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“Zooma!:ズームレンズ、ズームすること、ズームする人、ズズーンの造語”

第398回:'09年春頂上決戦!? HDR-XR520V vs HF S10
~ エンコード画質と画角で魅せる HF S10篇 ~



■ キヤノンも複数の新デバイス搭載

 前回お約束した通り、今回はCanonのハイエンドモデル「HF S10」(以下S10)をお送りする。前回の「HDR-XR520V」も見所の多いカメラだったが、今回のS10も同様に新レンズ、新センサー、新画像処理エンジンを搭載した、ターニングポイントとなるカメラである。

 昨年「ダブルメモリ」の小型モデルで注目を集めたキヤノンだが、やはり画質、小型、メディアの3拍子揃ったところが受けたところだろう。今回のS10は小型ではないがさらなる高画質化へ向けた、ダブルメモリ型としては初めてのハイエンド指向シリーズとなる。

 店頭予想価格ではS10の方がXR520Vより1万円高いことになっているが、ネットの価格では逆に1万円安となっている。さらに3月31日まで1万円キャッシュバックキャンペーンをやっているので、実売ということでは10万円代となりそうだ。

 では早速S10の実力をテストしていこう。



■ 大柄だが軽量なボディ

 前回のXR520Vもやや大柄なカメラだったが、S10もサイズ的にはほぼ同等である。ただし見た目の割には軽量で、バッテリ込みで約500gとなっている。鏡筒部の中にいろんな部材を全部入れ込んで、すっきりまとめた印象だ。グリップ部と液晶部が左右でシンメトリックになっているあたりは、なかなか上手い。

 レンズは新CMOSに合わせた新設計のHDビデオレンズで、35mm判換算で動画約43.5~435mm、静止画約39.9~399mmの光学10倍ズーム。メモリ型カムコーダでは駆動部がレンズしかないわけだが、今回はレンズ駆動音の大幅な静音化を果たした。

 フィルタ径が58mmと大型化したため、ワイコン、テレコンともに新ラインナップがリリースされる。58mmのコンパクトなワイコンは珍しいため、別のカメラ用としても売れそうだ。

液晶を閉じると、シンメトリックなデザインがよくわかる 新開発のHDビデオレンズ。赤いHDマークがポイント 新ラインナップのワイド・テレコンバータ

 手ぶれ補正は光学式だが、従来のX-Y方向の二軸ガイドバー式ではなく、3つの極小ボールの上に手ぶれ用シフトレンズ版を載せて磁気で挟み込む、ボール転動制御式に変わった。二軸方式に比べて動作にガタツキが少なく、応答性が速い。

 またレンズカバーも新方式となっており、まぶたのように上下に開くスタイルとなった。上部にはポップアップのフラッシュとビデオライトがある。また下部にはマニュアル操作用のカスタムダイヤルが新設された。

まぶたのように上下に開くレンズカバー。従来よりコンパクトに格納できるという ポップアップするビデオライトとフラッシュ 下部にはカスタムダイヤルを装備

 撮像素子は受光面積を大型化した1/2.6型859万画素CMOS。従来機の1/3.2型331万画素から比べると、倍以上の画素数だ。動画の有効画素数は601万画素、静止画は802万画素となっている。

 また今回は多画素センサーのメリットを活かして、1.7倍のデジタルテレコンを搭載した。撮像素子の中央部分だけを使うわけだが、それでも画素数としてはフルHDサイズであるため、デジタルズームとは違って画質劣化がない。この場合は73.9~739.5mmの10倍ズームとなる。これにワイコン、テレコンと組み合わせると、画角はかなりのバリエーションとなる。

撮影モードと画角サンプル(35mm判換算)
撮影モード 動画(16:9) 静止画(4:3)
ワイド端
43.5mm

39.9mm
テレ端
435mm

39.9mm


ワイコン/テレコン/デジタルテレコン使用時の画角
動画サンプル (16:9)
【ワイコン使用】

動画:30.45mm
静止画:27.93mm
【テレコン使用】

動画:652.5mm
静止画:598.5mm
【デジタルテレコン】

動画:739.5mm
(※静止画非対応)
【テレコン+
デジタルテレコン】

動画:1109.25mm
(※静止画非対応)


新発売のビデオフラッシュライト「VFL-2」

 コンバージョンレンズ使用時にはポップアップライトがケラレるため、新しくビデオライトとフラッシュ兼用のライトが発売される。

 長らく変更がなかった画像処理エンジンは、今回のシリーズから3世代目となるDIGIC DV IIIとなった。動画は601万画素のままで処理を行ない、記録直前でHDサイズに縮小する。またダイナミックレンジを25%拡大し、従来機に見られた白飛びの問題を解決している。

 今回のエンジンから、顔認識が搭載されたのもポイントだろう。従来も外測AFセンサーとの併用で、AFの精度には定評があったが、顔認識と組み合わせることでより正確さが増している。また、横顔が検知できないのが顔認識の宿命であったが、キヤノンでは一度検知したあたりの肌色部分を引き続きフォローすることで、この弱点を補っている。

 液晶モニタは、液晶パネル部全体がフラットとなっており、ボタン類もフィルムではなく個別ボタンとなった。内側のボタン類は少なく、DISPと新機能VIDEO SNAPしかない。この機能に関しては後述しよう。

液晶面がフラットパネルで覆われた ボタン類はかなり少なくなった

 背面のモードダイヤルは、従来のAUTOモードが「デュアルショット」モードとなった。基本的にはフルオートには違いないのだが、このモード時では静止画シャッターを押せば8Mのフル静止画、動画のRECボタンを押せばハイビジョン撮影と、自動で切り替わる。ただし動画撮影中の静止画同時撮影は、従来の動画モードと同じ6Mとなる。

 バッテリは装着部の切り込みが深くなり、大型バッテリを付けてもそれほど出っ張らない。一方標準バッテリを付けたときに極端にえぐれて見えないよう、従来標準バッテリと同容量ではあるが、サイズとしては大きめのタイプが付属している。

緑のアイコンがデュアルショットモード 大型バッテリを装着してもでっぱらない

 背面のRECボタンは、右側に出っ張るフィンガーレストを設けている。グリップベルトは、肌が触れる内側がスウェード地になり、肌触りを改善している。

出力端子はグリップとベルトの間にある 外部マイク端子はカバーなし



■ ぎっちり感が向上した動画

カスタムキーの割り付けは、設定メニュー内のみ

 では実際に撮影してみよう。新しく搭載されたCUSTOMダイヤルは、露出、フォーカス、撮影アシスト、マイクレベル、AGCリミットの5機能から選べる。ただ機能の割り付けは、設定メニューからのみ可能で、ソニー機のようにボタン長押しで設定が変更できない。

 AFは優秀なのでフォーカスを割り付ける必要はないのだが、そうなるとダイヤルでアナログ的に変更しなきゃいけないパラメータは、露出とマイクレベルぐらいしかない。キヤノン機は絞りやシャッター優先モードがあるので、それらの変更を現行の十字キーではなく、このダイヤルで設定できた方が良かった。

 AFの性能は、外測センサーと顔認識の組み合わせでさらに向上している。こちらに向かってくる被写体を撮影すると、顔認識は外れないのだが、XR520Vは顔が小さいうちはフォーカスが合いにくい。一方S10のほうは安定してフォーカスをフォローし、フォーカスが合わなくなるギリギリまで追いついてくる。


ezso_focus.mpg (69MB)

ezca_focus.mpg (69MB)
XR520Vは顔認識は続けているが、時々AFを外す S10はほぼ顔認識が外れるまで終始フォーカスをフォローする
編集部注:Canopus HQ Codecで編集後、MPEG-2の50Mbpsで出力したファイルです。再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載した動画の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。


 例えば子供を撮るときに、こちらに向かって走ってくるシーンというのは外したくない瞬間だ。そういう時にAF速度が追いつくというのは、地味ながら大きなポイントとなる。またS10の場合は、撮影中にマニュアルフォーカスが必要だったのは2回程度だが、XR520Vはかなりの頻度でマニュアルフォーカスが必要となった。AFのミスが少ないのは、以前からのキヤノンのアドバンテージだ。

 顔認識に関しても実験してみた。最初に顔認識させ、その後横顔、最後にもう一度認識、というシーンを撮影したが、S10のほうは顔認識が外れても、フェイストーンを基準に輝度を維持する。一方XR520Vのほうは、中間地点で顔認識が外れると、次第に全体の輝度が上がっていく。ただ自動逆光補正が働くので、フェイストーンが飛ぶことはなかった。

顔認識のフォロー
  顔認識直後 中間地点 動画サンプル
HDR-XR520V
ezso_face.mpg (66.4MB)
HF S10
ezca_face.mpg (63.6MB)
編集部注:Canopus HQ Codecで編集後、MPEG-2の50Mbpsで出力したファイルです。再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載した動画の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。


 画質に関しては、やはり上限が24Mbpsまであることもあって、エンコーダの質はキヤノンの方が上だ。水面のシーンではXR520Vは最高画質の16Mbpsでも破綻するが、S10はギリギリなんとかこらえている。またエンコードの上手さは、最低画質の時によくわかる。XR520Vの場合はGOP単位で画質変動するのが目視で確認できるが、S10の方はわからない。


ezso_06.mts (34MB)

ezca_06.mts (48.3MB)
XR520Vで撮影。水面はもうエンコードが破綻している S10で撮影。ぎりぎりで見苦しくない程度に抑えている
編集部注:Canopus HQ Codecで編集後、MPEG-2の50Mbpsで出力したファイルです。再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載した動画の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。


記録モード別の動画サンプル
モード ビットレート 解像度 内蔵メモリ
記録時間
(32GB)
サンプル
MXP 約24Mbps 1,920×1,080 約2時間55分
ez009.mts (33.6MB)
FXP 約17Mbps 約4時間10分
ez010.mts (23.9MB)
XP+ 約12Mbps 1,440×1,080 約5時間45分
ez011.mts (17.2MB)
SP 約7Mbps 約9時間35分
ez012.mts (13.1MB)
LP 約5Mbps 約12時間15分
ez013.mts (9.7MB)
編集部注:Canopus HQ Codecで編集後、MPEG-2の50Mbpsで出力したファイルです。再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載した動画の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。


 絵作りとしては、S10のほうはフェイストーンをややピンクがかった健康的に見える方にシフトするが、XR520Vは色味はそのままでやや美白に見せる傾向があるようだ。またディテール感、絵のシャッキリ感といったところでも、S10の方が上だ。

S10で撮影。トーンがやや赤いが、解像感が高い XR520Vで撮影。トーンはナチュラルだが、ディテール感は劣る


ezsample.mpg (402MB)

ezroom.mpg (129MB)
動画撮影サンプル。前回とほぼ同じカットで編集してみた 室内撮影のサンプル
編集部注:Canopus HQ Codecで編集後、MPEG-2の50Mbpsで出力したファイルです。再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載した動画の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。

 今回から撮影に関する機能のGUIが変更されている。従来逆光補正などの機能を使うときには、十字キーを押してサブメニューを表示させた。ここには複数の機能があるのだが、一度に1機能しか表示できないので、必要な機能が出るまで左右キーで探す必要があった。

撮影補助機能が一覧できるようになった

 今回は上下キーで全機能が表示されるので、必要な機能にすばやくアクセスできる。また使いたい機能を待機状態でそのままにしておけば、センターボタンを押すことで素早くON/OFFできる。十字キーがショートカットキーのように使えるわけだ。

 ただメニューを出す、引っ込めるというアクションが上下キーというのが、ちょっと変則的のように思える。また機能待機状態では、上が全メニュー表示、下が待機状態OFFといった具合に意味が変わるのも、把握するのに時間がかかる。焦っているときにハマると、変なことになりそうだ。個人的にはメニューの出し入れを含めて下キーだけを使った方が、理解しやすかった。

 モニタ表示の新機能としては、撮影中にDISPボタンを押すことで、100%フルフレーム表示ができるようになった。これもずっと以前から問題視してきた部分で、昨今のテレビはフルフレーム表示が標準となってきている。動画サイトなどにアップした場合も、フルフレームである。しかしビデオカメラのモニタはフルフレーム表示ができず、約90%のエリアしか表示できないので、写したくないものを見切ったつもりでも、実際には写り込んでしまうという現象が起こっていた。

 なぜビデオカメラのモニタでフルフレーム表示できないかというと、そういう液晶パネルが存在しなかったからである。フルフレームで表示させるには、それ専用のパネルを新規に作ってもらわなければならない。それではコンシューマでは、コストが合わなかったのである。

 キヤノンの場合は、画面を縮小表示させることで100%フルフレーム表示を可能にした。常時このモードで使うわけではないが、ギリギリで見切りたい構図の時に、カンではなくちゃんと確認できるのは便利だ。

 夜間の撮影に関しては、XR520Vの新撮像素子は強烈だったが、一方のS10では自動で増感しないよう、ゲインアップのリミットを設定することができる。どちらかと言えば消極的解決法だが、AutoほどS/Nが悪化することはない。設定は18、12、6、0dBから選択可能。

ACG Autoで撮影。明るいがノイズは目立つ 18dBでリミット。暗いがS/Nはだいぶいい



■ 使い勝手がいい「デュアルショット」

 静止画機能としては、モード切替不要の「デュアルショット」が便利だ。押すボタンを変えるだけでフル機能の動画と静止画が撮れるので、静止画メインで動画はメモのような使い方をするときにテンポ良く撮影ができる。ただし基本はフルオートなので、設定らしい設定は何もできないと考えた方がいい。

 静止画も肌色の傾向は変わらないが、等倍で見ると最高画質でも結構圧縮ノイズが多い。JPEGの圧縮レートの違いかもしれないが、等倍で比べるとXR520Vの圧縮の方が綺麗である。

S10はコントラストが高くすっきりした肌色。ただ等倍で見るとノイズが目立つ XR520Vは現場に忠実な色味。S/Nは悪くない

 紫の花は、割と青み方向にシフトする。記憶色側に振っているのだろうが、オリジナルの色がそのまま撮れるXR520Vと比べると、かなり変わっているのに気づく。

S10で撮影。紫は若干青くなる XR520Vで撮影。現場で見た感じはこちらが近い

 今回搭載された新機能としては、「あとから連写」がある。これまで撮影した動画から静止画を起こす機能は存在したが、これは静止画にしたいフレームで止めてシャッターボタンを押すと、そのフレームが撮影できるというものだった。だが連写機能を使うと、シャッターボタンを押し続ければ、自動的に一コマ動画を進めながら、順次静止画に落としてくれる。



■ 再生機能も同じく進化

 XR520Vでは、カメラが自動でシーンをセレクトして格好良く再生してくれる「ハイライト再生」が搭載されたが、別に打ち合わせしたわけでもないはずなのにS10にもほぼ同等の機能が搭載された。それが「ビデオスナップ」である。

 ビデオスナップの場合は、自動で撮影シーンをピックアップするのではなく、撮影時に「ビデオスナップ」モードで撮影する。このモードでは、RECボタンを押した後、4秒間だけ動画を撮影し、自動的に停止する。

 撮影した映像にはビデオスナップ用のタグが付けられており、再生モードでもう一度「ビデオスナップ」ボタンを押すと、タグが付けられた動画だけが集められる。再生すると、音楽付きで連続再生される。クリップ間はエフェクトはかからないものの、テンポのあるカット割りとなる。

「ビデオスナップ」で撮影したクリップを集めて再生 音楽は10曲選べる

 音楽は本体内にあらかじめ5曲プリセットされているが、同梱のユーティリティを使って10曲まで送信可能。またBGM用の音楽として、15曲を収録したCD-ROMも付属する。再生可能なフォーマットは48kHz/16bitのWAVで、音楽CDなどからは専用ユーティリティがアップサンプリングして転送する。

 事前に専用モードで撮影しないといけないので一見面倒に見えるが、例えば子供が遊んでいるところを撮ると、どうしてもやってることにキリがないので、絵柄がだらだらと散漫になりがちだ。だがこのモードでは4秒間に決め打ちされるので、1カットずつアングルなどを工夫しながらきっちり撮ろうという気合いが入る。単に再生が面白いという事ではなく、むしろ自然に撮影が上達するにはどうしたらいいか、というところを考えて実装された機能である。

 また、顔認識エンジンを再生側でも使うというアイデアは、S10にも搭載された。「シーン検索」の「顔ジャンプ」を使うと、顔が写っているシーンだけが集められる。またこの時に「DISP」ボタンを押すと、顔部分だけをタイムライン上に表示する「顔タイムライン」機能となる。

専用ユーティリティでカメラ本体に音楽を転送 撮影後の顔認識を利用した「顔ジャンプ」機能



■ 総論

 先週のXR520Vは結構派手な進化だったが、キヤノンS10はベイヤー配列の6Mで撮像し、縮小するという手法で、かなりキレのいい絵が出ている。レンズの質を壊さずに最後まで素直にエンコードできているようだ。また後発となる顔認識では、従来の弱点をうまくフォローした実装となっている。

 オートホワイトバランスでのやや赤っぽいチューニングは好みの分かれるところだろうが、肌のなめらかさとラティチュードの広さは、人物撮りで威力を発揮するだろう。

 残念なのは、やはり以前から指摘していた虹彩絞りを、このタイミングで搭載できなかったことだろう。特にキヤノン機は絞り優先モードがあるので、絞りに関してはもっとも神経質になるべきポジションであったのに、優先モードを持たないソニーの方が問題意識を持っていたということだろうか。

 静止画に関しても、老舗のカメラメーカーのほうがノイズが多いというのは、考え物である。だが動画のエンコードはこちらの方が上手い。

 デザインに関しては、XR520Vがオーソドックスな、悪く言えば凹凸が多くごちゃっとしたスタイルなのに対して、S10はシンメトリックであまり凹凸がなく、スルッとした形にまとめてきた。

 どうも両者を比較すると、ソニーっぽい部分とキヤノンっぽい部分が、数年前の状況から逆転してしまったような感じがする。それぞれが弱点を言われてきた部分を強化し続けたために、いつのまにかポジションが入れ替わってしまったかのようだ。

 しかし今年春モデルで上位モデルがこれだけ両社が突っ走ってきたわけだから、今後バリューゾーンの製品にどう落とし込んでいくのかも気になるところだ。もちろん他社の新モデルにも期待したい。


□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□製品情報
http://cweb.canon.jp/ivis/lineup/hivision/hfs10/index.html
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/handycam/PRODUCTS/HDR-XR500VXR520V/index.html
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(2009年2月12日)


= 小寺信良 =  テレビ番組、CM、プロモーションビデオのテクニカルディレクターとして10数年のキャリアを持ち、「ややこしい話を簡単に、簡単な話をそのままに」をモットーに、ビデオ・オーディオとコンピュータのフィールドで幅広く執筆を行なう。性格は温厚かつ粘着質で、日常会話では主にボケ役。

[Reported by 小寺信良]



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