【CEATEC 2011】“曲げ”と“ねじり”のTVリモコンなど
-DXアンテナは初の3Dテレビ。16層/512GB光ディスクも
8日まで幕張メッセで開催しているCEATEC JAPAN 2011に出展されていた発売前の新製品や、先端技術などをレポートする。
■ DXアンテナが同社初の3Dテレビを12月発売
3D対応の40型液晶テレビ「LVTN4UEU1」 |
DXアンテナは、液晶テレビのコーナーにおいて、12月に発売する同社初の3D対応液晶テレビ「LVTN4UEU1」を出展している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は79,800円前後。
フレームシーケンシャル方式の3D表示に対応する、1,920×1,080ドット/120Hzパネル搭載の40型液晶テレビ。3Dメガネは付属せず、現時点では、三菱電機製の3Dメガネに対応する見込みで、正式決定後に改めて案内するとしている。
地上/BS/110度CSデジタルダブルチューナを搭載し、番組を視聴しながら裏番組を別売USB HDDに録画可能。SDカード内のAVCHD動画再生や、JPEG再生も行なえる。
ネットワーク機能では、アクトビラ ビデオ・フルやTSUTAYA TVのほか、三菱製テレビが対応している「GIGA.TV」に対応。GIGA.TVは、NTTドコモ携帯電話との連携が可能なサービスで、携帯電話で視聴していた番組の続きをテレビで観るといった利用が可能となっている。。
3D対応モデル以外にも、USB HDD録画に対応した19型「LVW19EU1」、22型「LVW22EU1」、32型「LVW32EU1」の3モデルを12月より発売。店頭予想価格は、19型が29,800円前後、22型が34,800円前後、32型が49,800円前後の見込み。アクトビラ ビデオ・フルやTSUTAYA TV、GIGA.TVなどに対応する。
3Dメガネは別売 | USB録画対応モデル。上が32型、下の左が22型、右が19型 | 壁面設置用の薄型アンテナも |
■ “曲げ”と“ねじり”でテレビを操作するリモコン
村田製作所の「リーフグリップリモコン」 |
村田製作所のブースで注目されていたのは、手で曲げたり、ねじったりする動作でテレビのチャンネルなどを操作できる「リーフグリップリモコン」の展示。
PSPほどの大きさのコントローラを両手でねじることでチャンネル上/下が行なえ、素早くねじると入力切替、曲げると音量UP/DOWNとなる。素早く曲げる、または片側を持って振る動作により電源ON/OFFが可能。
このリモコンには「曲げ検知用圧電フィルム」と「ねじり検知用圧電フィルム」の2つのセンサーを使用。圧電フィルム自体は透明で、これら2つのフィルムの間に太陽電池を挟んでおり、光発電で動作する。グリップ部の片側に送信回路/センサー回路を、反対側に2次電池や電源回路を備える。
主な用途はテレビのほか照明、エアコンなどのリモコン、ゲーム用コントローラが考えられるが、圧電フィルムのサイズはさらに小さくしても動作するため、「指先で曲げて操作するリモコン」も実現可能だという。
ねじる操作でチャンネル上/下。ねじる方向で順逆が変わる | 曲げる方向で音量を増減 | 片手でも電源ON/OFFできる |
使用している圧電フィルムは透明 | こちらは太陽電池を内蔵しないもの。パソコン画面に映っている人物が、リモコンで曲げ/ねじる方向に体をひねったり、曲げたりする |
■ 多層記録の光学メディアなど
TDKブースでは、放送局などの大容量データをアーカイブする利用を想定した、16層/512GB記録の光ディスク技術を出展。
同社はこれまでも多層ディスク技術を発表していたが、全ての記録層にアドレス情報などを記録するグルーブ(溝)を設けていたのに対し、今年開発されたものは、ガイド層のみにグルーブ記録層を持つようにしたことで、グルーブ転写用のスタンパが不要となり、製造時のコスト削減が可能になるほか、信号特性の向上や、試験/検査項目の減少が見込めるという。
なお、既存の記録/再生装置とは異なり、読み取りレーザーはこれまでの1本から2本同時に照射する形を採用。1本をフォーカスサーボ/記録/再生に割り当て、他方をトラックサーボに割り当てる。用途としては、放送業務やデータセンターのほか、医療や公的機関のアーカイブなども想定している。
TDKの16層/512GB光ディスク試作品 | 内部構造の進化 |
太陽誘電の薄型光ディスク |
太陽誘電は、基板の薄さ0.1mmで25GB記録でき、80枚重ねて2TBのカートリッジにするという大容量メディアを出展。
薄くすることで大容量記録を実現するだけでなく、剛性が低いことから高速回転時の反りの影響をキャンセルでき、安定した記録ができるという。
また、大容量化を追求し、4層128GB×20枚で2.5TB、8層256GB×20枚で5.1TBという多層化技術も開発中。「1枚を薄くしてカートリッジへ数多く搭載」、「ディスクの多層化でカートリッジに収納」という2つのアプローチで、アーカイブ用途の保存コストの削減などを目指す。また、光ディスク単体で256GBという大容量化についても開発していくという。
回転していない状態では、両端がしなるほど薄くて柔らかい | 回転時は平らになる | 多層光ディスクの試作品 |
日本アンテナのブースでは、AM/FM + GPS対応(左)などのシャークフィン型車載アンテナを参考出展。市販製品では、車載テレビ向けのシャークフィン型アンテナは存在するが、AM/FM対応はまだ無いとのこと | マスプロ電工のブースには、ミッキーマウス型などディズニーキャラクターのアンテナを展示 |
(2011年 10月 6日)
[AV Watch編集部 中林暁]