三洋、「Eye-Fi」メニュー採用の防水「Xacti」限定モデル

-“水のXacti”。水泳銀メダルの中村真衣さんも応援

6月19日発売

標準価格:オープンプライス


 三洋電機株式会社は、ムービーカメラ「Xacti」シリーズの限定モデルとして、3m防水とEye-Fi連動機能を備えた“水のXacti”(DMX-WH1E)を6月19日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は55,000円前後の見込み。初代Xactiの発売から5周年の記念モデルと位置付けられており、1万台のみの限定販売。

シドニー五輪水泳銀メダリストの中村真衣さんが来場

 2月に発売した防水/720p記録対応の横型モデル「DMX-WH1」をベースとし、新ファームにより無線LAN搭載SDカード「Eye-Fi」と連動する機能が利用可能になったモデル。記録メディアは内蔵メモリ43MBと、SD/SDHCメモリーカード(32GB対応)。

 本体カラーは「水をイメージした」というブルーとホワイトのツートン。Eye-Fi連動やカラー以外の主な仕様はWH1と共通だが、AVケーブルを省いたほか、外箱やマニュアルを簡素化した「エコパッケージ」仕様となっている。

 なお、既発売モデルWH1に対し、WH1Eと同等のファームアップデートを行なうかどうかについては「検討中」(同社)としている。

 27日に行なわれた発表会では、シドニー五輪銀メダリストの元水泳選手、中村真衣さんが登場。防水Xactiを愛用している中村さんも新モデルの進化に驚いていた。

本体色にはホワイトとブルーを使用

 DMX-WH1Eの最大の特徴は、撮影した動画/静止画を無線LAN経由でPCやネット上に保存できるアイファイジャパンのSDカード「Eye-Fi」向けのメニューを採用する点。なお、Eye-Fiの仕様として、4GBモデル(直販9,980円)では動画/静止画の両方に対応し、2GBモデル(同7,980円)では静止画のみ対応する。

 従来モデルとの違いとして、Eye-Fiカードを挿入した状態では専用のアイコンを液晶ディスプレイに表示。メニュー上でEye-Fiの転送機能ON/OFFが切り替えられるほか、パソコンを使わず本体のみで無線LANアクセスポイントの設定も可能(プロキシサーバー非対応)。メニュー内にソフトウェアキーボードを用意し、パスワード入力も行なえる。本体で無線LANのSSID設定消去も行なえる。

 また、Eye-Fi転送中の電源管理機能として、本体バッテリ残量に応じて転送を取りやめるという設定が可能となった。転送を取りやめる指定は残量0/10/30/50%または「AC接続時のみ」から選べる。「家でデータを転送して、次の日にカメラを使おうとしたらバッテリ残量がゼロになっていた、という事態を避けられる」という。また、転送状態の場合は本体の自動シャットダウンを行なわないようにすることもできる。

Eye-Fiカード挿入時は、無線LANを示すアイコン(写真左側)が表示Eye-Fiカード用のメニュー電源管理や無線LAN設定が可能
転送中、一定の電池残量になると自動でOFFにすることが可能SSID消去も本体のみで可能MACアドレスなどの表示画面
ソフトウェアキーボードでパスワード入力も可能パソコンを使った無線LAN設定との比較パッケージを簡素化。AVケーブルを省いている
 

■ 3m防水、光学30倍ズーム搭載

 WH1と共通の機能として、防水性能は、「JIS C 0920防水保護等級」でIPX8(水中での操作が可能なレベル)に準拠。3mの防水仕様となっており、雨天時や、スキー/スノーボードなどのウインタースポーツ、マリンスポーツなどでの利用を想定する。

 低いアングルからの動画撮影に利用できるよう、通常の動画撮影ボタン以外にも前方側面に「Sub Rec」ボタンを装備。1/6型、約110万画素のCMOSを搭載。720p動画撮影時の有効画素数は約97万画素。静止画は約110万画素となる。

 動画の記録フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264(.MP4)で、撮影モードは「HD-SHQ」(1,280×720/30fps/9Mbps)、「TV-HR」(680×480/60fps/6Mbps)、「TV-SHQ」(640×480/30fps/3Mbps)の3種類。静止画はJPEGで、最大1,184×888ドット(画素補間で1,600×1,200ドット)まで対応する。

操作ボタン部HDMI端子を装備側面のSub Recボタンでローアングル撮影も

 静止画の連写では、任意のポイントから前にさかのぼって複数枚分を記録できる「リバース連写」を搭載。静止画のシャッターを押し続けるとバッファ内に一時的に記録を続け、撮影したい時点が過ぎたところでシャッターを離すと、そのポイントから一定時間前に記録されたデータが静止画として出力される。

 リバース連写は2種類の解像度で記録可能。「2M連写」(1,600×1,200/13fps/29枚)と「1.1M連写」(1,184×888/13fps/30枚)の2モードで、約2.2秒前、約2.3秒前まで記録できる。

起動画面も特別仕様に
 光学ズームは30倍(F1.8~4.3)。動画撮影時の焦点距離(35mm換算)は43~1,290mm。手ブレ補正は動画/静止画とも電子式。動画/静止画ともに利用できる顔検出機能を搭載し、12人まで検出できる。動画の最低被写体照度は約3ルクス。静止画のISO感度はオート(50~200相当)と、最高1,600のマニュアル。

 液晶モニタは2.5型/約15万画素で、明るさ調整は7段階。285度まで回転できる。AV出力としてコンポジットを搭載。さらに、本体にHDMI出力も備える。パソコンとの接続はUSB 2.0で行なう。ステレオマイクとモノラルスピーカーを内蔵する。

 付属バッテリはDB-L50(1,900mAh)。動画の連続撮影時間は約200分(実撮影は約110分)。静止画は約450枚。 外形寸法は、58.7×112.4×62.8mm(幅×奥行き×高さ)、電池/SDカードを含む重量は約354g。

 


■ シドニー五輪銀メダリストの中村真衣さんも防水Xactiユーザー

 発表会には、Xactiユーザー代表として、2000年のシドニー五輪で銀メダルを獲得した元水泳選手の中村真衣さんが登場。2007年に引退してから、自身が教える水泳教室などで防水Xactiを愛用しているという中村さんは、「水泳教室ではフォーム確認などに使っています。それまでは飛び込みの水しぶきなどを気にしていましたが、防水だと関係ないので、水中で子供と触れ合いながら楽しんでいます」とのこと。

 また、「沖縄の渡嘉敷に行ったときに、偶然海ガメに遭遇したときに友達に撮ってもらったんですが、そうした一瞬のタイミングでも上手く撮れていました。私が撮っていても、カメラマンの才能があるんじゃないかと勘違いするほど」と笑う。

 2008年モデル「DMX-CA8」を使っている中村さんは「Xactiに要望があります」として、「より深く潜っても簡単に撮れたら」、「撮った写真を簡単にブログに載せられるように、簡単にネット接続できれば」と提案。

 これに対し、三洋電機のデジタルシステムカンパニー DI事業部 DI企画部担当課長の藤田日出人氏は、横型モデルから水深3mに対応し、Sub Recボタンを搭載した点や、WH1EではEye-Fi連携機能でよりアップロードが簡単になった点を説明。実際に中村さんが水中撮影に挑戦し、Xactiで撮った静止画がすぐにEye-Fiカード経由でパソコンにアップロードされたのを見て、感心していた。


今回のような製品発表の記者会見は初めてで、「オリンピックより緊張する」と中村さんコメ作りにもチャレンジしているという中村さん。防水機能が活かされそうだ中村さんが水槽の中を撮影。無線LANを使ってすぐにアップロードされていた(写真左のウィンドウ)

 今回、横型モデルを限定バージョンのベースに選んだことについて藤田氏は「横型は、Xactiの中ではとがった製品。いままでユーザーでなかった方や、『ムービーは横型でないと』という方にも知ってもらいたかった」と説明した。Xacti全体の販売台数と目標については、ワールドワイドで’08年が70万台。’09年は100万台を目指す。うち国内は約1/3としている。

 同社は、5周年モデルでの新たな試みとして、NPO団体と協力した「Xacti actblue プロジェクト」を行なうことも発表。“水のXacti”を海の環境保護などに努めるNPOの3団体に使ってもらい、活動内容を三洋のサイトで紹介するという。藤田氏は「こうして防水Xactiなどが出せるのも、きれいな水や海があるから」と感謝の気持ちを表した。

三洋電機の藤田氏NPO団体と協力したプロジェクトも昨今の情勢を鑑み、発表会場では三洋のウイルスウォッシャーが稼動



(2009年 5月 27日)

[AV Watch編集部 中林暁]