【Hi-End 2010】個性派デザインやヘッドフォン関係

-壁掛けアンプや“曲がった”スピーカーなど


 オーディオメーカーと輸入商社などが参加する展示・試聴イベント、秋の「HI-END SHOW TOKYO 2010」。期間は10月8日~10月10日までの3日間。入場は無料。ここではデザインが個性的な新製品や、ヘッドフォン/イヤフォン関連の展示をレポートする。


■ 個性的なデザインの新製品達

テイクファイブのブース
 フランスのオーディオメーカーの製品をメインに、日本に輸入・販売していくという有限会社テイクファイブ。そのブースでは、3月から秋葉原のダイナミックオーディオで販売を開始したDEVIALETというメーカーの多機能アンプ「D-Premier」のデモを行なっている。

 写真の黒い壁に掛けられている、鏡のように光沢のあるゴールドの筐体が「D-Premier」。アンプとしては珍しく、壁掛けもできる薄型筐体を採用しているのが特徴。デザイン面も優れたモデルとなっている。なお、横置きでも使用可能。

 240W×2chのアンプを内蔵し、2chのAクラスアンプと8個のクラスDアンプを組み合わせた独特の構成を採用しているという。さらにDACやフォノイコライザも内蔵。デジタル入力に加え、HDMI入力も備え、SDカードスロットも搭載。ファームアップでの機能強化が可能で、SDカード内の音楽ファイル再生機能なども将来的に検討しているという。価格は1,596,000円。

「D-Premier」をテーブルに置いたところ。下部の化粧パネルは取り外し可能で、下部の端子に接続する様々なケーブルを隠すことができる背面と下部の入力端子部リモコンも変わっており、大きなボリュームノブのほかに、セレクタなどの操作ボタンも用意する

 ほかにもCairnというメーカーの小型プリメインアンプ「Mini PRO」(52,500円)、透明なエンクロージャを採用したWaterfallというメーカーの各種スピーカー、黒色の筒のようなものが3個、空中に浮かぶように配置されているAcoustical Beautyというメーカーの3ウェイスピーカー「LEEDH C」など、個性的なモデルを数多く展示。いずれも日本市場投入は未定だが「イベントの反響を見ながら、今後の展開を考えていきたい」という。

ISEM AUDIOの製品。CDプレーヤーやプリアンプ内蔵DACなどを手がけている

個性的なスピーカーが多数展示された。左が「LEEDH C」、中央が透明なエンクロージャを採用したWaterfallというメーカーのスピーカー

 blancoのブースでは、曲がった筒のような不思議なフォルムのスピーカーが展示されている。「R-1」と名付けられたモデルで、11月1日の発売を予定。価格はペアで189,000円となる。

blanco「R-1」3インチのフルレンジユニット搭載スタンド部分はインド黒御影石

 3インチのフルレンジユニットを搭載したスピーカーで、ユニットまわりのバッフルと、筒型エンクロージャ下部にある木目の部分が木材でできている。黒いカーブを描いた部分は炭素鋼、下部の四角い部分はインド黒御影石を使っている。重さは1本8kg。インピーダンスは8Ω、再生周波数帯域は50Hz~16kHz。

 フルレンジユニットの特性を活かし、女性ヴォーカルなどの再生を得意とし、デスクトップや寝室などセカンドシステムでの使用を想定。独特のフォルムを持っていることから、インテリアにこだわる人にも訴求していきたいという。



■ イヤフォン/ヘッドフォン関連

 ゼンハイザーブースでは、10月から発売を開始した密閉型ヘッドフォン新モデル「PX 360」を展示。折りたたみハウジングを採用。ユニットにはデュオフォルダイアフラム、ネオジウムマグネットを採用。

 さらに、今月末の発売を予定している、コンパクト/低価格なオープンエアヘッドフォン「PX90」、同モデルのネックバンド型「PMX 90」を展示。価格はどちらも4,000円程度になるという。

 また、10月8日~11月7日まではノイズキャンセルヘッドフォンのキャンペーンも実施。Bluetoothとノイズキャンセルに対応した「PXC 310 BT」や「PXC 310」が対象モデルで、購入者にもれなくとオリジナルのトラベルベルト、もしくはワールドクロックがプレゼントされるという。

密閉型ヘッドフォン新モデル「PX 360」オープンエアヘッドフォン「PX90」、同モデルのネックバンド型「PMX 90」ノイズキャンセルヘッドフォンのキャンペーンも実施

 スタックスのブースでは、イベント初日に発表された新モデル「SRS-4170」(139,650円)、「SRS-3170」(96,600円)を展示。発売日は11月1日。

 「SRS-4170」は、新Λシリーズの最上位「SR-507」と同じ発音体を採用したイヤースピーカー「SR-407(Signature)」と、真空管を出力段に採用したドライバユニット「SRM-006tS」を組み合わせたモデル。

 「SRS-3170」は上位機種と同じ新素材「スーパーエンプラ」のダイアフラムを採用したイヤースピーカー部の「SR-307」と、ドライバユニット「SRM-323S」を組み合わせたシステム。ほかにも、「SRS-2170」やイヤースピーカータイプの「SRS-005S」などの新モデルが体験できる。

SRS-4170SRS-3170イヤースピーカータイプの「SRS-005S」

 完実電気のブースでは、MONSTERの各種イヤフォン・ヘッドフォンを展示。diddy beatsの新しいカラーバリエーションを見ることができる。既発売のブラックとピンクに、10月からレッドとクリームが加えられた。

 エティモティック・リサーチのコーナーでは、カナル型(耳栓型)イヤフォン新モデルとして9月25日から発売している「MC5」を用意。同社初のダイナミック型ユニットを採用したモデルで、実売8,800円と購入しやすい価格のモデル。ブラック、レッド、ブルー、グリーンの鮮やかなカラーバリエーションも特徴となっている。


MONSTERのdiddy beatsレッドモデルクリーム色のモデルも
エティモティック・リサーチのコーナーでは、カナル型イヤフォン新モデル「MC5」を展示同社初のダイナミック型ユニットを採用したモデル。写真はレッド、ブルーShureもブースを用意。新モデル「SE315」など、SEシリーズが試聴できる

□関連記事
【2010年10月8日】スタックス、新発音体と真空管採用のイヤスピーカー
-「SRS-4170」。半導体DCアンプの「SRS-3170」も
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20101008_398951.html


■ その他

ACOUSTIC REVIVEのブースでは、年内発売を目指しているという、PCからのノイズをほぼ100%カットする「USB-isolator」を参考展示。信号ライン、電源ライン共にPCノイズをナノレベルまで減少できるというもので、予価は59,850円。USB DACなどの接続時に使用する。右は接続のイメージ。なお、製品の筐体は実際の発売されるものとは異なる

同じくACOUSTIC REVIVEの新製品、ACスタビライザーの「RAS-14」。電源ノイズとグラウンドノイズを除去するアクセサリーで、アンプなどの機器と電源ケーブルの間に挿入する

ACOUSTIC REVIVEではFireWireケーブル「FW-1.0TR」も発売予定。電源ライン、双方向信号ラインを完全分離したもので、予価は48,825円Nmodeのブースでは、開発中のDAC「X-DP1」を展示。プリアンプとしても使えるリモコンボリューム付きのDA、DDコンバータで、ヘッドフォンアンプも内蔵するのが特徴。同軸、光、USB、アナログRCA/XLRなどの入力を備え、24bit/192kHzまで対応(USBは48kHzまで)する。アナログ出力はRCA/XLRでクロック入力も備える
エルメック電子工業のブースでは、高分子ピエゾスピーカーユニットを採用した3ウェイ2スピーカーのフロア型「HPS-01」を聴くことができるエー・エム・エム・サウンドラボのコンパクトなスピーカー「AM-101」(ペア148,000円)。10cmフルレンジユニットを採用している逸品館のブースには、タンノイの最高峰「Kingdom Royal」(左)が登場。1台288万7,500円という超高級モデルだが、次元の違うスケールのサウンドが体験できる

(2010年 10月 8日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]