ラトック、無線USBオーディオアダプタ「REX-Link2S」

-非圧縮で10m高音質伝送。USBオーディオ体験会も


ワイヤレスUSBオーディオアダプタ「REX-Link2S」

 ラトックシステムは18日、冬期の新製品を紹介する展示会を開催。2.4GHzのデジタル伝送を用いて、PCの音声データを非圧縮でオーディオ機器にワイヤレス伝送するオーディオアダプタの新製品「REX-Link2S」を発表した。12月上旬発売予定で、価格は19,950円。

 対応OSはWindows 2000/XP/Vista/7、Mac OS 9.2.2、Mac OS X 10.1以降。Windowsは64bit版にも対応する。

 PCと接続し、USBオーディオとして動作する小型の送信機と、アナログ出力を備えた受信機で構成するシステム。PCの音声を、離れた場所にあるオーディオシステムへとワイヤレスで高音質伝送できる。

 2007年に発売された「REX-Link2」に続く新モデルで、最大の特徴は受信機のデザイン。従来の白と赤を使った丸みのあるデザインから、ブラックのキューブ型になった。「ユーザーの声を取り入れ、オーディオ機器とよりマッチするデザインを採用した」という。

 また、従来の受信機は背面にアナログ/デジタル兼用のライン出力端子を備えていたが、新モデルではアナログのみとなり、端子がRCA端子に変更された。これもオーディオ機器との親和性を考慮したものだという。また、受信機に搭載するDACもWolfsonの「WM8524」になっている。


右が従来の「REX-Link2」背面。出力がアナログのみでRCA端子となった

 伝送機能は従来モデルとほぼ同じで、2.4GHz帯を用いて、非圧縮のリニアPCM音声(16bit/44.1kHz/2ch)の転送に対応。圧縮する場合と比べ、音楽データをそのまま高音質で伝送できるほか、エンコード/デコードのタイムロスを抑え、素早いレスポンスを実現しているという。 伝送距離は最大10m。受信機には新たに外部ロッドアンテナを装備しており、より安定した伝送が行なえるという。受信機の外形寸法は57×54×57mmで、重量は約100g。電源は付属のACアダプタを使用する。

 送信機とPCはUSB 1.1で接続。Windows/Mac共にOS標準のドライバで動作する。電源はバスパワー。外形寸法は70×20×9mm(縦×横×厚さ)で、重量は約11g。

横から見たところ。外部ロッドアンテナを装備している底面。ゴムが配置されている使用イメージ
USBメモリのような形状の送信機会場でデモ再生している様子。右の手前に送信機を接続したPC、ほとんど見えないが左奥に受信機を接続したコンポが設置されている


■ USBオーディオ関連の展示も

 展示会場には、12月上旬発売のUSBオーディオトランスポート「RAL-24192UT1」(75,600円)など、既発表の新製品も展示。USB Audioの高速規格「USB Audio Class 2.0」に対応することで、24bit/192kHz音源にも対応したのが特徴。

 Windows PCでは、付属するWindows XP/Vista/7対応ドライバ(32/64bit両対応)をインストールすることで、USBオーディオデバイスとして認識され、iTunesやMediaPlayer、foobar2000などのソフトを用いて音楽再生が可能。Mac OS X 10.6以降の場合は、USB Audio Class 2.0ドライバが含まれているので、接続するだけで自動的にインストールされ、使用できる。

12月上旬発売の24bit/192kHz対応USBオーディオトランスポート「RAL-24192UT1」既発売の24bit/96kHz対応モデル「RAL-2496UT1」

 2個の独立した±25ppmの高精度水晶発振モジュール(22.5792MHz、24.576MHz)を搭載。パケットのデータ数からクロックを作成するのではなく、オーディオ専用クロックを基準としてアシンクロナスモードで動作することで、ジッタを低減。DACも24bit/96kHz対応の「RAL-2496UT1」が搭載している旭化成のものから、ウォルフソンの「WM8523」に変更。USBコントローラーも「TAS1020B」から、XMOS製のものになっている。

 ほかにも、USBオーディオ機器用のアクセサリも展示。USB外部電源供給アダプタ「RAL-EXTPW01」(27,300円)と、USB Hub「RAL-HUB02」(27,300円)。いずれもUSB DACやUSB DDCなど、パソコンからUSBバスパワーで電源を供給する機器に対し、安定した電源供給を可能にすることで、音質向上を図る製品。

右がUSB外部電源供給アダプタ「RAL-EXTPW01」、左がUSB Hub「RAL-HUB02」「秋のヘッドホン祭 2010」でも参考展示されていた、USBオーディオ機器用電源も展示。2011年前半の発売を予定しているという

 RAL-EXTPW01は、バッテリやACアダプタからの電源を、USBの電源ラインからUSBオーディオ機器に供給するためのアダプタで、本体内に単3電池×4本を内蔵可能。別売のACアダプタや、USBバスパワーの3種類の給電方法に対応する。本体内にノイズフィルタやバッテリの電圧を一定にする安定化装置を搭載している。

 RAL-HUB02も、パソコンとオーディオ機器の間に接続。PCからUSBオーディオ機器へUSBパケットが流れる際に生じる、わずかなタイミングのずれを補正。低ノイズ仕様のオーディオ用ACアダプタを添付し、良質なUSBバスパワーの供給を実現するという。



■ USBオーディオセミナーも開催

 なおラトックでは、同社のPCオーディオ系製品を体験できるUSBオーディオセミナーを12月23日に開催する。場所は東京・秋葉原にあるラトック東京支店内ショールームで、午前11時~午後12時30分の第1部と、午後1時30分~午後3時の第2部を実施。各部30人の定員制で、12月1日からラトックのホームページで受付を開始する。

 講師にPCオーディオに造詣が深い御田照久氏を招き、「USBオーディオによるハイレゾリューション音源の楽しみ方」について講演が行なわれる。


(2010年 11月 18日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]