ソフトバンクモバイル株式会社は19日、携帯電話の2009年夏モデルを発表した。新製品のうち、ワンセグを搭載するのは11モデル。これらはミュージックプレーヤー機能も備える。
型番 | 発売日 | メーカー | メイン ディスプレイ | ハイスペック 動画 | ミュージックプレーヤー HSDPA | Bluetooth | 特徴 | 外形寸法 (縦×横×厚さ) | 重量 |
936SH | 8月下旬 以降 | シャープ | 3型 | ○ | ○ | ○ | ソーラー充電 防水 | 測定中 | 測定中 |
931P | 6月下旬 以降 | パナソニック | 3型 854×480ドット液晶 | ○ | ○ | ○ | ワンセグ4倍速表示 コントラスト1万:1 | 約108×50 ×18.5mm | 約128g |
931N | 8月下旬 以降 | NEC | 3型 | ○ | ○ | ○ | 縦横180度回転液晶 無線LAN | 約113×50 ×18.9mm | 約139g |
935SH | 7月上旬 以降 | シャープ | 3型 854×480ドット NewモバイルASV液晶 | ○ | ○ | ○ | 防水 金属素材の筐体 | 約108×50 ×15.4mm | 約131g |
934SH | 6月上旬 以降 | シャープ | 3型 854×480ドット NewモバイルASV液晶 | ○ | ○ | ○ | 防水 3型サブディスプレイ | 約108×50 ×15.9mm | 約129g |
933SH | 5月下旬 以降 | シャープ | 3.3型 854×480ドット NewモバイルASV液晶 | ○ | ○ | ○ | 1,000万画素CCD スイーベル型 | 約110.6×51 ×16.7mm | 約127g |
931SC | 6月中旬 以降 | サムスン | 3型 800×400ドット液晶 | - | ○ | ○ | お絵かきアニメ | 約111.2×50.9 | 約111.4g |
930N | 6月中旬 以降 | NEC | 3.2型 854×480ドット液晶 | ○ | ○ | ○ | 薄さ13.9mm | 約109×50 ×13.9mm | 約111g |
832P | 5月22日 | パナソニック | 3型 427×240ドット液晶 | - | ○ | - | 薄さ10mm ワンプッシュオープン | 約110×50 ×10mm | 約107g |
831SH s | 5月19日 | シャープ | 3型 400×240ドット液晶 | - | ○ | - | でか文字メニュー | 約105×49 ×15.9mm | 約109g |
831N | 9月中旬 以降 | NEC | 3型 427×240ドット液晶 | - | ○ | - | 1.6型サブ液晶 緊急地震速報 | 約105×49 ×16.6mm | 約115g |
ワンセグ非搭載機種も含めると全部で19モデル61色を発表 |
“VIERAケータイ”「931P」(パナソニックモバイル製)は、ワンセグ放送の4倍となる60fpsに変換して表示する「モバイルWスピード」を搭載。また、従来機種のP930に比べコントラスト比を約1.7倍高めている。ディスプレイは3型フルWVGA液晶。サブディスプレイは2型に大型化している。
NEC製の「931N」は、縦横180度の回転が可能な新形状を採用。「タッチ」、「シェア」、「コミュニケーション」という3つのスタイルで、それぞれに最適な機能が利用できるとしている。また、無線LANも搭載し、下り最大54Mbpsの高速通信に対応。さらに、バーチャル5.1chサラウンド音声にも対応する。ディスプレイは3型フルWVGA液晶。
■ ソーラー充電対応「936SH」
初のソーラー充電機能を備えたシャープ製の折り畳み端末。ACアダプタで充電できない場合でも通話などが行なえるという。本体カラーはネイビー/ホワイト/アースグリーンの3色。約10分間の太陽光充電で、待ち受けは約2時間、通話は約1分間行なえる。なお、バッテリが75%以上充電になると太陽光充電は停止するという。
936SH。左からホワイト、アースグリーン、ネイビー | 背面にソーラーパネルを装備。なお、実働する端末はまだ用意されていなかった | 10分間の充電で2時間の待ちうけ/1分間の通話が可能。ワンセグの利用時間については公表されていない |
IPX 5/7相当の防水機能も備え、浴室でもワンセグなどが利用可能。ディスプレイは3型/854×480ドットのNewモバイルASV液晶で、周囲の明るさにあわせてバックライトなどを調整するセンサーを搭載。のぞき見を防ぐベールビュー機能も備える。
カメラは800万画素CCD。5人までの顔検出に対応した人物優先AFを搭載し、検出した顔の追従も可能。シーン自動認識機能も備えている。
■ ワンセグ4倍速表示対応「931P」
左から、ピンク、ホワイト、ブラック |
ワンセグを、放送時の4倍となる60fpsに変換して滑らかに表示する「モバイルWスピード」を搭載。前後のフレームから予測した補間フレームを3枚ずつ挿入することで実現している。また、VIERAの高画質技術「モバイルPEAKSプロセッサー」も進化し、動画再生時のコントラストを最大1万:1まで高めている。ワンセグの連続視聴時間は約3.7時間(モバイルWスピードON時)、約6.3時間(ECOモード時)。
ディスプレイは3型854×480ドット液晶。カメラは811万画素CMOSで、シーン自動判別機能「おまかせiA」も搭載する。LEDフラッシュや、6軸手ぶれ補正も装備。サブディスプレイは2型/427×240ドットに大型化しており、本体を閉じた状態で、サブディスプレイをカメラのファインダーとして使える。
ワンプッシュオープン対応の折り畳み型 | 横画面表示時 | サブディスプレイも2型で見やすい |
ワンセグ60fps表示を、従来機と比較 | 従来機に比べ、色表現もより深みが増していた | 背面カメラ部 |
■ 縦横180度回転機構を採用した「931N」
縦横180度の回転が可能な新形状「T-Style」を採用したNEC製端末。本体を閉じたままでの「タッチ」、横画面にしてワンセグとメールを並べて表示できる「シェア」、縦画面で通話やメールを行なう「コミュニケーション」という3つのスタイルが選べる。カラーはブラック、チタンシルバー、ホワイトの3色を用意。
ディスプレイ部180度回転することが特徴 | 無線LANに対応 |
無線LANをソフトバンク端末として初搭載。IEEE 802.11b/g規格に対応し、下り最大54Mbpsの高速通信に対応。「ケータイ無線LAN」(月額1,029円)に加入することで(「パケットし放題」必須)、マクドナルドなどで使える公衆無線LAN「BBモバイルポイント」も利用可能。
ワンセグの連続視聴時間は約180分。ディスプレイは3.2型の854×480ドット液晶で、タッチパネル対応。カメラは810万画素CMOSで、5人まで対応する顔認識AFや、6軸手ぶれ補正を搭載。タッチパネル上からもカメラを操作できる。
■ そのほか
シャープ製の端末は、上記の936SH以外にワンセグ搭載モデルを3製品ラインナップ。935SHは、アルミ筐体で高級感を持たせた折り畳み型。カラーはゴールド/オニキスブラック/エメラルドブルー/シェルピンクの4色。IPX 5/7相当の防水機構を採用する。ワンセグの連続視聴時間は約4時間30分。ディスプレイは3型/854×480ドットのモバイルASV液晶。カメラは800万画素CCDで、人または物体に対応したフォーカス追従(コンティニュアスAF)が利用できる。
935SH。左からゴールド、シェルピンク、オニキスブラック、エメラルドブルー | 本体オープン時 | カメラ部 |
934SHも防水対応の折り畳み型。カラーはブラック/ホワイト/ピンク/ウッドブラウンの4色。3型/854×480ドットのモバイルASV液晶や、800万画素CCDデジカメを搭載する。大きな特徴は、サブディスプレイに新開発の3型“メモリ液晶”を採用したこと。電子ペーパーと同様のモノクロ液晶で、有機ELの約1/500という低消費電力を実現。本体を閉じていても時計や天気、紫外線の強さなどの情報を常時表示できる。カメラは800万画素CCDで、コンティニュアスAFにも対応。ワンセグの連続視聴時間は約4時間30分。
背面に3型“のメモリ液晶”を採用 | さまざまなパターンで表示可能 | 本体オープン時 |
“AQUOS SHOT”というネーミングの933SHは、1,000万画素CCDを搭載した高機能カメラが特徴。ISO 12,800までの高感度撮影にも対応する。8つのシーン認識や、36のパターン撮影に対応。コンティニュアスAFも利用できる。カメラの操作はタッチパネル上から可能。ワンセグの連続視聴時間は約4時間。
1,000万画素カメラ搭載のAQUOS SHOT 933SH | カラーはボルドー、アイボリー、ブラック、ホワイトの4色 | 側面 |
“GENT”831SH sは、専用の「でか文字メニュー」や、立体的で押しやすいという「アークリッジキー」を採用した折り畳み型。カラーはシルバー/グリーン/レッドの3色。ディスプレイは3型400×240ドットNewモバイルASV液晶で、カメラは320万画素CMOS。ワンセグの連続視聴時間は約6時間。
831SH s。左からシルバー、レッド、グリーン | 立体的な「アークリッジキー」を採用 | 側面 |
“OMNIA POP”931SCは、サムスン製のストレート型端末。片手サイズでタッチ操作に対応する。カラーはアーバンホワイト/ポップピンク/オーシャンブルーの3色。撮影した静止画に、ペンやスタンプなどのツールを使って編集できるという「お絵かきアニメ」機能を搭載する。ディスプレイは3型800×400ドット液晶。カメラは515万画素CMOSで、顔認識AFを搭載する。ワンセグの連続視聴時間は約2時間48分。
931SCのポップピンク、アーバンホワイト、オーシャンブルー | タッチパネル液晶で操作- | 背面 |
930Nは、NEC製の折り畳み端末で、13.9mmの薄型筐体に810万画素CMOSカメラなどを搭載して高機能化したことが特徴。カラーはガーネットレッド/ヴィンテージブラック/スパークリングホワイト/ロマンスピンクの4色。ディスプレイは3.2型854×480ドット液晶。「SRS TruMedia」を搭載し、ヘッドフォンでバーチャル5.1chサラウンド再生が可能。カメラは顔認識AFや6軸手ぶれ補正に対応する。ワンセグの連続視聴時間は約180分。
930N。ロマンスピンク、ガーネットレッド、ヴィンテージブラック、スパークリングホワイトの4色 | 側面 | キーイルミ点灯時 |
パナソニック製の832Pは、薄さ10mmのステンレス筐体で、ワンプッシュオープン対応の折り畳み型。カラーはシャンパン/ホワイト/ブラック/レッド/ピンクの5色。ワンセグのフレーム補間機能「モバイルWスピード」に対応するが、前述の931Pとは異なり、30fps(2倍速)表示となる。ワンセグの連続視聴時間は、モバイルWスピードON時が約4.8時間、OFF時が約5.5時間、ECOモード時が約7.1時間。ディスプレイは3型427×240ドット液晶。10個の辞書/事典コンテンツをプリインストールしている。
最薄部10mmの筐体が特徴の832P | カラーはブラック、レッド、シャンパン、ホワイト、ピンク | 豊富な辞書内蔵も特徴 |
831N(NEC製)は、気象庁が配信する緊急地震速報を、震源地周辺のユーザーに通知する「緊急地震速報」にソフトバンク端末において初めて対応。ワンタッチオープンの折り畳み型カラーはシルバー/ブラック/ピンクの3色。ディスプレイは3型427×240ドット液晶。ワンセグの連続視聴時間は約5時間。3軸加速度センサー採用の歩数系機能や、カメラを通して文字などを4段階まで拡大するケータイルーペ機能などが利用できる。
831N。左からピンク、シルバー、ブラック | 同日に発表されたEMPORIO ARMANIモデル830SC。側面のロゴが3色で光る。ワンセグには非対応 | ケータイからメールで静止画を受信できるフォトフレーム「Photo Vision」も発表。7型液晶を搭載する |
■ 動画配信などコンテンツも強化
新サービスでは、動画をダウンロードしながらの再生も可能になる |
サービス面では、動画配信や音楽配信のサービスを強化。従来のダウンロード動画配信は3~5MBだったが、最大10MBまで拡大し、「ハイスペック動画機能」として訴求する。フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264で、解像度は320×240ドット。
また、従来はダウンロードが終了するまで動画を再生できなかったが、新たにダウンロード中でも再生できるようになる。新サービスは5月下旬より順次開始。40~50のコンテンツプロバイダが参加し、お笑いの「S-1 バトル」や、「Yahoo!動画(β版)」を含めると約1万本が視聴可能になるとしている。サービス開始時の対応端末は、933SH/934SH/935SH/936SH/931P/930N/931Nの7機種。
また、動画視聴を簡単にする試みとして、「選べるかんたん動画」も5月19日より開始。「S-1 バトル」や、「野球(12球団別)、「国内サッカー」、「海外サッカー」、「格闘技」、「韓流エンタメ」といったコースから選択することで、携帯電話向けに編集した1.5分程度の短い動画が配信される。Yahoo! ケータイ対応の3G端末で利用でき、料金は2コースまで無料、3コース目以降は1コース月額525円。
そのほか、メールで最新音楽情報を配信し、サイトから着うたフルのダウンロードが行なえる「かんたんミュージック」も6月1日より申し込み受付を開始。ランキングなどJ-POP中心の音楽番組をストリーミング配信し、気に入った楽曲を「レコチョク[ フル ]」でダウンロード購入できる。月額料金は不要(楽曲ダウンロード料金は別)。
「ハイスペック動画」のサービス内容 | 「選べるかんたん動画」のコンテンツの一部 | 「かんたんミュージック」では、ダウンロードできる楽曲の情報をメールと番組で配信 |
■ 発表会に桑田と江川が登場。白戸家の“お父さん”も
野球などの動画コンテンツについて話す孫社長と桑田氏、江川氏 |
「選べるかんたん動画」で野球のハイライトなどを充実させたことに関連し、元巨人の江川卓氏と桑田真澄氏もゲストとして登場。独自の切り口で語る解説者としても知られる江川氏は、「ニュースの時間以外でも見れちゃうから、ニュースをやる人間としてはこわい」とコメント。桑田氏は「3年間同じ電話を使っているが、これほど進化するとは。技術の進歩に驚いている」と語った。「ご自身が現役のころにこんなサービスはなかったですよね」という質問に江川氏は「やってくれてたら、もうちょっと人気が出てたかな」と笑い、「昔の試合もぜひ配信してほしい」と話した。桑田氏は「ファンの立場から見ると、好プレーを何度も見られて、すばらしいアイディア」と感心していた。
野球コンテンツは、短い時間にまとめるために独自の編集を行なっていることも特徴。孫氏の「ハイライト映像で、打者が打つ前に先走って解説者が結果を話すことがあり、先に想像させてしまうのはダメ」という見解から、「解説が映像を追い越さないことにこだわった」という。江川氏は編集の視点について「解説者として厳しくチェックさせてもらいたい」とした。孫氏は「“ソフトのバンク”だから、コンテンツを充実させるのは我々の使命。今後も動画コンテンツなどを増やしていきたい」と述べた。
Android搭載の“Googleケータイ”の登場による、iPhoneの影響については、「これからスマートフォンはどんどん増える。Googleケータイもそれを拡大してくれる機種」とした。なお、6月のアップル「Worldwide Developers Conference」(WWDC) が近づくにつれて噂されている新型iPhoneについての質問には、「噂に対してコメントしない」とし、「ソフトバンクとしては、iPhoneは好調であるし、ぜひ積極的に継続してこれからもがんばっていきたい」と話すにとどめた。
同社の発表会でもすっかりおなじみとなった白戸家のメンバーも登場。樋口可南子さん、上戸彩さん、ダンテ・カーヴァーさんに加え、お父さんのカイくんも初登場。ソフトバンクホークスのユニフォーム姿も見せた。
上戸彩さんは、AQUOS SHOT 933SHの高画質静止画撮影や、SOLAR HYBLID 936SHの太陽光充電機能が気になって、次の機種について悩んでいるとのこと。936SHは本体デザインも気に入ったようで、「男性が持っていたらドキッとする」との発言も。ちょうど手にしていた孫社長に「孫さんに、というわけではないですけど」と訂正して会場を笑わせた。
上戸彩さんなど、白戸家の人々も登場。“お兄ちゃん”のダンテ・カーヴァーさんは「ARMANIケータイ」の紹介時、アルマーニのスーツに身を包んで登場。孫氏もアルマーニのスーツを着用していた | 孫社長から以前プレゼントされたティファニーケータイについては、(もったいなくて)「箱から出せない」とのこと |
カーヴァーさんが持つのは、ただともキャンペーンで提供されるプレゼントのストラップ。端末よりもかなり大きい | デジタルフォトフレームのデモとして、孫氏が白戸家の集合写真を撮る場面も | ホークスのユニフォーム姿も披露したお父さん。背番号は「0103」(オトーサン) |
(2009年 5月 19日)
[AV Watch編集部 中林暁]