ニュース

エソテリック最高峰、140万円のネットワークプレーヤー「N-01」。AK4497 DAC搭載

 エソテリックは、ネットワークプレーヤーの最高峰モデル「N-01」を8月10日に発売する。価格は140万円。

N-01

 一体型デジタルプレーヤーのフラッグシップ機「Grandioso K1」(200万円)のために開発されたプレミアムDACモジュールを搭載したネットワークオーディオプレーヤー。Ethernetのほか、デジタル入力としてUSBやXLR、同軸/光デジタルを備え、DACとしても利用できる。

 DACチップはAKM最高性能のAK4497を採用。回路設計も差動8回路/左右独立電源のK1/N-01専用設計となっている。ディスクプレーヤーのKシリーズの4つの独立した電源部などをそのままネットワーク再生モデルに導入。「デジタルプレーヤー開発で培った30年のノウハウを全て注ぎ込んだ」という。

前面

 ネットワーク再生は、NASに収めた5.6MHzまでのDSDや384kHz/32bitまでのPCMなどに対応。USB HDDなどを接続できる専用USB端子を前面×1、背面×1の合計2つ備え、プレーヤーとストレージが一体化した簡易ミュージックサーバーとしても利用できる。

 そのほか、RoonやSpotifyなどのストリーミング再生やMQAなどのコーデックについても、準備が整い次第、順次対応予定としている。

 再生対応フォーマットは、DSF、DSDIFF、FLAC、Apple Lossless、WAV、AIFF、MP3、AAC。なお、ネットワーク再生時はPCM 384kHz/32bitは192kHz/24bitにダウンコンバートされる。

 PCM信号は2/4/8/16倍(最大768kHz)にアップコンバート可能。独自アルゴリズムによるPCMとDSDの相互変換も行なえる。DSDは22.5MHzまでのアップコンバートに対応。DSDのデジタルフィルターはON/OFFできる。

 ネットワーク再生は、iPad/iPhone/Androidアプリ「ESOTERIC Sound Stream」からコントロール可能。タブレットやスマホで曲を選び、プレイリストを作成して再生でき、操作ボタンやプレイリスト、ライブラリなどの画面を見やすく配置。初めてでもストレスなく直感的に操作できるという。

 タグ情報を活用した検索も可能。画像はアプリ内にキャッシュするため、アルバムアートワークのスクロールが瞬時に行なえ、録音年代別、作曲者別、カテゴリー別などライブラリの並べ替えも可能。フォーマットの異なる同名楽曲も、タグ情報を使えば、画面で簡単に識別できるという。

 DAC部は、32bitプレミアムDACチップのAK4497や、新日本無線とのコラボレーションで生まれたMUSES03などのデバイスに加え、エソテリック独自の35bit D/Aプロセッシングによる高解像度と、アナログ的な力強さ、密度感の高い音色の再現などを可能にしたGrandioso K1のテクノロジーを踏襲。

 チャンネルあたり差動8回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成でリニアリティと低歪み化を実現。DAC部の電源トランスも左右独立させ、チャンネルごとに8つの電源レギュレーターを各回路の直近に配置し、クリーンで安定性の高い電源供給を可能とした。

 独自の電流伝送強化型出力バッファ回路「ESOTERIC-HCLD」も搭載。電流出力能力が高く、スルーレート2,000V/μsというハイスピードな素子を採用したバッファ回路をチャンネルあたり2回路搭載。XLR出力はディファレンシャル(差動)、RCA出力はパラレル(並列)駆動させ、瞬間的な電流供給能力を高めた。 バッファ回路の電源はEDLC(スーパーキャパシターアレイ)を採用。チャンネルあたり合計125,000μFの容量となり、「揺るぎない低域を支え、息を呑むほどのリアリティーで音楽のダイナミズムを再現する」という。

 USBやXLR、同軸/光デジタル入力は、192kHz/24bitまでのPCMと、DSD 2.8MHz(DoP)に対応。クロック回路には、大型の水晶片を内蔵したGrandiosoカスタムVCXO(電圧制御型水晶発振器)を搭載。位相雑音が少なく、「最高峰モデルに相応しい優れた中心精度(±0.5ppm)」としている。

 また、G-01Xなどのマスタークロックジェネレーターと接続することで、外部からのクロック信号の同期も可能。入力可能周波数は、44.1kHz系列、48kHz系列や、10MHz、22MHz、24MHzにも対応。USB入力時にも、外部クロックと同期再生できる。外部クロック入力の配線には、MIL規格準拠のカスタム同軸ケーブルによるハードワイヤリング接続を採用する。

 ライン接続のXLR/RCAに加え、エソテリックの対応機器同士で接続する独自の伝送方式「ES-LINK Analog」にも新たに対応。ハイスピードで強力な電流供給能力を誇るHCLDバッファ回路を活かした電流伝送方式により、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくく、信号をピュアに力強く伝送可能としている。

 電源は、内蔵のDACモジュールに2台、デジタル回路、ネットワークモジュール専用に合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載。大容量ブロックコンデンサや、ネットワークモジュール専用電源に装備された100,000μFの大容量EDLCスーパーキャパシターアレイなども採用。

 デジタル回路とDAC以降のアナログ回路はアイソレーターで分離してノイズ対策を徹底。肉厚アルミニウムとスチールによる高剛性の2層シャーシを採用し、シャーシ内部はダブルデッキ(2階建て)構造で、回路同士の相互干渉を抑制。電源供給の配線を最短化し、高音質化を図っている。シャーシの各部には、レーザーによる精密なスロット加工を施し、振動を効果的に減衰。全体を5mm厚のスチール製ボトムシャーシと独自のピンポイントフットで4点支持し、振動のメカニカルアースを徹底した。

 消費電力は33W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約25.7kg。電源ケーブルなどが付属する。

背面

【訂正】記事初出時、「音楽配信サービスのe-onkyo musicのミュージックサーバー機能も搭載」としていましたが、誤りのため削除しました(15時48分)