ソニーの3Dテレビ「BRAVIA」が前倒しで販売開始

-販売店では3Dテレビに関する問い合わせが増加


ビックカメラ有楽町店本館の店頭イベントスペースでは、サッカー日本代表のユニフォームを着用して、ワールドカップとも連動して3D BRAVIAを訴求

6月3日先行販売開始


ビックカメラ有楽町店本館の店頭イベントスペースでは、13日までイベント展示を行なう
 ソニーは6月3日から、3Dテレビ「BRAVIA LX900シリーズ」の販売を開始した。当初は、ワールドカップ開催の前日となる6月10日からの発売としていたが、1週間前倒しでの発売となった。

 3日から展示販売を行なっている東京・有楽町のビックカメラ有楽町店では、「ボーナス商戦、ワールドカップ需要が本格化するなかで、予定より1週間前倒しで発売されることは、3Dテレビの認知度を高める意味でも歓迎すべきこと。ブラズマによって3Dテレビを発売しているパナソニックと、液晶によって3Dを発売したソニーとを見比べることができ、これまでプラズマと液晶を比較してから購入したいと買い控えていた人の購入も促進されるだろう」(ビックカメラ有楽町店本館1階ビジュアルコーナー・関口篤主任)としている。

 同店では、6月13日まで1階のイベントスペースにLX900シリーズを展示し、3Dメガネを直接かけて、3Dテレビを体験できるようにしているほか、1階のテレビ売り場にも、LX900シリーズを2台展示し、手軽に3D映像を体験できる環境を用意している。

すでに発売されているパナソニックのVIERA VTシリーズも人気

 さらに、すでに発売しているパナソニックの「3D VIERA」は、地下2階の入口および1階テレビ売り場、2階オーディオコーナー、3階ゲーム売り場にも展示しており、「3D BRAVIAが発売されたことで3Dテレビの展示スペースも広がった。ゲームを3Dで楽しむ、または5.1chのサラウンドで迫力の音響とともに3Dを楽しむといった提案も行ない、楽しさを体験してもらいたい」としている。

 ソニーでは、今後、ネットワークサービスを通じた3Dコンテンツの配信や、スカパー! HDによるFIFAワールドカップの3D放送のほか、PlayStation 3を対象に3Dゲームが提供するなど、3Dコンテンツの利用整備にも力を注いでいる。「コンテンツと連動した提案という観点では、ソニーならではの3Dテレビの提案ができる」(ビックカメラ有楽町店本館)と期待している。

 ビックカメラでは、すでに主要店舗全店で、BRAVIA LX900シリーズの展示販売を開始しており、ヤマダ電機やヨドバシカメラなどの主要店舗でも展示販売が行なわれている。さらに来週には全国規模で展示する店舗が増えることになりそうだ。

1階テレビ売り場にも3D BRAVIAの体験スペースが設けられた

 ソニーマーケティングでは、6月3日からBRAVIA LX900シリーズを発売したことに、「3Dは体験していただくことが非常に重要だと考えている。FIFAワールドカップの開催が直前に迫るなか、ソニーならではの3D体験をより多くのお客様に体験していただいて、ご購入いただける機会が増えたと考えている」としている。

 ビックカメラ有楽町店本館では、パナソニックが3Dテレビを4月21日に発売して以降、3Dテレビに関する問い合わせが増加しているという。「3Dテレビを店頭で見ることができるのかといった問い合わせを含めて、ここ1カ月では、3Dテレビに関する問い合わせが一番多い」という状況だ。店頭で展示している3Dテレビを体験する人も多く、時間帯によっては列ができる場合が少なくない。

夕方には仕事帰りのビジネスマンなどが3Dを体験していた

 売れ行きについても「当初の予想を上回る販売量となっており、30代後半から40代、50代といったファミリー世代の購入が多い」と語る。また、「2Dの大画面テレビを購入しにきたが、3Dテレビは2Dの画面もきれいに表示できること、さらに3D映像が、予想していたよりも迫力があり、感動して、3Dテレビを購入していくケースもある。また、イベント会場などで3Dテレビを体験して、指名買いで店頭を訪れる例もある」などという。

 パナソニックに加えて、ソニーが3Dテレビを発売したことで、3Dテレビの選択肢が増えるなど、量販店にとってもビジネスチャンスが広がったといえる。「今は、パナソニックとソニーの3Dテレビは別々に展示しているが、6月中には、両社の製品を並べて展示する3Dテレビコーナーを設置する予定で、比較検討しながら選べるようにしたい」としており、商戦の本格化にあわせて展示強化に力を注ぐ考えだ。

※記事中の写真の価格やポイント還元率は、取材時点のものであり、これらの価格およびポイント還元率で販売されることを保証するものではありません。


(2010年 6月 4日)

[AV Watch編集部 古川 敦]