TAD、USB入力にも対応したDAC搭載プリアンプ
-199万5,000円。パワーアンプ2モデルも
テクニカルオーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、USB入力を備えたプリアンプ「TAD-C2000」を2011年1月中旬に発売。価格は199万5,000円。
パワーアンプ「TAD-M4300」、「TAD-M2500」も11月中旬に発売し、価格はM4300が199万5,000円、M2500が168万円。
■ TAD-C2000
TAD-C2000 |
TADの最新技術を投入したというプリアンプ。デジタル3入力と、アナログ4入力を装備する。
アナログ回路は入力から出力まで正負のフルバランス増幅方式を採用。L/Rのオーディオ回路には、同じ基板ユニットを左右に配置し、入力から出力までが同一になるよう構成。配線の長さも左右同一にするなど、回路の対称性とL/Rの同一性を追求したという。
上部シャーシは、アルミブロックからの削り出し。質量が大きく接合部が無いことから、外部振動に強く、電気的に安定したアース電位を得られるため、安定した音質を生み出せるという。本体は3点のインシュレータで支持。インシュレータにねずみ鋳鉄素材を採用し、音質を高めている。
ボリューム回路には新開発の抵抗ラダー型ボリュームを採用。電気的なスイッチコントロールで、低歪率と高精度ボリューム制御を実現する。専用高出力トロイダル型電源トランスをアナログ部とデジタル部に配置。電源の一次回路でアナログ部とデジタル部を分離する構成とし、低雑音と高出力の両立を実現している。
DACはバーブラウンの「PCM1794A」を左右に独立配置。並列型バランス回路を構成することで、正確な信号再生と高SN比を実現。サンプリングレートコンバータも搭載。さらに、マスタークロックにはTAD-D600で開発した超高C/NマスタークロックUPCGを搭載。サンプリングレートコンバータでリクロックを行なうことで高精度な音を実現する。
入力端子はアナログ4系統(バランス×2、アンバランス×2)と、デジタル3系統(バランス×1、アンバランス×1、USB×1)。デジタル入力の対応サンプリング周波数は44.1kHz~192kHz、USB入力は44.1kHz~96kHz。
USBからの音楽伝送信号では、ノイズ源となるPCのクロックジッタを除去したアシンクロナス転送方式を採用すると共に、独自開発のUSB転送エンジンにより転送制御を行ない音質向上を図っているという。
周波数特性は10Hz~100kHz(-1dB)、SN比は120dB。消費電力は37W(待機時0.5W)。外形寸法は440×393×140mm(幅×奥行き×高さ)、重量は23.5kg。リモコンが付属する。
■ TAD-M4300/M2500
TAD-M4300/M2500 |
TAD-M2500は、対称性やバランス増幅などのTADのコンセプトを継承しつつ、シンプルな構成でステレオを実現。さらに、TAD-M4300は同一回路を4ch内蔵し、バイアンプ駆動や4chの独立した駆動も可能にする。
対称性にこだわり、増幅回路には入力から出力まで完全独立した2台のアンプをバランス接続したBTL方式を採用。電源回路は、正負電源の対称性だけでなく、全ての電源回路をL/R独立設計としている。構造面でも電源トランスの配置や基板パターン構成だけでなく、配線の長さまで左右対称としているという。
定格出力はTAD-M4300が300W×4ch、M2500が500W×2ch。パワーMOS FETを採用したクラスD出力段で電力利用効率90%以上を達成。信号の立ち上がりが早く、応答性の良い音を実現するという。SN比は112dB以上、周波数特性は5Hz~50kHz、利得は29.5dB。入力はバランス、アンバランスを装備する。
シャーシはアルミブロックからの削り出しで、外部振動の影響を排除。本体を3点のインシュレータで支持することで、物理的な安定性を高めている。電源はトロイダル型トランスを使用したアナログ電源でSNを向上。整流回路は、専用に開発した33,000μFの電解コンデンサーと高速ショットキーバリアダイオードを採用し、立ち上がりが早く力強い音を実現するという。
消費電力はTAD-M4300が300W、M2500が250W。外形寸法は440×467×170mm(幅×奥行き×高さ)、重量は43kg。
(2010年 10月 20日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]