ディズニー、DVDとmicroSDをセットにした映画/アニメを発売
-DVDをTVで、microSDをワンセグ携帯で視聴。11月発売
ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメントは22日、年末にかけて発売を予定しているDVDやBlu-ray Discのラインナップや、マーケティングプランなどを販売店向けに説明するコンベンションを東京・品川で開催。その中で、DVDビデオと、同じ内容を収録したmicroSDカードをセットにして、携帯電話でも映画やアニメが楽しめる新商品「DVD+microSDセット」を11月4日から順次発売すると発表した。
第1弾タイトルとして、11月4日に以下の7タイトルがリリース。今後のタイトルも含め、4,935円のラインと、3,360円のラインの2種類を用意する。DVDの価格は廉価版などバリエーションが多いが、例えば「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 2-Disc・スペシャル・エディション」(VWDS-3473/2枚組)は3,990円で、microSDセットの方が低価格。旧作である「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」のDVD(VWDS-3273)は、現在1,500円でラインナップされているため、microSDセットは1,860円高価な設定になっている。
【4,935円のタイトル】
- ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー DVD+microSDセット (VWDS-2099)
- モンスターズ・インク DVD+microSDセット (VWDS-2103)
【3,360円のタイトル】
- パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち DVD+microSDセット (VWDS-2083)
- パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト DVD+microSDセット (VWDS-2085)
- パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド DVD+microSDセット (VWDS-2081)
- ナショナル・トレジャー DVD+microSDセット (VWDS-2091)
- ナショナル・トレジャー2 リンカーン暗殺者の日記 DVD+microSDセット (VWDS-2093)
通常のDVDと同じトールケースの中に、DVDビデオとmicroSDカードがセットで封入されており、microSDの中にも本編映像をファイルとして収録。ワンセグ対応の携帯電話やポータブルワンセグテレビなどで再生できる。リビングのテレビでDVDを観賞、浴室やキッチン、寝室などで携帯再生と、どこでも楽しめる自由度の高さがプラスされる。キャッチコピーは「おうちでも、ケータイでも、どこでもシアター。」。
収録ファイルはSDビデオ形式。コーデックは映像がMPEG-4 AVC/H.264、音声がAAC。解像度はQVGAで16:9の場合は320×180ドット、4:3は320×240ドット。フレームレートは15fps。映像ビットレートは最大384kbps。音声は日本語吹き替えのステレオのみで、ビットレートは最大48kbps。日本語吹き替え用字幕も収録している。
ワンセグの録画フォーマットに近い形式で収録しているため、録画機能付きのワンセグ対応携帯電話であれば再生可能。ほかにもポータブルワンセグテレビや、対応カーナビでも再生できる。
中央にあるのが、第1弾ラインナップ。パッケージは試作品。上部にmicroSDが同梱されていることが明記されている | 各社のワンセグ録画対応携帯電話で再生できる | ポータブルワンセグテレビ、ワンセグ対応カーナビなどでも再生可能だ |
なお、microSDカード内のコンテンツはCPRMで保護されており、対応するソフトであれば、カード内のファイルをPCで再生することは可能。ただし、今回の作品に関しては、コンテンツファイルのムーブには対応しない予定で、カードからPCのHDDなどに移動することはできないが、削除することはできる。
■ Blu-ray新サービスへの布石でもある
ディズニーの塚越隆行日本代表は、今回のプレゼンテーションのテーマを「イノベーション」とした上で、その重要な戦略の1つとしてmicroSDカードセットを発表。「ディズニーでは現在Blu-rayを積極的に展開し、リビングルームで高画質/高音質の映画を楽しむという訴求をしているが、もう1つ、“どこでも映画を楽しむ”という提案をしていきたい」と語る。
マーケティング エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏は、同社独自の調査結果として「モバイル機器でいつでもどこでもお気に入りの作品を楽しみたいという声が増えている。アンケートでmicroSDカード付DVDに興味があると答えたユーザーは77%以上になった」と、ユーザーニーズの高まりを紹介。
塚越隆行日本代表 | マーケティング エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏 |
さらに、ワンセグ対応携帯電話が3,000万台以上も普及している市場環境も紹介しながら、新商品の有望性をアピール。現在ディズニーが投入しているBlu-ray/DVDの単品と、BDとDVDのセット、そこにDVDとmicroSDのセットを追加する事で、利便性をより高め、幅広いユーザーニーズに応えられるとした。2010年以降も連続して作品をリリースしていくという。
塚越日本代表は、今回の試みを「Blu-rayにも関わるもの」と説明。「高画質/高音質だけでなく、BDでは今後、デジタルコピー、マネージドコピーの技術を用いて、端末に本編映像をダウンロードする事も可能になってくる。その前に、microSDカードをお使いいただき、携帯端末で“どこでも楽しめる”という提案をしていきたい。それができればできるほど、結果的にBD新サービスのメリットを訴求する“底固め”ができることになる」と語り、BDソフトの新サービスを見据えた展開であることを明らかにした。
BDはラインナップの充実に注力。microSDセットは視聴環境多様化への対応、利便性の拡大に寄与するものとして訴求する | キャッチコピーは「おうちでも、ケータイでも、どこでもシアター。」 | クオリティと利便性を高めるため、BDとDVDのセットを用意。microSDとDVDのセットは、利便性の拡大に重きを置いたセットとして展開する |
コンベンションではこれ以外にも、クオリティを追求するBDの新ブランド「ダイヤモンド・コレクション」の第1弾として、既報の通り11月4日に発売される「白雪姫 ダイヤモンド・コレクション」を紹介。世界初の長編アニメを、オリジナルネガにまで立ち戻り、新技術を活用してデジタル・リマスターした事や、豊富なボーナス・コンテンツを収めている事などが紹介。9月16日発売の「ビバリーヒルズ・チワワ」の紹介も行なわれた。
白雪姫 ダイヤモンド・コレクションのジャケットイメージ | 超セレブ犬が、ひょんな事から野良犬になってしまうという「ビバリーヒルズ・チワワ」 |