ミニレビュー
B&Wヘッドフォンに空間オーディオ新機能「True immersion」。Px8 S2で体験した
2026年2月27日 17:10
Bowers & Wilkinsは、ワイヤレス・ヘッドフォン「Px8 S2」(McLaren Editionを含む)と「Px7 S3」において、空間オーディオ再生機能を追加するファームウェア・アップデートを公開した。「Bowers & Wilkins Musicアプリ」を使って最新のファームウェアにアップデートすると、空間オーディオ機能「True Immersion」が使用可能になる。
True immersionを体験してみた
True immersionの効果を、「Px8 S2」を使って試してみた。
使い方は簡単で、Px8 S2とスマホをペアリングさせ、ファームウェアを最新にした上で、「Musicアプリ」の「設定」メニューを表示すると、「True immersion」という項目が追加されており、ここからON/OFFできる。
なお、True immersionは様々な音源の没入感を高められる技術であるため、専用にエンコードされた楽曲である必要はなく、通常のステレオ音楽で楽しめる。
音楽を流しながら、True immersionをON/OFFすると、音の聴こえ方がかなり大きく変化する。“没入感を高める”と聞くと、「音が広がる」「空間が広大になる」といったイメージを持つ人も多いと思うが、True immersionの場合は少し方向性が違うようだ。
例えば、「ダイアナ・クラール/月とてもなく」の場合。True immersion OFFの状態では、Px8 S2のクリアでナチュラルな音がダイレクトに耳に届くため、ギターやベース、ボーカルといった音像の定位は、聴いている自分から距離が近く感じる。イメージとしては、最前列で、ステージに向かって身を乗り出しながら聴いているような感覚だ。
しかし、True immersionをONにすると、自分が一歩引いて、真ん中の方の席からステージ全体を眺めているうような聴こえ方になる。具体的には、ボーカルや楽器の音が空間に広がるだけでなく、その音が反射して戻ってくる音が加わる事で“部屋で聴いている”感じになる。
True immersion OFFの場合は、部屋という概念がなかったが、ONにすると脳内に部屋が出現するため、「音場が狭くなった」と感じる人もいるだろう。ただ、それによって“かぶりつき”ではなく、部屋の中の一歩引いた位置から聴いている感覚になるため、頭内定位が緩和される。「ヘッドフォン特有の、頭の中で音が鳴っている感覚が苦手」という人にはマッチする機能と感じる。
いろいろな曲でON/OFFしてみたが、“マッチする曲”と“そうでない曲”があると感じる。例えば「手嶌葵/明日への手紙」のような、透き通る女性ボーカルの声が、広大な空間にどこまでも広がっていくような曲や、屋外のライブを録音した曲では、True immersionをONにすると、仮想の部屋が出現するため、開放感が魅力の楽曲とあまりマッチしない。
逆に、ビル・エヴァンストリオ「Waltz for Debby」(Take 2)など、室内のライブを録音した楽曲で、True immersionをONにすると、より“ライブ会場で聴いている感覚”が増して楽しい。
用途は音楽に限らない。スマホのNetflixアプリで、映画「ブラックホーク・ダウン」を再生しながらONにすると、まるでホームシアターで映画を鑑賞しているような感覚のサウンドになる。頭内定位も緩和されるため、長時間のコンテンツを鑑賞する時にも便利な機能と言えそうだ。


