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キヤノン、859万CMOSとDIGIC DV III搭載のAVCHDカメラ
-顔検出機能装備。389万画素の「HF20」も用意


2月中旬発売

標準価格:オープンプライス


 キヤノン株式会社は、顔検出機能を搭載した、AVCHD 24Mbps記録対応のハイビジョンビデオカメラ2機種を2月中旬に発売する。ラインナップは1/2.6型総画素数859万CMOSを搭載した「iVIS HF S10」と、1/4型総画素数389万CMOSを搭載した「iVIS HF20」の2モデル。生産台数はHF S10が1万台/月、HF20が3万台/月。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は下表の通り。

iVIS HF S10 iVIS HF20

 同社では、HF S10とHF20には上下関係をつけず、「ダブルフラグシップ」の位置づけで、HF S10は「美しさを誇る、高画質モデル」、HF20は「小ささを誇る、コンパクトモデル」として展開する。両モデルとも本体カラーはブラックのみで、カラーバリエーションは用意されない。

型番 記録メディア 撮像素子 レンズ 映像エンジン 店頭予想価格
iVIS HF S10 内蔵32GBメモリ
SD/SDHCカード
1/2.6型総画素数859万
動画:約601万/静止画:約802万
光学10倍ズーム
フィルター径58mm
DIGIC DV III 16万円前後
iVIS HF20 1/4型総画素数389万
動画:約299万/静止画:約331万
光学15倍ズーム
フィルター径37mm
14万円前後

 両モデルとも、International CESで発表された新モデルだが、北米で発表されたHDVモデル「HV40」は日本では発売されず、「HV30」が継続販売される。

DIGIC DV III

 HF S10、HF20ともに、映像エンジンを従来の「DIGIC DV II」から、新映像エンジン「DIGIC DV III」に強化。演算能力が大幅に向上したことで、高画質化と高機能化を実現した。

 ダイナミックレンジが従来機種に比べて25%拡大したほか、測光時に撮影領域全体の輝度と色の情報を参照することで、より自然な色再現が可能になった。また、イメージセンサーの高画素化にも対応した。

 機能としても、処理能力を活用して、人物の顔を瞬時に検出して、綺麗に撮影する「フェイスキャッチテクノロジー」を新搭載。デジタルカメラの「フェイスキャッチテクノロジー」を応用し、動画への最適化を図ることで、動いたり横や下を向いた人物も正確に顔を検出できるとしている。

 従来から搭載している、外部センサーとコントラスト検知で高速なフォーカス制御を行なう「ハイスピードAF」を組み合わせることで、従来ではピントを合わせにくかった状況でも、素早くピントを合わせることが可能。

 複数人を検出した場合は、カメラが主被写体を自動的に選び、主被写体が顔を横や下に向けたり画面内で移動しても、一定の間、自動的に追尾しピントを合わせ続ける。また、主被写体を別の人物に切り替えることもできる。さらに、AFだけでなく、人物撮影に最適な露出制御や、高精度なストロボ制御も行なっている。

 また、フェイスキャッチテクノロジーを再生時にも活用することで、各シーンで最初に顔が映るカットをサムネイル画像で表示する「顔ジャンプ」や、1つのシーン内で顔があるカットを時間順にサムネイル画像で表示する「顔タイムライン」といった機能も備えている。



■ iVIS HF S10

 撮像素子、レンズ、映像エンジンを一新。859万画素「キヤノン フルHD CMOS」、DIGIC DV III、光学式手ブレ補正機能付き光学10倍ズーム「キヤノン HD ビデオレンズ」を搭載し、民生機で最高レベルの水平解像度約900TV本の高画質を実現している。

 同社では、「一眼レフカメラの交換レンズをイメージしたフォルムに、グレイッシュグロスメタルとダイヤモンドブラックのツートンカラーを施すことで高級感のあふれるデザインに仕上げた。エラストマー製のフィンガーレストやスエード地のグリップベルトの採用により、優れたホールド性と高級感を両立させた」としている。

キヤノン フルHD CMOS

 撮像素子の有効画素数は動画時約601万画素、静止画時は約802万画素(4:3)/約601万画素(16:9)で、フィルターはRGB原色フィルターを採用。動画撮影時には、約601万画素の映像信号を読み出して、ハイビジョン解像度(約200万画素)にリサイズして録画する。また、中央の1,920×1,080画素だけを読み出すことで、画質を劣化させずに焦点距離を1.7倍相当にする、「デジタルテレコン」も利用できる。

 レンズは、従来よりズーム倍率が下がった上で、口径が大きくなりフィルター径58mmの画質重視設計。レンズ構成9群11枚で、F1.8~3.0。焦点距離は35mm判換算で、動画時約43.5~435mm、静止画時は約39.9~399mm(4:3)/43.5~435mm(16:9)となっている。

 HF11のレンズに比べ、広角端での各種の収差や、望遠端での周辺光量を改善し、「高い解像力を備えたレンズに仕上げた」としている。また、2枚の非球面レンズの採用したほか、新しいグラデーションNDフィルターを搭載した光量自動調整システムにより、絞りの回折現象を軽減。さらに、独自のスーパースペクトラコーティング技術により、全ズーム領域においてゴーストやフレアを抑えた、クリアで鮮明な画質を実現したという。

 ズームの駆動についても静音化を図っているほか、光学式手ブレ補正機能についても、シフトレンズの制御に、摩擦が少なく応答性に優れたボール転動制御を採用している。

 最低被写体照度は約0.3ルクス(ナイトモード、シャッタースピード1/2秒)/約4ルクス(Pモード、オートスローシャッターオン、シャッタースピード1/30秒)となっている。また、オートゲイン時にリミッターの設定が可能となり、暗いシーンでも、ノイズと明るさとのバランスを撮影者がコントロールできるようになった。さらに、本体には補助光源としてフラッシュと、ミニビデオライト(高輝度白色LED)を内蔵している。

 録画モードは「MXP」(約24Mbps)、「FXP」(約17Mbps)、「XP+」(約12Mbps)、「SP」(約7Mbps)、「LP」(約5Mbps)の5種類を用意。解像度はMXP/FXPモードは1,920×1,080ドット、その他のモードは1,440×1,080ドット。なお、1,920×1,080ドットはSDHC Class4以上、それ以外はClass2以上のカードが推奨されている。

 x.v.Color規格に対応したほか、毎秒24コマに加え、毎秒30コマのプログレッシブ撮影(60i記録)が可能。静止画記録はJPEG形式で、解像度は3,264×2,456/3,264×1,840/1,920×1,440/640×480ドット。内蔵メモリに記録した動画や静止画は、SD/SDHCカードへコピーをすることも可能。

 操作面では、使用頻度の高い機能を登録して簡単に利用できるカスタムダイヤルやカスタムキーを装備。カスタムキー/カスタムダイヤルには、露出ロック/フォーカス/撮影アシスト/マイクレベル/AGCリミットを割り当てられる。質感もカスタムダイヤルにダイヤカット加工を施すとともに、適度なトルクを持たせており、「上質な操作感を実現した」という。

 液晶モニターは、2.7型約21.1万ドットで、広視野角/広色域対応、ハードコートAR表面処理が施されている。カバーにはフラットパネルを採用。特殊コーティングを施すことで傷や汚れから液晶モニターを保護している。また、撮影エリアの全領域を表示する100%表示に対応し、厳密なフレーミングを可能なほか、SMPTE準拠のカラーバーの表示や、オーディオテストトーンの再生もできる。さらに、マニュアルフォーカスでの撮影時に、ピントの合った被写体の輪郭部分に色を付ける「ピーキング」表示にも対応している。

 そのほかにも、液晶モニターを開けると、スタンバイ状態から約1秒で撮影を再開できる「クイックスタート」や、十字キーにあわせ、液晶モニター上の操作項目を十字で表示するユーザーインタフェイスなども装備している。なお、EVFは搭載していない。

 新機能として、スナップ写真の感覚で4秒間の動画を撮影し、内蔵の音楽と一緒に再生できる「ビデオスナップ」や、撮影ボタンを押す3秒前までさかのぼって録画ができる「プレREC」を搭載。また、ボタン操作だけで動画と静止画の切り替えを素早く行うことができるデュアルショットモードも備えている。

 「ビデオスナップ」の再生時には、撮り貯めた動画の中から順番を決めて、雰囲気に合わせた音楽を内蔵の音楽ファイルから選択し、BGM付きの映像として鑑賞することが可能。内蔵の音楽ファイルは、付属ソフトで好みの曲と入れ替えることも可能。音楽ファイルは、本体に5曲、付属のCD-ROMには15曲が収録されているほか、WAV形式(リニアPCMステレオ 48kHz/16bit)のファイルを取り込むこともできる。

 そのほかにも、撮影した動画から200万画素の静止画を切り出す「あとからフォト」に加え、1秒間のシーンを30枚(PF24で撮影した場合は24枚)の連続した静止画として保存できる「あとから連写」も新たに搭載されている。

ミニアドバンストシューのカバーは、本体に収納できるようになっている

 連続撮影時間は、付属のバッテリパック「BP-807」使用時で、標準画質のSP(約7Mbps)モードで撮影した場合、約100分となっている。オプションの「BP-827」を使用すると、約305分の連続撮影が行なえる。

 入出力端子は、HDMIミニ出力、AVミニ出力(AVミニ出力と兼用)、外部マイク入力、ヘッドホン、コンポーネント(特殊D端子)出力、USB端子(mini-B)などを備える。HDMI端子は、接続したテレビのリモコンで操作ができる「HDMI-CEC」に対応している。また、本体上面に搭載したミニアドバンストシューはカバーが本体内に収納できる、インナースライド方式となっている。

セット内容

 外形寸法は、約70×136×69mm(幅×奥行き×高さ、グリップベルト含まず)、本体のみの重量は約450g(撮影総重量約500g)。

 ワイヤレスコントローラー「WL-D88」、D端子ケーブル「DTC-100/S」、ステレオビデオケーブル「STV-250N」、USBインターフェイスケーブル「IFC-400PCU」、コンパクトパワーアダプタ「CA-570S」、バッテリパック 「BP-807」、PIXELA Application Disc、デジタルビデオソリューションディスク、音楽データディスクなどが付属する。

 付属ソフトは、撮影した映像のパソコンへの保存と、ビデオカメラ内に音楽ファイルを転送する簡単なユーティリティーソフトの入ったCD-ROMと、撮影した映像の整理や編集が可能なソフトの入ったCD-ROMの2枚に分かれている。

□製品情報
http://cweb.canon.jp/ivis/lineup/hivision/hfs10/index.html



■ iVIS HF20

 iVIS HF20は、2008年8月に発売した「iVIS HF11」の後継機種で、約17%の小型化と30gの軽量化を実現。外形寸法は約70×124×約62mm(幅×奥行き×高さ、グリップベルト含まず)、本体重量約340g(撮影総重量約400g)となっている。

 同社では、「ズームレンズを本体中央部の低い位置に配置したほか、ボディ形状の見直しや液晶パネルの薄型化を行なうことで、小型化を達成しつつ、ホールド感を高めた」としている。

 新開発の総画素数389万画素「キヤノン フルHD CMOS」を採用したほか、DIGIC DV IIIや、光学15倍ズームの「キヤノン HD ビデオレンズ」を搭載。「フェイスキャッチテクノロジー」、「ハイスピードAF」、「ビデオスナップ」、「プレREC」といった機能面ではHF S10と同等となっている。

 撮像素子の有効画素数は1/4型総画素数約299万画素で、RGB原色フィルターを採用。静止画時は約331万画素(4:3)/約299万画素(16:9)。ズームレンズは、従来の12倍から15倍に倍率を高めながら、小型化を達成。レンズは9群11枚構成で、両面非球面レンズ1枚使用。F1.8~3.2、焦点距離は35mm判換算で39.5~592.5mmとなっている。ボール転動制御を採用した、光学式手ブレ補正を備えている。

 最低被写体照度は約0.4ルクス(ナイトモード、シャッタースピード1/2秒)/約5.5ルクス(Pモード、オートスローシャッターオン、シャッタースピード1/30秒)。また、本体には補助光源としてフラッシュと、ミニビデオライト(高輝度白色LED)を内蔵している。

 録画モードはHF S10と同じで、静止画はJPEG形式で、2,100×1,575/2,304×1,296/1,600×1,200/848×480/640×480ドットで撮影できる。

 液晶モニターは、2.7型約21.1万ドットで、広視野角/広色域対応、ハードコートAR表面処理が施されている。なお、EVFは搭載していない。

 連続撮影時間は、付属のバッテリパック「BP-809」で、約100分(SPモード、内蔵メモリ使用、液晶モニターの明るさ:ノーマル、AF合焦時)となっている。


セット内容

 入出力端子はミニアドバンストシュー、HDMIミニコネクタ出力(x.v.Color、CEC対応)、AVミニ出力、外部マイク入力、ヘッドホン(AVミニ出力と兼用)、コンポーネント出力(特殊D端子)、USB 端子(mini-B)などを備える。

 付属品は、ワイヤレスコントローラー「WL-D88」、D端子ケーブル「DTC-100/S」、ステレオビデオケーブル「STV-250N」、USBインターフェイスケーブル「IFC-400PCU」、コンパクトパワーアダプタ「CA-570S」、バッテリパック「BP-809」、PIXELA Application Disc、デジタルビデオソリューションディスク、音楽データディスクなど。

□製品情報
http://cweb.canon.jp/ivis/lineup/hivision/hf20/index.html



■ オプション

 HF S10のレンズが大口径化したのに伴い、対応する1.7倍テレコンバーター「TL-H58」、0.7倍ワイドコンバーター「WD-H58」が3月中旬に発売される。価格は各37,800円。

 また、ミニアドバンストシュー対応のビデオフラッシュライト「VFL-2」も2月中旬に発売される。価格は14,800円。

TL-H58 WD-H58 VFL-2の装着例



□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□ニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2009-01/pr-hf-s10.html
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090110/zooma392.htm
【2008年7月22日】キヤノン、AVCHD規格上限24Mbps対応ハイビジョンカメラ
-内蔵32GB+SD/SDHCモデルと、120GB+SD/SDHCモデル
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080722/canon.htm

( 2009年1月15日 )

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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