【IFA 2010】三菱が3D対応のSXRD フルHDプロジェクタ

-エプソンは新技術の反射型液晶モデルを披露


 9月3日~8日(現地時間)までドイツ・ベルリンで行なわれているIFA 2010では、3D対応モデルなどのシアタープロジェクタが各メーカーから出展された。

 ソニーの「VPL-VW90ES」やシャープの試作機についてはそれぞれ既報の通りだが、ここでは他のメーカーからの製品を紹介する。

 

ソニーの3D対応SXRDプロジェクタ「VPL-VW90ES」シャープの3D対応DLPプロジェクタ試作機

 


 

■ 三菱電機

 0.61型/フルHDのSXRDパネルを採用する3D対応プロジェクタを出展。会場のシアタールームでデモ上映も行なっていた。IFAが初披露となる製品で、価格や発売時期は未定だが、日本での発売も予定されているという。

SXRDパネル搭載の新プロジェクタ

 3D対応とするため、240Hzの高速駆動パネルを採用。IFAの直前に仕上げた状態の試作機のため正式な仕様は未定だが、デモでは明るさが1,000ルーメンと説明していた。価格や発売時期は未定。

 入力端子はHDMI 2系統のほか、コンポーネントとS映像、コンポジット、アナログRGB(D-Sub 15ピン)を用意。そのほか、「3D GLASSES」と書かれた同期用とみられる端子、トリガー、RS-232Cを備えている。

 製品名は決まっておらず、会場で製品名を募集るという企画も行なっている。採用者には賞品としてフルHDプロジェクタが贈られるという。


側面の入力端子部操作ボタン部新モデルの名前を来場者から募っていた

 

LVP-HC4000の投写コーナー

 また、サッカーの試合などのパブリックビューイングを想定したという高コントラストのフルHD DLPプロジェクタ「LVP-HC4000」(日本では9月27日発売/実売218,000円)も展示。シアタールームではなく飲食店のような明るい内装のコーナーで投写デモが行なわれていた。



■ エプソン

フラッグシップモデル「EH-R4000」。レンズはセンターに配置された

 IFAが初披露となる反射型液晶の新技術「3LCD Reflective」を採用したフラッグシップモデル「EH-R4000」と、「EH-R2000」を11月より発売する。「EH-R4000」の価格は約5,500ユーロ。

 「3LCD Reflective」は、従来の透過型液晶のC2Fine技術を元に、反射型デバイスを採用したもの。独自の平坦化技術により、反射層における光の散乱を防ぎ、高効率/高コントラストの投写を実現、消費電力も抑えている。

 また、パネル自体の薄型化にも成功。液晶のセルギャップ(厚さ)や画素間のギャップを減らし、応答速度を高めて動画ブレを改善するとしている。

 両機種とも明るさは1,200ルーメン。3LCD Reflectiveと同社のオートアイリスとの併用で、ダイナミックコントラストは最大100万:1(EH-R2000は50万:1)を実現。フレーム補間による動画ブレ軽減も行なっている。IDTの高画質化技術であるHQVを搭載。使用環境に合わせた5種類のカラーモードも用意する。

 その他のモデルとして、従来の3LCDパネルを用いたフルHDの「EH-TW3600」(明るさ2,000ルーメン/約1,400ユーロ)と、「EH-TW3200」(1,800ルーメン/約1,100ユーロ)も同時期に発売する。

3LCD Reflectiveの仕組みEH-TW3600EH-TW3200


■ Samsung、LGも3Dモデルを出展

Samsungの「SP-A8000」

 Samsungは、3D対応のフルHD DLPプロジェクタ「SP-A8000」を10月末に発売。価格は5,500ユーロ。

 フレームシーケンシャル方式の3Dに対応したフルHDプロジェクタ。アクティブシャッター方式の3Dメガネを用いて、「観る角度の制限なく3Dが楽しめる」としている。明るさは1,000ルーメン、コントラスト比は1万:1。投写サイズは40~250型。HDMI 1.4入力を2系統備えている。


LGの「CF3D」

 LGは、1月のInternational CESで発表された3D対応のSXRDプロジェクタ「CF3D」を展示。発売はすでに開始されており、価格は約13,000ユーロ。

 0.61型/フルHDのSXRDパネルを搭載。100Hz(PAL)の倍速駆動に対応する。光源は2灯式で、明るさは2,500ルーメンとしている。映像エンジンも2つ備えて自動補正を行なう。上下方向のレンズシフトを搭載。HDMI 1.4を3系統備える。3Dメガネは偏光方式を採用する。



■ ポータブルプロジェクタ

 複数メーカーが参加し、注目製品を出展した2日(現地時間)の「ShowStoppers」イベントにおいて、DLP陣営が「DLP Pico」搭載ポータブルプロジェクタの新製品を展示していた。

 Acerは、第4四半期に発売予定とする「C20」を展示。パネル解像度はWXGAで、光源はRGB LED。コントラスト比は2,000:1。ミニHDMI入力を備え、映像を投写できるほか、microSD/SDHCカードスロットも備え、カード内の動画/音楽などを再生可能。投写サイズは5~66型。

 そのほか、発売中の製品として、AIPTEKのタッチパネル搭載プロジェクタや、Samsungのプロジェクタ内蔵携帯電話などが同ブースに展示されていた。

AcerのC20AIPTEKのタッチパネル搭載モデルSamsungのプロジェクタ内蔵携帯電話


(2010年 9月 7日)

[AV Watch編集部 中林暁]