デノン、AirPlay/DLNA対応のAVアンプ「AVR-3312」

-AirPlayは2モデルで対応。5万円の廉価機も


AVR-3312

 デノンは、AirPlayやDLNAなどのネットワーク機能を搭載した「AVR-3312」、「AVR-1912」など、AVアンプ3モデルを6月中旬より順次発売する。上位2モデルがAirPlay/DLNA対応で、エントリーモデルの「AVR-1612」は非対応となる。価格は50,400円~131,250円。


製品名チャンネル数AirPlay/DLNA発売日価格
AVR-33127.2ch7月上旬131,250円
AVR-19127.1ch6月中旬84,000円
AVR-16125.1ch-6月上旬50,400円

 上位2モデルではAppleのAirPlayに標準で対応し、iPhoneやiTunesで選択した楽曲を、ネットワーク経由で再生できるほか、DLNAにも対応。Windows 7搭載PC上のMP3/WMA、WAV、AAC、FLAC楽曲などをストリーム再生できる。また、iOS用アプリ「Denon Remote App」を使って、iPhoneやiPod touchからAVアンプの操作が行なえる。

 また、全モデルでiPhone/iPod対応のUSB端子も装備。3Dやオーディオリターンチャンネル(ARC)対応のHDMIやドルビープロロジックIIzにも対応。最上位モデルのAVR-3312はAudyssey DSXにも対応する。

 


■ AVR-3312

iPadからAirPlayで操作

 最大出力185W×7ch(6Ω時)のアンプ。サブウーファ用プリアウトを2系統備えた7.2chタイプとなっている。アンプは全チャンネル同一クオリティのディスクリート構成としており、厳選したパーツで構成。また、電源部には高速の整流ダイオードと大容量ブロックコンデンサを採用している。

 32bit処理に対応したDSPを内蔵。全チャンネルの音声を24bitクォリティで再現すると「AL24 Processing Plus」や、変換誤差を抑える高精度DACなどを従来モデルから継承しているほか、信号回路の最短化、ストレート化も徹底したという。

 HDオーディオ用デコーダに加え、Dolby Pro Logic IIzとAudyssey DSXプロセッサも備え、高さ方向の信号を出力するサラウンドサウンドが楽しめる。Audyssey DSXでは高さだけでなく、幅方向のサラウンド出力にも対応する。フロントハイト、ワイド専用のスピーカー端子を備えている。

 サラウンドバックチャンネル(L/R用)のアンプは、フロントのバイアンプ駆動用か、フロントハイト(L/R)のいずれかにアサイン可能。ゾーン設定されている時は、ゾーン2、ゾーン3にもアサインできる。

 入力信号と出力信号の位相を比較することでジッタを低減する「クロック・ジッター・リデューサー」も装備。内部でデジタル変換されたアナログ入力信号も含む、すべてのデジタル信号に対してジッタ低減ができるという。圧縮音源を高品位に復元するコンプレスト オーディオ リストアラー機能も搭載する。

 ほかにも、付属の専用マイクを使って、スピーカーの初期設定を自動で行なう「Audyssey MultEQ XT」や、音の大小をリアルタイムに調整する「Audyssey Dynamic Volume」、圧縮音楽ファイル再生時に、失われたディティールを補間再生する「コンプレスト オーディオ リストアラー機能」なども備えている。

 HDMI端子は入力7系統、出力2系統で、3DやHDMI CECにも対応。テレビのリモコンから電源ON/OFF、入力切り換え、ボリューム調整などが可能。スタンバイスルー機能にも対応する。対応メーカーはシャープ、パナソニック、東芝、日立、三菱、ソニー。アナログ映像信号をHDMIから出力するビデオアップコンバート機能も装備している。

 Ethernet端子を備え、DLNAのネットワーク連携機能も装備。Windows 7搭載のPCから、Windows Media Player 12の再生機器としてAVR-3312をリモート操作でき、PCやNASに保存した音楽/画像ファイルをネットワーク経由でアンプから再生できる。対応フォーマットは音声がMP3、WAV、AAC(DRM非対応)、WMA、FLAC。画像はJPEG。WAVは最高16bit/48kHzまで、FLACは24bit/96kHzまでサポートする。

 AirPlayにも対応し、無線LAN経由で、iPhone/iPod touch/iPad内の楽曲やiTunes内の楽曲の出力先として「AVR-3312」を選択できる。加えて、iOS用のアプリ「Denon Remote App」により、iPhone/iPod touchなどからAVR-3312を操作できる。

Denon Remote Appで操作

 iPod/iPhoneやUSBメモリを接続できるUSB端子も装備する。USBメモリ再生時の対応ファイルはMP3、WMA、WAV、AAC、FLAC。GUIを使ってのファイル検索も可能で日本語表示もできる。

 インターネットラジオにアクセスする機能も備え、ラジオ局のデーターベース「vTuner」が利用可能。デノン向けにカスタマイズされたリストからGUI画面を見ながら選局できる。AM/FMチューナも備えている。

 また、Windows 7搭載PCから、LLTD(Link Layer Topology Discovery)機能を用いて、AVR-3312を認識、PCのコントロールパネル上でAVR-3312の各種設定ができる。Windows 7以前のPCではWebブラウザからの制御が可能となっている。消費電力は670W(待機時0.1W)で、スタンバイ時は0.1W、CECスタンバイ時1W、CECパススルー時3W以下。外形寸法は435×382×167mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.8kg。


 


■ AVR-1912

AVR-1912

 最大出力140W×7ch(6Ω)のアンプ。サブウーファプリアウトは1系統の7.1chタイプ。全チャンネル同一クオリティのディスクリート構成となっている。HDオーディオ用デコーダに加え、Dolby Pro Logic IIzプロセッサーも装備し、高さ方向のサラウンド表現も可能となっている。

 付属の専用マイクを使って、スピーカーの初期設定を自動で行なう「Audyssey MultEQ XT」や、音の大小をリアルタイムに調整する「Audyssey Dynamic Volume」なども搭載。

 ネットワーク機能は、AVR-1912とほぼ共通で、AirPlayやDNLAに対応。Denon Remote AppによるiPhone/iPod touchからの操作や、インターネットラジオ「vTuner」や、Webコントロールにも対応する。

 ビデオアップコンバート機能やi/pスケーリング機能も装備。iPodやUSBメモリとの接続にも対応する。AM/FMチューナも装備している。HDMI端子は入力6系統、出力1系統。HDMI CECや3Dに対応する。消費電力は460W(待機時0.1W)で、スタンバイ時は0.1W、CECスタンバイ時1W、CECパススルー時3W以下。

AirPlayに対応背面

 


■ AVR-1612

AVR-1612

 最大出力130W×5ch(6Ω時)の5.1ch AVアンプ。全チャンネル同一クオリティのディスクリート構成となり、32bit DSPを内蔵。Dolby Pro Logic IIzプロセッサーも備えており、フロントハイトの拡張にも対応。ただし、出力はプリアウトとなるため、別途パワーアンプが必要となる。

 Audyssey MultEQ、Audyssey Dynamic Volume、コンプレスト オーディオ リストアラー機能、AM/FMチューナも備えている。日本語表示に対応したGUIも用意する。前面にはよく使うソースにあわせて音量の値を記憶できる「クイックセレクトボタン」を装備。

 iPhone/iPodにも対応したUSB端子を装備し、iPod内の楽曲や、USBメモリに記録したMP3、WMA、AACファイルなどが再生できる。HDMI端子は入力4系統、出力1系統。HDMI CECや3Dにも対応する。消費電力は360W(待機時0.1W)で、スタンバイ時は0.1W、CECスタンバイ時1W、CECパススルー時3W以下

iPhoneとUSBで接続背面
モデル名AVR-3312AVR-1912AVR-1612
最大出力185W×7ch140W×7ch130W×5ch
サブウーファプリアウト2系統1系統1系統
チューナFM/AM
HDMI入力764
HDMI出力211
消費電力
(待機時)
670W
(0.1W)
460W
(0.1W)
360W
(0.1W)
外形寸法
(幅×奥行×高さ)
435×382×167mm435×382×162mm
重量11.8kg10.3kg9.2kg

(2011年 5月 16日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]