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リコーTHETAと一眼を連携、リッチな360度コンテンツに。2万円台の全天球カメラも
2017年2月23日 20:01
カメラと写真/映像の展示会「CP+ 2017」では、VRの盛り上がりに合わせて、360度映像に関する様々な製品展示やデモが行なわれている。360度VRコンテンツの新たな楽しみ方や、より手頃な価格の360度カメラなどの展示をレポートする。
THETA+一眼を使った360度動画の多様な表現。4Kや360度音声も
360度カメラを展開するリコーは、「THETA」で撮影した動画や写真の楽しみ方などを紹介。その一つとして、一眼レフカメラとTHETAを組み合わせたコンテンツ「Multi-Imaging Technology」や、360度の音声と組み合わせた動画などを展示している。これらは米国ラスベガスで1月に行なわれた「CES 2017」で披露したもので、国内では初展示となる。
Multi-Imaging Technologyで作られたコンテンツは、一見すると1枚の静止画に見えるコンテンツだが、点線で囲まれた場所が複数用意されており、その部分をタッチすると、より高解像度な拡大表示が見られたり、動画として全画面で再生できるようになっている。表示には電子黒板を使用している。
撮影は、一眼レフカメラのPENTAX K-1と、RICOH THETA Sを使用したもので、複数の静止画/動画を一つに統合して表示。THETA 1台で360度の全天周撮影は可能だが、一眼レフなどの静止画/動画に比べると解像度が低くなってしまう。そこで、THETAで全体のイメージを表示しつつ、拡大したり動画で見たい部分は、K-1のより高画質な静止画/動画で閲覧できるようにしている。
この表示方法が、カメラの機能として実装されるか、専用ソフトウェアなどで実現するかといった最終的な形は今後検討するという。
また、THETAの映像に360度の音声を組み合わせたコンテンツもデモ。ヘッドフォンを装着して、PC画面に表示された360度動画をドラッグすると、頭の向きを変えた時のように、音の聞こえる方向が変化する。VRヘッドマウントディスプレイなどとの組み合わせも想定している。
今回のコンテンツは室内に4本のマイクを立ててマルチチャンネル録音したものだが、より簡易なシステムで映像と音声のVRコンテンツを作成することも検討中としている。
そのほか、360度動画の4Kと2KフルHDの画質比較展示も行なっている。現行モデルのTHETAは最大フルHD相当だが、4K対応とすることで、細部も鮮明に表示されることを紹介。実際に、THETAの4K対応を望む声も多いという。現時点で4K対応モデルの製品化予定などは明らかにしていないが、高解像度化に向けた開発は進めているという。
2万円台の360度カメラが登場
ケンコー・トキナーのブースでは、今後発売予定の低価格な全天球/半天球カメラを参考展示している。全天球カメラは、前後に各1つのレンズを備え、水平/垂直方向に360度の動画/静止画撮影が可能。9月に発売予定で、想定価格は24,000円前後。
記録メディアはmicroSDカード。解像度などの詳細な仕様は現時点では明らかにしていない。スタンドと自撮り棒も付属する。
レンズが1基で、水平方向に360度、垂直方向に220度の半天球撮影が可能なモデルは、6月発売予定で、想定価格は14,000円前後。
動画撮影は1,920×1,080ドット/30fps記録に対応し、ファイル形式はMPEG-4 AVC/H.264。HDMIからテレビなどへの出力も可能。スマートフォンアプリ「EZ iCam」と連携した操作にも対応する。