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シャープのプロジェクタが5年ぶりに復活。鴻海と共同開発の超短焦点型

 シャープは、2017年2月21日、22日の2日間、東京・池袋のサンシャインシティにおいて、「シャープビジネスソリューションフェア 2017」を開催し、国内市場向けに5年ぶりに再参入となるプロジェクタを参考展示した。ビジネスプロジェクタとしては7年ぶりとなる。鴻海と共同開発したものだという。

今年夏に発売する超短焦点プロジェクタ

 シャープ 専務 ビジネスソリューション事業本部の中山藤一本部長は、「鴻海精密工業は、プロジェクタの豊富なラインアップを持っており、そのなかから、シャープのビジネスソリューション事業の販路を通じて展開できるものを日本に投入した。BtoBの用途を想定しているため、ラインアップを一気に広げることはないが、今後、新たな商材として日本で展開していく」と語った。

天吊り型でのデモストレーションも行なった

 今回、参考展示した超短焦点プロジェクタは、鴻海精密工業と共同開発したもので、今年夏を目標に発売する予定だという。国内では、7年ぶりのプロジェクタ市場への再参入になる。価格は未定だが、数10万円程度としている。

 80インチの画面サイズで表示するには約40cmの距離で、100インチでは約50cmの距離、最大サイズとなる150インチでは約75cmの距離でそれぞれ表示できる。

 光源にはレーザーを使用し、4,000ルーメンの高輝度を実現。解像度は1080p、コントラスト比は12,000:1としており、HDMI端子を2個、RGB端子を2個搭載。10wスピーカーを搭載している。

 従来の水銀ランプでは、約3,000時間の寿命に留まるが、レーザー光源を採用したことで、2万時間交換不要で利用できるのが特徴であるほか、水銀ランプを使用しないため、環境にも優しい製品だとしており、企業の会議室や商業施設、学校、監視ルームなど、BtoB用途での導入を見込んでいる。だが、「ビジネスからホームユースまで幅広い用途に対応できる製品」としており、ホームユースの一部も視野に入れる。

 据え置き型や天吊り型での利用のほか、ショーウインドウなどの透明パネルに、後ろ側から映像を投影し、ショーウインドウのなかの製品などを見せながら、シースルーで映像を投影できるという。

パネルの後ろ側上部から投影。シースルーでの展示が可能だ
DLPのロゴが入る

 シャープの中山専務は、「国内投入を予定している超短焦点プロジェクタは、レーザー光源を採用することで、高輝度を実現しており、明るい部屋でも見やすい。複数のプロジェクタを組み合わせて、横長のスクリーンに表示することも可能で、これにより、大学の講堂でも、大画面の液晶ディスプレイをつなぎあわせることなく、大スクリーンを実現できる」とする。さらに、シャープのタッチパネルのノウハウを組み合わせることで、投影した画面に文字を書き込んだり、拡大縮小の操作をしたりといったことも可能になるとしている。

 設計および開発は鴻海が行ない、画質のチューニングや安全基準などについては、シャープのノウハウを活用し、製品としての完成度を高めている。

100型での表示を2つ組み合わせた大画面化も可能
超短焦点であることから手前に置いた製品などに重ならず投影が可能

 シャープビジネスソリューションフェア 2017は、シャープのBtoB事業に関する商品、サービス、ソリューションを一堂に展示する総合展示会で、年2回のペースで開催されている。

 2016年度上期は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7カ所で開催し、4,000社6,000人が来場。今回の2016年度下期の同フェアでは、東京、大阪、名古屋の3カ所で開催し、会期中に3,000社5,000人の来場を見込んでいる。すでに、名古屋は2月3日に、大阪は2月16、17日に開催している。

 テーマは、「ひとつにつながる、人に寄り添うSmartビジネスへ~これからは、All in"One SHARP”for Smart」とし、高速デジタルフルカラー複合機や、40v型タッチディスプレイ「BIGPAD」などによる「for Smart OFFICE」、POSターミナルなどのリテール系製品、デジタルサイネージなどの「for Smart STORE」などの切り口から、セキュリティソリューション、リテールソリューション、FAソリューション、サイネージソリューションなど、シャープの各本部が持つビジネスソリューション製品を組み合わせた展示を行なっている。

 また、8つの講演、18つのセミナーを用意。講演では、シャープ 専務 ビジネスソリューション事業本部の中山藤一本部長が「シャープの状況とビジネスソリューション事業展開について」と題して講演したほか、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏、東進ハイスクール東進衛星予備校現代文講師の林修氏、元衆議院議員の杉村太蔵氏、女優であり、戸板女子短期大学客員教授の菊池桃子氏などが登壇した。

 展示会場のなかからいくつかの製品を紹介する。

東京・池袋のサンシャインシティで開催されたシャープビジネスソリューションフェア 2017
参考展示した曲面ディスプレイ。約60型のサイズで曲率半径は500mm。立体感のある映像表示が可能
机のサイズにあわせて少人数の会議に最適化した40V型タッチディスプレイ「BIG PAD PN-401C」
テーブルに組み込んだ平置きタッチディスプレイ。美術館や博物館などで情報表示用に活用が見込まれる
参考展示された8Kモニター
同時に参考展示された8K試験放送対応高度BS受信機
イトーキと共同開発したディスプレイ一体型デスク「4K-eDESK」。図書館などに販売する
4K-eDESKの机の下に小型PCが格納されている
新聞や歴史資料などを高精細に表示できる
教育コンテンツを表示すると、まるで教室で授業を受けているようだ
世界最大規模となるマルチディスプレイ70V型「PN-V701」を3台組み合わせたサイネージ
カメラを搭載した顔認識サイネージのデモストレーション
屋外対応LEDディスプレイ。液晶以外のデバイスにも展開
参考展示をしていたタッチPOSターミナル。鴻海との共同開発したものだという
今年春に発売予定の迷惑FAXフィルタボックス。複写機に接続し、データベースなどと照合して迷惑なFAXなどを受信しないようにする
アシスト台車。50kgの荷物を載せても楽に坂道をあがることができる
シャープのアシスト台車 坂を登るときには軽くなり、降りるときにはブレーキがかかる

【訂正】記事初出時に「シャープのプロジェクタが7年ぶりに復活」としていましたが、7年ぶりはビジネス向けで、ホームシアター向けを入れると5年ぶりとなります。タイトル等を修正しました(2月21日21:20追記)