B-CASカードのユーザー登録を2011年3月末に廃止
-「登録の必要性が薄れた」
7月5日発表
BS・CS・地上共用カード(赤カード) |
デジタル放送受信用の「B-CASカード」を発行するビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS)は5日、「BS・CS・地上共用カード(赤カード)」含む全てのユーザー登録を廃止すると発表した。
廃止の理由については、「カード交換、再発行業務をスムースに行なうため、ユーザー登録をお願いしてきた。しかし、4月にカスタマーセンターをリニューアルし、その後も継続的に機能を強化したことで、『ユーザー登録情報』を使わなくても円滑な業務の実施が可能になった」ほか、「デジタル受信機の急速な普及で、大半の世帯でB-CASカードが使われるようになり、ユーザーを特定するための登録の必要性も薄れてきた」と説明。
そのため、「社会環境の変化を踏まえ、個人情報の取得は必要最小限にするという考え方に基づき、全てのB-CASカードのユーザー登録を廃止することにした」という。
同社では、「業務見直しの一環」として、地上デジタル放送専用のB-CASカード(青カード)と、一部の地デジ受信機に内蔵されている特別内蔵用カード(白青カード)のユーザー登録について、2010年3月末を持って登録はがきの受付を終了していた。しかし、3波チューナ用の「赤カード」については、NHKのBSデジタル放送における受信確認メッセージ消去などで使用するため、3月以降もユーザー登録が継続していた。
今後は2011年3月末を持って全ユーザー登録を廃止し、保有しているユーザー登録情報を速やかに消去。登録廃止後に同社に到着したユーザー登録はがきについては、NHK衛星放送の自動表示メッセージの消去に利用する。具体的には「放送事業者への個人情報の提供に同意」されている場合にはNHKに対し、ユーザー情報を従来どおり提供。有料放送事業者への提供は行なわない。
なお、従来どおり、カードの故障交換や再発行については、同社で受け付ける。
あわせて、5日付で2010年3月期のB-CASの業績、財務情報も公表している。2010年3月期のカード発行枚数は3,167万8,000枚で、これまでの発行枚数累計は9,463万枚。同社の売上高は142億3,600万円、経常利益は1億8,000万円、純利益は1億2,000万円。
(2010年 7月 5日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]