パナソニック、ラック型と無線のシアターシステム2種

-HDMI 1.4 ARC対応。無線はスピーカーにアンプ内蔵


SC-HTX700をV2シリーズの46型と組み合わせたところ

3月5日より順次発売

標準価格:オープンプライス

 パナソニックは、シアターシステムの新モデルとして、ラックシアター2機種と、ワイヤレス接続可能なアンプとスピーカーセット1機種の計3機種を発売する。ラックシアターは3月5日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、50~42型テレビの設置にマッチした「SC-HTX700-K」が10万円前後、42~37型にマッチする「SC-HTX500-K」が9万円前後の見込み。

 ワイヤレスシアターシステムは4月23日発売。型番は「SC-ZT2-K」で、価格はオープン。店頭予想価格は15万円前後の見込み。追加用の専用サラウンドスピーカー「SB-ZT2-K」は2本セットで10万円前後の見込み。


■ ラックシアター

上段がHTX700、下段がHTX500
 デコーダとアンプ、スピーカーを内蔵したラックタイプのシアターシステム。サイズと重量以外の2機種の仕様は同じ。デコーダはドルビーデジタル、DTS、AACに対応しているが、Blu-rayソフトで採用されているドルビーTrueHDなどのフォーマットには非対応。ただし、HDMI入力とリニアPCM 7.1ch入力をサポートしているため、BDレコーダ/プレーヤーからデコード出力されたリニアPCMのマルチチャンネル信号を入力できる。

 人の声の周波数特性に着目し、テレビドラマのセリフやスポーツ番組の解説などを聴き取りやすくする、独自の「明瞭ボイス」を進化させた新「明瞭ボイス」を搭載。人の声に加えて効果音の成分を前方上方に拡大することで、映像と音が一体となった再生ができるという。

 '09年に発売されたVIERAのV1/G1/X1/R1シリーズと、2010年モデルのVT2/V2/G2/S2/X2シリーズと組み合わせる事で、映画やスポーツなど、観ている番組に合わせて自動的にサウンドモードが切り替わる「番組ぴったりサウンド」が利用可能。さらに、この機能と連動し、比較的音量変化の少ないドラマやバラエティ、ニュースなどの視聴時に、シアターが自動的に出力を抑え、消費電力も抑える「番組連動おまかせエコ」機能も備えている。

 さらに、VIERAの電源がOFFになるとラックシアターの電源もOFFになる機能や、テレビから音を出す設定にするとシアターの電源をOFFにする「こまめにオフ」機能など、新しい省電力機能にも対応している。

スピーカーを内蔵している天板は光沢仕上げ。角をカットしたデザインが特徴付属のリモコン

 また、2010年モデルのVT2/V2/G2/S2/X2と接続した場合は、HDMI 1.4の機能であるARC(Audio Return Channel)機能が利用可能。従来はテレビの音をラックシアターから出す場合、光デジタルケーブルを接続する必要があったが、それが不要になる。具体的には、ラックシアターのHDMI出力と、テレビのHDMI入力を接続しているHDMIケーブルを用いて、テレビからのS/PDIF音声データをラックシアターに送れるようになる。これにより、テレビとラックシアターはHDMIケーブル1本で接続するだけで済む。

 スピーカーユニットの振動板には竹繊維を使用。立ち上がり良い、クリアな再生音を実現したという。そのほかにも、小音量でも臨場感のある再生を行なう「ウィスパーモードサラウンド」も備えている。

 角をカットしたデザインにより、コーナー設置において、ブラウン管テレビからの買い換え時に、同じ設置スペースでより大画面テレビへの買い換えを可能にしたという。天板は光沢仕上げ。前面にはガラス扉を備えている。

 アンプ部の最大出力はフロントが62W×2ch、サブウーファが161W。入力はHDMI×2、光デジタル音声×2、アナログ音声×2を装備。出力はHDMI×1(ARC対応)。ユニットはフロント部が6.5cm径のフルレンジ×2個、サブウーファが12cm径×2個で、いずれもバスレフ。

 消費電力は90W。待機時消費電力は約0.05W。外形寸法と重量は「HTX700」が1,270×420×444mm(幅×奥行×高さ)で約41.5kg、「HTX500」が1,050×420×444mm(同)で、約34kg。耐荷重は天板が80kg、棚板が12kg、底板が12kg。


■ ワイヤレスシアター

 リニアPCMのマルチチャンネル入力が可能な、ワイヤレスシアターシステム。HDMI入力を備え、ワイヤレス送信を内蔵したコントロールボックスと、受信機・アンプを内蔵したスピーカーで構成。2.4GHzを用いたデジタル伝送で音声データを送信する。スピーカーとコントロールボックス間に配線コードは不要だが、スピーカーそのものにはアンプを内蔵しているため、電源ケーブルは接続する必要がある。

中央にあるのがポール型のワイヤレススピーカーワイヤレスシアターの使用イメージ下段がコントロール部

 HDMIはARCに対応し、3D映像のパススルーも可能。デコーダの仕様はラックシアターと同じで、リニアPCMのマルチチャンネル入力に対応。スピーカーはポールタイプで、24mm幅のスリムなスピーカーユニットを、垂直方向に直列配置で4基搭載。ポールの下部から上部にわたり、線音源のサウンドとして上下左右に音を放出。「視聴位置が変わっても音質の変化が少ない」という。

 ウーファはスピーカーの下部、スタンドのような部分に内蔵。12cm径のロングストロークウーファを備えている。低音は下向きに放出され、360度に放射される。

 フロントの2chスピーカーだけで、バーチャル7.1ch再生を行なうというモードも用意。さらに、サラウンドスピーカー「SB-ZT2」だけを追加で購入でき、4chシステムとして使用する事も可能。バーチャル7.1chサラウンド機能を、よりリアルに再現できるという。

 コントロールボックスの入力はHDMI×2、光デジタル×2、アナログ音声×2。出力はHDMI×1(ARC対応)。消費電力は11W。外形寸法は430×262×59mm(幅×奥行×高さ)、重量は約2kg。

 スピーカー内蔵のアンプ部合計最大出力は160W。スピーカーの消費電力は35W(1本)で、外形寸法は290×290×1,231mm(幅×奥行×高さ)、重量は約3.9kg。


(2010年 2月 9日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]