エソテリック、Tannoy新スピーカー「Definition」シリーズ

-伝統の同軸ユニットとモダンデザイン。ピュア用


左からDC8 T、DC10 T、DC8

6月上旬発売

標準価格:29万4,000円~37万8,000円

  エソテリック株式会社は21日、英Tannoyの新スピーカー「Definition」シリーズ3機種を6月上旬から発売する。いずれも同軸ユニットを採用。1台あたりの価格は、ウーファを追加した3ウェイのフロア型「DC10 T」が37万8,000円、「DC8 T」が29万4,000円。同軸2ウェイのブックシェルフ「DC8」が、ペアで37万8,000円。

 いずれのモデルも、仕上げはダークウォルナット、チェリー、ブラックの3種類。表面は光沢仕上げ。リアルウッドの突き板仕上げを採用しているダークウォルナットとチェリーに関しては、木目が見える仕上げを採用。フロントバッフルの板を、左右チャンネルで同じ木から切り出したものを使い、木目が対称になるようにしている。

 ピュアオーディオ用スピーカーと位置付けられており、センターやサブウーファなどはラインナップされていない。Tannoyのスピーカーデザインは、プレステージシリーズに見られるクラシカルなものが印象深いが、「Definition」シリーズはモダンなデザイン/カラーを採用。若い世代のピュアオーディオファンにも訴求する、次世代のTannoyスピーカーとして展開していくという。

 

DC10 Tのシステム例DC8 Tを使ったシステムDC8を使ったもの

 伝統の同軸2ウェイユニットは全モデルに採用。DC10 Tのウーファは25cm径で、振動板はマルチファイバーで分割共振を防止したペーパーコーン。エッジ部はツインロールハードエッジを採用している。DC8 TとDC8のウーファは20cm径で共通。同じペーパーコーンだが、ストロークの関係でこちらはラバーエッジを採用している。ボイスコイルは3機種とも、44mm径のエッジ巻きボイスコイルを使っている。

 同軸ユニットのツイータも3機種共通で、25mm径のチタンドーム型。DC8 Tはこの同軸ユニットに加え、20cm径のウーファをもう1基追加した3ウェイ。DC10 Tも、25cm径ウーファを1基追加した3ウェイとしている。

DC10 Tは3ウェイ

DC10 T同軸2ウェイユニット。エッジはツインロールハードエッジ

DC8 Tの同軸2ウェイユニット。エッジはラバーエッジ

DC10 Tのウーファ。こちらもエッジはツインロールハードエッジ

DC8

DC10 Tの使用イメージ。モダンなデザインが現代的な家具などとマッチする

 ドライバのシャーシはアルミダイキャスト製。10カ所でキャビネットに強固に固定している。再生周波数帯域とクロスオーバー周波数は、DC10 Tが30Hz~35kHzで200Hzと1.4kHz。DC8 Tが33Hz~35kHzで、250Hzと1.5kHz。DC8が42Hz~35kHzで、1.5kHz。インピーダンスは全モデル8Ω。

 信号経路の最短化を追求したというネットワークには、損失の少ないラミネートコア・インダクタや、ポリプロピレン・コンデンサを採用。また、回路自体を一旦、-190度まで冷却し、一定の時間管理の元でゆっくり常温に戻す「DCT(ディープ・クライオジェニック処理)」を施しており、回路のミクロ組織におけるストレスが減少。信号伝送能力が高まるという。

 エンクロージャはスコットランドの熟練クラフトマンが手作業で作成しており、バーチ(樺)材を使用。背面に向かってすぼまるラウンドキャビネットを採用しており、内部定在波を抑制。「中音域の透明度や細部の解像度を高めた」という。ユニットの周囲やターミナル、バスレフポート、下部のロゴプレートにはアルミ製のトリムプレートを配している。

 

DC10 T。左はネットを装着したところ

DC8 Tの天面

DC10 Tの天面。木目を活かした光沢仕上げが美しい

 内部補強板にも工夫があり、独自のDMT(ディファレンシャル・マテリアル・テクノロジー)防振材を介して、補強板の一部が、ドライバーユニットをより強固にキャビネットに固定。不要共振を排除することで、繊細な表現が可能になるという。

 全モデルバスレフで、ポートは背面に用意。DC10 Tは2個のポート、それ以外は1個のポートを設けている。フレア形状の開口部や、ポートの長さ、位置などは計算に基づいて設計されており、音色に影響を及ぼさず、低域のディティールや解像度の向上に貢献しているとする。スピーカーターミナルはバイワイヤリング対応で、端子はWBT製。DC8/10 Tの脚部はスパイクフット。

 

DC10 Tの背面ポートDC8 Tのポート部同じくDC8 Tのターミナル
DC8の背面DC10 Tの再生音は、エンクロージャの容積の大きさを活かした余裕のあるサラウンド。同軸ユニットならではの明瞭な定位や繋がりの良いワイドレンジサウンドが魅力と言えそうだDC10 Tの脚部

製品の展示会はノルウェーの家具メーカー、エコーネスの商品“ストレスレス”の東京ショールームで行なわれた。写真のチェアは「レノ」というモデルでオットマンをセットにした価格は34万6,500円

高級機種「ストレスレス ロイヤル」は、オットマン付で45万1,500円。ハイエンドのオーディオを楽しむ時は、このようなリラックスできるチェアで楽しみたいものだ

こちらは「タウルス」というモデル。オットマン付で27万8,250円。写真のように別売のコンピューターテーブルを追加することもできる

 

品番DC8DC8 TDC10 T
最大許容入力350W400W500W
インピーダンス
能率88dB89dB92dB
周波数特性42Hz~35kHz33Hz~35kHz30Hz~35kHz
クロスオーバー
周波数
1.5kHz250Hz、1.5kHz200Hz、1.4kHz
同軸2ウェイ25mm径チタンドームツイータ
20cm径コーンウーファ
(ラバーエッジ)
25mm径チタンドームツイータ
25cm径コーンウーファ
(ツインロールハードエッジ)
ウーファ20cm径コーンウーファ
(ラバーエッジ)
25cm径コーンウーファ
(ツインロールハードエッジ)
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
(ネット除く)
271×260×470mm271×260×1,025mm339×320×1,125mm
重量10kg21kg34.5kg

(2009年 5月 25日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]