フジヤエービックがオリジナルヘッドフォンアンプを発売

-東京サウンド・ValveXカスタマイズ。ヘッドホン祭で披露


SOUND ValveX Premium (ValveX/PB)

 東京サウンドとフジヤエービックは共同で、真空管ヘッドフォンアンプ「SOUND ValveX Premium (ValveX/PB)」を開発した。11月初旬に出荷開始予定で、フジヤエービックのみでの販売。予定価格は102,900円で、同店では69,000円で予約を受け付けている。100台の限定販売になる予定。

 また、10月30日にフジヤエービックが開催するイベント「秋のヘッドホン祭2010」でお披露目される。

 東京サウンドが昨年、100台限定で発売した「ValveX/LB」をさらに進化させたというモデルで、東京サウンドやフジヤエービックに寄せられた既存機種ユーザーの声を反映させ、開発したという。フジヤエービック・オリジナルカスタマイズモデルと位置付けられている。

 ベースとなる「ValveX/SE」は、「ICやトランジスタ、高抵抗で失われる“力強さ”や“豊かさ”、“ダイナミックさ”を取り戻すことを主眼に開発した」(東京サウンド)というモデルで、双三極管12AU7のプッシュプル方式を採用。出力は650mW×2chだが、偶数次の歪みや、ハム、ノイズをキャンセルし、ヘッドフォンにとって重要な微小出力時のS/Nを極限まで高めるために、プッシュプル方式を採用している。

 また、出力トランスを使用する真空管アンプは、接続するヘッドフォンによってインピーダンスのミスマッチングが予測されるが、ValveXではトランスにタップを設けることで100Ω以下、100Ω以上に切り替え可能とし、16~600Ωの様々なダイナミック型ヘッドフォンに対応できるという。入力はアナログ音声(RCA)。

 これをベースに、昨年Limited Blackバージョン「ValveX/LB」が発売。音質を左右するキーデバイスのボリュームやコンデンサーを新素材にアップグレード。音質を向上させたほか、カラーをジェットブラックとしている。

 今回のフジヤエービック・オリジナルカスタマイズモデルは、この「ValveX/LB」をさらに改良。ボリュームはLBで採用したものに、さらにシールドを施したスペシャルオーダー品を使用。回路基盤も従来品の倍の厚みの配線を施し、コンデンサもより高いグレードのものに置換しているという。真空管もメーカーを厳選したほか、トグルスイッチや3PACインレットにも贅沢なパーツを使用。インシュレーター脚も採用している。

 また、背面のステレオミニ出力を廃して、3段階インピーダンス切替スイッチを装備。ヘッドフォン出力は前面の標準プラグのみとなった。正面の電源LEDもブルーからオレンジ系に変更されている。詳細はフジヤエービックのブログ「目福耳福 FUJIYA AVIC blog」で、動画を交えて紹介されている。

 なお、同モデルもお披露目される「秋のヘッドホン祭2010」は、10月30日に東京・外苑前駅傍の「スタジアムプレイス青山」にて開催される。入場料は無料。


(2010年 10月 1日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]