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Dan D’Agostino、斬新な出力回路を備えたステレオパワーアンプ「MOMENTUM S250」

 アクシスは、Dan D’Agostinoのステレオパワーアンプ「MOMENTUM S250」を6月に発売する。価格は540万円。カラーはシルバーとブラック。既存モデルからのアップグレードサービスも用意しており、詳細は後述する。

Dan D’Agostinoのステレオパワーアンプ「MOMENTUM S250」

 従来モデル「MOMENTUM STEREO(S200)」の回路に全面的に手を加え、最新のモノーラルパワーアンプ「MOMENTUM M400」と同様の、より斬新な出力回路デザインを採用。「単純にパワーアップを果たしただけでなく、圧倒的なSN比による極めてセンシティブな、そして、生命感漲る絶大なダイナミックスを獲得した」という。

 出力は250W×2ch(8Ω)、500W×2ch(4Ω)。従来機「MOMENTUM STEREO(S200)」の、ミニマム・コンストラクション・コンセプトを踏襲しながら、増幅回路、特に出力ステージを一新した。筐体は従来と同じで、アルミブロック削り出し。シャーシに銅のヒートシンクを採用している。

 S250には、フルコンプリメンタリーデザインの新ドライバ回路を搭載。出力段にはこれまでの2倍の電流を送り込むことができ、オープンループゲインを倍増させた。「得られる出力は単にパワーアップするだけでなく、よりオーソライズされた極めてリッチな質感を音に与える」という。

 ドライバとパワーステージのパワートランジスタにはバイポーラ型を採用。素子は69MHzで動作。俊敏性と超広帯域幅を達成したという。NPN/PNPペアをチャンネル当たり、ドライバーに2組、パワーに6組、計16個構成となる。

 これらを、ステンレススチール・ファスナーを使い、銅のヒートシンクにマウント。熱伝導性能を発揮させた。各トランジスタのベースに結合されるコンデンサ/抵抗ネットワークは、超高周波数にも、低インピーダンスのスピーカー負荷に対しても安定性を保った特製品を使っている。

 ヒートシンクは銅製。アルミと比べて1.7倍の熱伝導率を持ち、出力デバイスの熱を素早く吸収。冷却機構にはベンチュリ構造を採用。分厚い銅のヒートシンクブロックを縦に貫き、放熱穴は上下の開口部19mmに対して中央部を12mmと絞り込むことで、流体力学におけるベンチュリ効果を発生させ、下から上に穴を吹き抜ける空気の流れを加速。効率良く熱を放出し、冷却できるという。

 米アリゾナ州の工場にて手作業で組み立てられており、板金加工ではなく無垢のアルミ・ビレッド材から機械加工されている。ディスクリート回路を搭載する基板材にはスルーホール構造を採用。表面実装方式に比べて耐熱能力に優れている。

 搭載している全抵抗は、1%誤差の高品位金属皮膜ユニット。アンプ回路は入力から出力まで全段DC結合。信号経路にキャパシタは挿入していない。

 入力端子はXLRバランス。SN比は105dB。ゲインは24.5dB。消費電力は2.2W未満(スタンバイ時)、90W(アイドル時)、650W(1/3出力時)、1,010W(最大出力時)。外形寸法は318×533×127mm(幅×奥行き×高さ)、重量は44kg。

「MOMENTUM S250」の背面

アップグレードサービス

 今月発売の「S250」に加え、昨年12月にはモノラルアンプ「M400」も発売しているが、既存モデルからの有償アップグレードサービスも実施する。

モノラルアンプ「M400」

 新モデルと同等の機能/性能とするために、外装を除く内部の全てを刷新するもので、施工はアリゾナのD’Agostino自社工場で、生産工程と同様のプロセスで行われる。

 費用は、MOMENTUM M300からM400へのアップグレードが、ペアで290万円。MOMENTUM S200からS250へのアップグレードが160万円。工賃・国内輸送費・往復航空運賃など、全て込みの価格となる。通常、アップグレード完了までは、メーカーが製品を預かってから1カ月程度かかるという。