アイ・オー、AVCHDやWindows 7と親和性高めた新「Link Player」

-Win 7から再生先として指定。カメラバックアップが手軽に


AV-LS700

12月下旬発売

標準価格:16,485円

 株式会社アイ・オー・データ機器は、DTCP-IPに対応したネットワークメディアプレーヤー「AVeL Link Player」の新モデル「AV-LS700」を12月下旬に発売する。価格は16,485円。

 AVeL Link Playerは、アクトビラなどに対応した高機能モデル「AV-LS500VX」(22,050円)、シンプル機能の低価格モデル「AV-LS500LE」(14,280円)をラインナップしているが、「AV-LS700」は価格を抑えながらAVCHD対応ビデオカメラとの親和性を高め、DLNAのデジタルメディアレンダラー(DMR)に対応。GUIのデザインもブラッシュアップした事が特徴。アクトビラには対応していない。なお、他の2機種も併売する予定。

上から見たところ。奥行きは短い背面。HDMI出力を備え、Ethernet端子は2系統装備。ハブ機能を内蔵し、他のLAN対応機器を接続できる前面にUSB端子と、新たにSDカードスロットを備えた

 前面にUSB端子を備え、新たにSD/SDHCメモリーカードスロットも装備。AVCHD対応のビデオカメラをUSB接続したり、録画したSDカードを読み込ませることで、撮影動画をAV-LS700から再生可能。さらに、AV-LS700にUSB接続したHDDに、データをバックアップすることができる。

 従来モデルでもAVCHDの複雑なフォルダ構造を下りていくことで、動画ファイルにアクセスする事はできたが、「AV-LS700」では、直接動画を一覧表示でき、ファイル名も撮影日時など、判別しやすい名前で表示される。

 なお、バックアップはビデオカメラやSDカード内のデータをまるごとバックアップする機能のみで、選択コピーや差分ファイルバックアップなどはできない。「PCを使いたくない人のために、わかりやすさを重視した」(アイ・オー・データ)という。

AVCHDビデオカメラを接続。動画を再生するだけでなく、USB接続のHDDに、中の動画をバックアップすることができるAVCHDの複雑なフォルダ構造を理解していなくても、ビデオカメラを接続したり、SDカードを挿入するだけで動画の一覧が表示される複雑なフォルダ構造を下りてAVCHDの動画ストリームファイルにアクセスしたところ。ファイル名が数字のみで表示されているため、目的の動画かどうかわかりにくい

 将来的にはファームウェアのアップデートで、サムネイル入りの動画一覧表示や、細かなバックアップモードのサポート、LAN経由でLAN HDDにバックアップしたり、動画をオンラインのストレージサービスや動画投稿サイトにアップロードするなど、大幅な機能強化も検討されている。

 また、GUIも接続したビデオカメラやデジタルカメラを認識し、そのカメラのGUIデザインと近いメニュー表示に切り換え、デジタル機器に詳しくない人でも、カメラと同じ感覚で再生やコピーなどの操作がしやすいようにする事も計画。「メディアプレーヤーはPCの周辺機器というイメージがあるが、デジタルカメラやビデオカメラの周辺機器の1つとして、PCに詳しくない人でもデータの再生、バックアップ、オンラインでの公開などができるようにしていきたい」(同社)という。

 ネットワーク経由での再生では、DLNAクライアントとして動作。DTCP-IPに対応し、東芝の液晶テレビ「REGZA」やPC用地デジチューナで録画し、対応LAN HDDやPCのHDDに保存した番組を、LAN経由でストリーミング再生できる。

 GUIを刷新しており、長い番組名をスクロール表示したり、1画面に多数の番組をアイコンベースで表示するといった事も可能になった。また、操作レスポンスが向上しており、2~100倍までの早送り/巻き戻しなどが高速に行なえるという。なお、Windowsファイル共有には対応していない。

REGZAで録画した番組を表示しているところ。一画面に沢山の番組を表示する事が可能に。また、長い番組名はスクロール表示されている横にスクロールしながら番組を選ぶ通常のメニューREGZAで録画した番組などがLAN経由で再生できる

 Windows 7をインストールしたPC内のファイルを再生する場合は、Windows 7に標準搭載されたWindows Media Player 12からのリモート再生に対応。DLNAのデジタルメディアレンダラー(DMR)機能に対応して実現しているもので、Media Player 12の画面上で動画や音楽ファイルを右クリックし、表示されるメニューの「リモート再生」から、再生先として「AVeL Link Player」を選ぶと、同ファイルを「AV-LS700」から再生させる事が可能。離れた部屋にある「AV-LS700」を制御したり、小型PCをリモコンのように活用する事ができる。なお、著作権保護されたコンテンツの再生には非対応。

Windows Media Player 12のリモート再生からAVeL Link Playerを選んでいるところプレイリスト再生なども使用できる

 HDMI 1.3aの出力端子を備え、HDMI CECにも対応予定。対応テレビと接続すれば、テレビと「AV-LS700」のどちらのリモコンでも操作でき、電源連動なども可能。また、「AV-LS700」の付属リモコンには、他社のテレビの制御信号もプリセットされており、チャンネル変更などのテレビの基本操作はHDMI CECと関係なく、Link Player付属のリモコンから行なえる。

 ネットの投稿動画サイトの動画を、テレビで鑑賞する事も可能。トップメニューの「アイ・オー ポータル」にアクセスすると、「最近追加された動画」や「人気の動画」、「評価の高い動画」などのメニューが表示され、好きな動画を探すことができる。なお、ポータルからアクセスできる動画サイトは明言されていないが、発表会で見たところYouTubeで、11月に開始された1080p動画にも対応できる模様だ。

付属のリモコンも新デザインに変更。他メーカーのテレビの制御信号もプリセットされており、テレビのチャンネル操作などが行なえるメインメニュー画面。目的の操作がアイコンで選択できる-ネットの投稿動画サイトのコンテンツを再生する「アイ・オー ポータル」の画面

 再生対応フォーマットは、動画がWMV9(VC-1)やMPEG-1/2(PS/TS)/4(ASP)、H.264、Xvidに対応。1,920×1,080ドットの30fps動画も再生可能。「ハードウェアスペック的にはフルHDの60pまで再生できるパフォーマンスは備えている」(同社)という。ビットレートはWMVが最大10Mbps、H.264が10Mbps、MPEG-2 PSが15Mbps、MPEG-2 TSが25Mbps、AVCHDが24Mbpsまでサポート。また、ISOファイルの再生には対応しない。音楽はWMA/WMA9 Pro/MP3/PCM/AACに対応するが、DRM付きファイルは非対応。静止画はJPEG/BMP/PNG/GIF/TIFFに対応する。

 Ethernet端子は背面に2ポート用意しており、ハブ機能を内蔵。ルータなどと1ポート接続した後、残りの1ポートに、それまで接続されていたゲーム機やSTBなどを接続する事ができ、LAN端子不足を防ぐことができる。

 出力端子はHDMI×1(1080p対応)、コンポジット×1、アナログ音声(RCA)×1、光デジタル×1。USB 2.0端子を前後に計2系統、前面にSD/SDHCカードスロットを装備する。USB端子にはUSB接続のマルチカードリーダなどを接続する事も可能。外形寸法は約260×125×43mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約930g。

モデル名

AV-LS700AV-LS500VXAV-LS500LE
価格16,485円22,050円14,280円
ネットワーク再生
Windows 7対応
(Windows Media Player12の利用)
(リモート再生)

(リモート再生非対応)

(リモート再生非対応)
DTCP-IP対応-
DVD ISOイメージ再生--
(DVDナビゲーション
非対応)
Windowsファイル共有--
WM-DRM10対応
(DMM等の購入済コンテンツ再生)
--
ビデオカメラ連携
AVCHD再生
(ナビゲーション
機能なし)

(ナビゲーション
機能なし)
AVCHDからHDDへの保存--
インターネット動画サービス
アクトビラの視聴--
DMM.TVの視聴--
投稿動画サイトの
視聴(MP4対応)

(ベータ版)

(ベータ版)
-
便利機能
コンテンツのサムネイル表示-
マルチカード
リーダー・ライター対応
-
HDMI CEC対応-
ハードウェア
LANポート2系統1系統1系統
USBポート2系統2系統1系統
SDカードスロット--
テレビプリセット対応
高機能リモコン
--
電源内蔵
(ACアダプタ不要)
--


■ ネットワーク対応のUSBハブ

 AV-LS700の発表会場では、11月25日に発表された、ネットワーク対応のUSBハブ「ETG-DS/US」(12月中旬発売/7,770円)も展示された。

ETG-DS/USUSB接続のHDDやドライブ、チューナなどを接続LAN経由でそうしたUSB機器を使用できる

 USB端子を2系統備えており、接続した機器をLAN経由で、離れた場所にあるPCで使用/共有できるのが特徴。例えば「ETG-DS/US」にDVDドライブを接続し、離れた場所の光学ドライブ非搭載のノートPCから、LAN経由でDVDビデオを視聴する事が可能。その場合、PCに管理ソフト「net.USBクライアント」のインストールが必要で、このソフトを使うことでLANを介した接続を、あたかもUSB接続しているように利用できる。他のユーザーが接続中のUSB機器を使いたい場合に切断を依頼するメッセージ通知機能も備えている。

 プリンタを共有したり、USB接続のHDDをLAN HDDとして使うといった事ができる一方、AV的な使い方として、USB接続に対応した同社のテレビキャプチャ製品「GV-MC7/VZ」や、ワンセグチューナ「GV-SC300」、「GV-SC400」との接続をサポート(GV-MC7/VZは単体接続のみ対応)。電波の入りが良い場所や、壁にアンテナ端子がある部屋などにキャプチャ製品と「ETG-DS/US」を置き、LAN経由で離れたPCで地上デジタル放送を楽しむ、といった使い方も可能になる。ただし、デジタル放送はデータ量が多いため、IEEE 802.11nでの使用が推奨される。

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【11月25日】アイ・オー、USB機器を繋いでLAN上で共有できる「ETG-DS/US」 (BB Watch)
http://bb.watch.impress.co.jp/docs/news/20091125_331184.html


(2009年 12月 1日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]