱えた30人を乗せ、バスは山奥深くへと導かれてゆく……。
　そして30人が行き着いたのは、朽ちつつも微かに生活の匂いが残る無人の集落だった。30人につきつけられる納鳴村の真実とは!?
【編集Yの解説】
　オリジナル作品。アニメ制作は「艦隊これくしょん -艦これ-」のアニメなどを手がけたディオメディアが担当。監督は「ガールズ&パンツァー」や「SHIROBAKO」の水島努、シリーズ構成は「あの花」や「ここさけ」、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の岡田麿里、キャラクターデザインは「艦これ」の井出直美と、豪華なスタッフが参加。
　あらすじにもあるように、閉鎖された村の中で様々な人間模様が展開。謎が謎を呼ぶスリリングな展開が見どころとなりそうだ。

【 僕のヒーローアカデミア 】

(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会・MBS

公式サイト：

http://heroaca.com/

【あらすじ】
　ことの始まりは中国・軽慶市から発信された「発光する赤児」が生まれたというニュース。以後各地で「超常」が発見され、原因も判然としないまま、総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在。
　生まれ持った超常的な力“個性”を悪用する犯罪者・敵(ヴィラン)が増加の一途をたどる中、同じく“個性”を持つ者たちが“ヒーロー”としてヴィランや災害に立ち向かい、人々を救ける社会が確立されていた。
　ひとりの少年・緑谷出久(みどりや いずく:通称 デク)もヒーローになることを目標に、雄英高校への入学を目指していた。しかし、デクは総人口の二割にあたる、何の特異体質も持たない“無個性”な落ちこぼれだった……。そんなある日、デクは自身が憧れてやまないNo.1ヒーローのオールマイトと出会い、それを機に運命を大きく変えていくことになる。
【編集Yの解説】
　集英社の週刊少年ジャンプに連載されている同名コミックが原作。個性的なキャラクターや、メッセージ性の強さなどが話題となり、連載開始わずか1年超でコミックス累計発行部数は370万部を突破。「友情・努力・勝利」に新しいエッセンスが加えられた熱いストーリーで、ジャンプの“新世代王道”作品とされている。
　監督は長崎健司、シリーズ構成は黒田洋介と、「ガンダムビルドファイターズ」のコンビが担当。アニメーション制作はボンズ。オープニングテーマはポルノグラフィティが手掛ける。

【 マクロスΔ 】

(C)'82,'84,'92,'94,'97,'02 BW (C)'07 BW/MFP・M (C)'09,'11 BW/MFP (C)'12 BW/MFB7P (C)'15 BW/MDP

公式サイト：

http://macross.jp/

【あらすじ】
　西暦2067年、人間が我を失い狂暴化する奇病「ヴァールシンドローム」が猛威を振るう銀河辺境の地。対抗手段として結成された戦術音楽ユニット「ワルキューレ」は、「ヴァールシンドローム」の症状を歌で鎮めるため星々を駆けめぐり、ライブ活動を展開していた。
　一方、時を同じくして、「空中騎士団」と呼ばれる「風の王国」のバルキリー部隊が動き始めていた……。プロトカルチャーの遺産の謎が絡み合い、星系を超える熱きチームワークと恋の物語が幕をあける。
【編集Yの解説】
　戦闘機から人型ロボットに変形する可変戦闘機、歌や音楽が重要な要素となるストーリー、そして主人公を軸にした三角関係の恋愛ドラマなどでお馴染み、「マクロス」シリーズの最新作。総監督は河森正治、監督は安田賢司が担当している。
　劇中に登場する戦術音楽ユニット「ワルキューレ」は、作品のオープニング&エンディングテーマも歌っている。エースボーカルキャラクターは美雲・ギンヌメール。その歌唱を担当しているのは、愛知県出身の15歳JUNNA。アニメの内容だけでなく、マクロスシリーズ史上最年少歌姫の歌声にも注目だ。

【 くまみこ 】

(C)2016 吉元ますめ・KADOKAWA刊/「くまみこ」製作委員会

公式サイト：

http://kmmk.tv/

【あらすじ】
　東北地方のとある山奥、中学生のまちは熊を奉る神社に巫女として仕えていました。ある日、まちは後見人(人?)であるクマのナツに「都会の学校に行きたい」と訴えます。
　やる気はあっても根気はない、世間知らずのまちに、心配性のナツは都会で生きていくために必要なあらゆる試練を与えていくのですが……。
【編集Yの解説】
　神社に巫女として使える中学生のまちが主人公。そんな彼女と共に育ち、親のような存在でもあるのがクマのナツ。人の言葉を話す事ができ、まちよりも物知り。一方のまちは、都会に憧れてはいるものの、町に服も買いに行けず、極度の機械音痴。それでも都会の高校に通う事を夢見るまちに、都会の怖さを教えるため、ナツがくりだす難問の数々(駅の自動改札は何を使うと通れる? Suica/りんご/バナナ等) ……という、なんともゆるくて微笑ましい物語。
　最大の魅力は、純粋なまちの可愛さ。果たして彼女は試練を乗り越え、都会デビューを果たせるのか!?

【 ばくおん!! 】

(C)おりもとみまな(ヤングチャンピオン烈)/ばくおん!!製作委員会

公式サイト：

http://bakuon-anime.com/

【あらすじ】
　女子高生の佐倉羽音は、登校途中の坂道にへこたれたことがきっかけで、バイクに興味を持ち始める。すでにバイクに乗っている同級生の天野恩紗とともにバイク部に入部することになった羽音は、個性的で楽しい仲間達に支えられながら、無事に二輪免許を取得。　愛車のオートバイも購入し、ついに念願のオートバイ・ライフをスタート。実際にオートバイに乗りはじめてみると毎日が驚きと発見の連続で……!?
【編集Yの解説】
　タイトルからして、「女子高生達がキャッキャウフフしながらツーリングにハマっていくアニメなんだろうなぁ」と、「けいおん!」のバイクバージョンを連想しながらテレビの前に座った視聴者を硬直させる、ディープなバイクネタの嵐、頭のネジが何本か飛んだまま突っ込み不在で進行していく強烈なストーリー。原作者のバイクに対する愛憎がにじみ出たカオスバイクマンガがまさかのアニメ化。そしてまさかのバイクメーカー5社が全面協力!? いろいろ大丈夫なのかと心配になるギャグの数々と共に、こだわり抜かれたバイクの描写、サウンドにも要注目だ。

【 甲鉄城のカバネリ 】

(C)Quadrangle / BBKBRNK Partners

公式サイト：

http://kabaneri.com/

【あらすじ】
　世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後に“カバネ”と呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。
　極東の島国である日ノ本の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは装甲蒸気機関車(通称 駿城)のみ。
　蒸気鍛冶の少年・生駒。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城の一つ甲鉄城がやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する…‥。
【編集Yの解説】
　フジテレビのノイタミナ枠で放送されるオリジナル作品。日本……ではなく、蒸気機関が発達した“日ノ本”が舞台。スチームパンクと時代劇を混ぜたような世界で、ゾンビのような“カバネ”との壮絶な戦いが描かれる。
　監督は「進撃の巨人」の荒木哲郎、シリーズ構成は「コードギアス 反逆のルルーシュ」の大河内一楼、音楽は澤野弘之が担当。そして要注目は、キャラクター原案を「マクロス」などの美樹本晴彦が担当している事。映像クオリティは非常に高く、スピーディーなアクションが展開。そこで活躍する、ちょっと懐かしさを感じる美樹本晴彦キャラがとても斬新だ。アニメ制作は、「進撃の巨人」のウィットスタジオ。今期の要注目作だ。

【 クロムクロ 】

(C)クロムクロ製作委員会

公式サイト：

http://kuromukuro.com/

【あらすじ】
　ダム建設時に偶然発見された謎の遺物、アーティファクトの研究を行うために設立された国際連合黒部研究所。世界各国の頭脳が集う研究所員の子息が通う立山国際高校には、研究所長の娘、白羽由希奈も通っていた。
　時は2016年、 夏。ひとりのサムライが、ふたたび目を覚ます。
【編集Yの解説】
　「花咲くいろは」、「有頂天家族」などを手がけ、高い映像クオリティで人気を集めるP.A.WORKS。その15周年記念作品として作られるオリジナルアニメが「クロムクロ」だ。
　偶然発見された謎の遺物により、ロボット工学が飛躍的な発展を遂げた現代。そこに現れた、サムライ言葉を話す謎の少年。国連研究所や研究員の子息が通う学園を舞台に、ロボットとサムライが入り乱れる、新感覚アクションが展開する。監督は「DARKER THAN BLACK」の岡村天斎。

【 坂本ですが? 】

(c)佐野菜見・KADOKAWA/坂本ですが? 製作委員会

公式サイト：

http://www.tbs.co.jp/anime/sakamoto/

【あらすじ】
　クール、クーラー、クーレスト高校生の登場! この物語は、とあるクール、いや、クーレストな高校生・坂本の学園生活を綴ったものである。
　入学早々、クラスの、いや学校中の注目を集める一人の生徒がいた。その名は坂本(さかもと)。彼にかかれば、ただの反復横跳びは、秘技「レペティションサイドステップ」へと変貌し、上級生からの「パシリ」は、「おもてなし」へとクラスチェンジする。そんな彼のクールな一挙手一投足から、目が離せない。
【編集Yの解説】
　「このマンガがすごい!」など、様々な漫画賞で上位を獲得する、佐野菜見の同名コミックがアニメ化。
　教室のドアに黒板消しをはさみ、ドアを開けた人の頭に落下……よくある学校でのイタズラも、クーレストな高校生・坂本にかかれば、芸術的なキャッチからの優雅な朝の挨拶に早変わり。ある意味どうでもいい(?)些細な事も、いちいちクールにこなしていく彼の挙動が魅力のギャグアニメだ。
　監督は「男子高校生の日常」や「銀魂」シリーズを手がけてきた高松信司。坂本の声は緑川光が演じており、他にも、石田彰、杉田智和、檜山修之など、実力派声優陣が参加。良い意味での“暴走”にも期待したい。

【 キズナイーバー 】

(C)TRIGGER・岡田麿里/キズナイーバー製作委員会

公式サイト：

http://kiznaiver.jp/

【あらすじ】
　舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。
　夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。
　そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。
　園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!

【編集Yの解説】
　「キルラキル」などを手がけたスタジオ・トリガーによるオリジナル作品。原作には、「あの花」や「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の岡田麿里も参加している。
　監督は「キルラキル」、「神撃のバハムート GENESIS」などの絵コンテ・演出で注目を集めた若手実力派・小林寛。絆ではなく“傷による絆”で繋がった少年少女達の、一風変わった青春群像劇に注目だ。

【 ふらいんぐうぃっち 】

(C)石塚千尋・講談社/「ふらいんぐうぃっち」製作委員会

公式サイト：

http://www.flyingwitch.jp/

【あらすじ】
　魔女。自然豊かで資源豊富な場所を好む彼女達。彼女達には、「15歳になったら一人立ちをし、家を出る。」そんなしきたりがあるのだとか……。そして、これは、一人前の魔女を目指すため、青森に引っ越してきた少女のお話。
　こっちはいいですね。落ち着くといいますか。時間がゆっくりといいますか。この街で過ごす毎日は。のんびりで、楽しくて、温かい。
　女子高校生魔女、木幡真琴の自由気ままな魔女修行、始まります。

【編集Yの解説】
　「別冊少年マガジン」で連載中、石塚千尋の同名コミックが原作。魔女が主人公というと、魔法が飛び交うアクションを連想しがちだが、豊かな自然の中、のんびりした時間が流れる青森での暮らしを、温かいトーンで描く日常系作品。真琴が魔女という設定も、1つのアクセントという印象だ。
　方向音痴でちょっとぼんやりしたところのある真琴、使い魔である黒猫のチトさん、またいとこで料理が得意、真琴のクラスメイトでもある圭、その妹で好奇心旺盛な千夏がメインキャラクター。ゆったりと鑑賞しながら、青森に“聖地巡礼”したくなるような作品だ。