バンダイナムコ、映像/音楽とゲーム事業を4月に統合
-パッケージ/配信を同時展開。映像パッケージ絞込みも
2月2日発表
株式会社バンダイナムコホールディングスは2日、将来的な成長に向けた「バンダイナムコグループ・リスタートプラン」を発表。4月より、ゲームコンテンツ事業と映像音楽コンテンツ事業を統合するグループ再編や、各事業の見直しなどを行なう。
2005年の経営統合以来、同社は組織再編など経営基盤整備を推進。効率化やコスト削減で一定の効果はあったものの、事業面におけるスピードがダウンし、市場環境やユーザー嗜好の変化に柔軟に対応した製品/サービスがしきれなかったことから、収益力の低下につながったという。
同日に発表した第3四半期決算では、売上高が前年同月比10.4%減の2,828億3,200万円、営業利益が76.3%減の47億600万円、純損益は117億4,400万円の赤字。通期業績予想は85億円の黒字から、310億円の赤字へと、大幅な下方修正を行なっている。
現在の経済環境とグループの収益力低下を踏まえ、同社は4月より「スピードあるグループへの変革」と「収益力向上と財務体質の強化」を目的としたリスタートプランを実施。中長期の目標として「世界で存在感のあるエンターテインメント企業グループ」を目指すとしている。
組織再編については、コンテンツを扱うゲーム事業と映像/音楽事業を「コンテンツ事業」として統合。従来の、コンテンツ出口を軸とした縦割り組織から、コンテンツを軸とした横軸で機能する組織に変更することで、多様化するコンテンツの出口に柔軟に対応するとしている。
具体的には、コンテンツの創出と価値最大化戦略を進める「プロデュース集団」と、プラットフォームに向けコンテンツをスピーディーに提供する「パブリッシャー機能」の2つのバーチャル組織で事業を運営。
映像事業においては、パッケージソフトの販売とオンデマンド配信を同時に展開するといった、コンテンツの価値最大化を図る。不透明な環境が続くという映像パッケージソフトについては、絞込みを行ないながら、コンテンツ事業の他事業との相乗効果、効率化の推進により収益力向上を目指す。また、次世代に向けたビジネスモデルの構築にも取り組むという。
また、パブリッシャー機能の新たな出口の一つとして、ライブエンターテインメント事業に参入。グループの製品やサービスに関連する映像や音楽のライブ、イベントなどを行なう新会社として株式会社バンダイナムコライヴィを4月1日付けで設立する。
そのほかの見直しとしては、持株会社と事業会社の代表取締役を兼任とし、連携の強化と、意思決定のスピードアップを図る。また、ゲーム/映像パッケージソフトの流通在庫に関わる引当てや在庫評価損をより厳しく見直すといった財務体質の強化、希望退職者の募集による人件費削減などで、グループ全体では来期に約80億円の費用減少を見込む。
(2010年 2月 3日)
[AV Watch編集部 中林暁]