パナソニック、ブラウン管製造事業を終息

-中国側合弁会社に譲渡。1954年以来55年の歴史に幕



北京・松下彩色顕像管有限公司(BMCC)

 パナソニック株式会社の子会社であるMT映像ディスプレイ株式会社(MTPD)は30日、MTPDが出資する中国のブラウン管製造・販売合弁会社「北京・松下ディスプレイデバイス有限会社」(BMCC)の出資持分すべてを、中国側合弁会社である京東方科技集団股●有限公司(●=人偏に分、BOE)に譲渡する事を決定したと発表した。

 BMCCは資本金12億4,100万元で、出資比率はMTPDが50%、BOEが30%、中国電子進出口北京公司が10%、中国工商銀行北京亜運村支行が10%だった。今後、両社で譲渡契約の締結に向け手続きを進める。なお、これまで、パナソニックグループでブラウン管製造販売事業を担当してきたMTPDは今後も、既存顧客に対する補修サービスを担い、存続していくとしている。

 今回のBMCCの譲渡により、パナソニックグループは、'54年以来55年に渡るブラウン管の製造事業を終息する。パナソニックでは、「全世界でPDPや液晶などの薄型テレビへの需要シフト、ブラウン管需要の急減を受け、中国側合弁パートナーであり、現在BMCC持分の30%を保有するBOEに対し、MTPDが保有する持分50%すべてを譲渡する。今後は、より一層経営リソースを最先端分野に集中、テレビのコアデバイスであるディスプレイのたゆまぬ技術開発を重ねる」としている。

 なお2008年3月に、ソニーもブラウン管「トリニトロン」の生産を終了している。



(2009年 9月 30日)

[AV Watch編集部 古川 敦]