キヤノン、動画撮影を強化したデジタル一眼「EOS 7D」

-フルHD/24p撮影、マニュアル露出、カット編集も可能に


EOS 7D。EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USMを装着したところ

10月2日発売

標準価格:オープンプライス

 キヤノン株式会社は、APS-Cサイズ、有効画素1,800万画素のCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「EOS 7D」を10月2日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はボディのみで19万円前後の見込み。

 レンズキットとして、「EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM」をセットにしたモデルを実売27万円前後で用意。レンズ単体では105,000円。「EF-S 18-200 IS」とのセットも実売26万円前後で用意している。

 EFマウントを採用し、EFレンズ、EF-Sレンズの装着に対応したデジタル一眼レフカメラ。APS-Cサイズの、有効1,800万画素のCMOSセンサーを採用。JPEG、RAWの静止画撮影に加え、動画撮影機能「EOSムービー」も搭載。フルHD解像度のMPEG-4 AVC(MOV形式)動画が撮影できる。音声はリニアPCM収録。

 EOS 5D Mark IIと比べ、豊富なフレームレートが選択できるのが特徴。1,920×1,080ドット時に30p/25p/24p、1,280×720ドット時で60p/50p、640×480ドット時で60p/50pの撮影が可能。従来は1,920×1,080ドット/30p、640×480ドット/30pだった。24pや25pの撮影が可能になり、シネマライクな映像表現が出来るようになったという。

 また、音声は内蔵のモノラルマイクに加え、外部ステレオマイク端子を使ったステレオ録音に対応。音声のサンプリング周波数が44.1kHzから48kHzに向上した。

 動画撮影時の露出制御も強化。ファームアップしたEOS 5D Mark IIと同様に、オートだけでなく、マニュアル設定も可能になった。これにより、明暗が複雑な場面での撮影や、意図的にハイキー/ローキーな撮影、大口径レンズのボケ味をフルに活かした撮影などが可能になるとする。さらに、カメラ内での動画カット編集も可能になった。

EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USMを装着したところ背面

 また、別売の無線LANアクセサリ「WFT-E5B」(99,750円)を装着すると、有線/無線LAN経由で静止画ファイルの転送やカメラコントロールが可能になる。さらに、DLNAサーバーとしても動作可能。対応テレビなどで、カメラ内の画像をネットワーク経由で表示できる。

 ISO感度は100~6400。感度拡張でISO 12800まで対応する。画像処理回路は「デュアル DIGIC 4」。2基のDIGIC 4を使って並列処理することで、高速な画像処理を実現。連続撮影は約8コマ/秒で、JPEGだけでなく、14bitモードのRAW記録時でも連続撮影速度は低下しない。連続撮影枚数はJPEGラージ/ファインモードで最大約126枚、RAWでも15枚記録できる。

 ファインダー視野率は約100%。視野角は約29.4度。倍率は約1倍と、高性能なファインダーを採用しているのも特徴。AFシステムは19点の全点クロスセンサータイプ。ほかにも、露出補正を50Dなどの±2段から、±5段まで拡張。マニュアル露出に変更せずに、より自由度の高い露出を使った表現が可能になったという。

 ボディは防塵/防滴構造。ストロボも内蔵。液晶モニタはライブビュー対応で、強化ガラス採用の3型「クリアビュー液晶II」を採用。反射や汚れ対策を行なっているという。ほかにも、水平、前後の傾きを検出する「デュアルアクシス電子水準器」も備えている。

 記録メディアはCF。インターフェイスはAV出力やHDMIミニ、リモコン端子などを備えている。付属バッテリ使用時の動画撮影可能時間は約1時間20分。静止画はファインダー撮影で約800枚。外形寸法は148.2×73.5×110.7mm(幅×奥行き×高さ)で、本体のみの重量は約820g。

EF100mm F2.8L マクロ IS USM
 なお、同時期に発売されるマクロレンズ「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」(12万6,000円)は、新技術「ハイブリッドIS」を搭載しているのが特徴。カメラの「角度ブレ」と「シフトブレ」の2種類のブレを補正する。手ブレ補正効果は約4段分。マクロ撮影で被写体に最も近づいた場合でも約2段分の効果があるという。



(2009年 9月 1日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]