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ソニー・ホンダ「AFEELA 1」からホンダF1「RA272」のサウンド。「e-Motor Sound」聞いてきた
2026年3月19日 17:25
ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は、モビリティ開発環境のオープン化を進める「AFEELA共創プログラム」の一環として、ホンダのF1やMotoGPといったモータースポーツ活動を担うレース子会社、ホンダ・レーシング(HRC)とのコラボレーションを開始した。そのコラボ第1弾として開発を進めているホンダ初のF1優勝マシン「Honda RA272」をモチーフとしたAFEELA 1の車内演出機能の体験や、特別ラッピングカーを公開した。
このRA272デザインの特別ラッピングカーとRA272の実車は、3月20日から29日までの期間限定で、東京・銀座にあるG735 Galleryで展示、一般公開される。時間は11時~19時で、毎週火曜日が定休。会場住所は東京都中央区銀座7丁目3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル 1F。
なお、車両の見学や外観撮影は誰でも可能だが、車内デモンストレーションは事前予約した招待者のみ参加できる。
一般公開に先立ち、3月19日にはメディア向けの取材会が行なわれ、コラボレーションの概要などが紹介された。
SHMでは、「クルマの枠を超えてモビリティの可能性を拡張していくためには、多彩なパートナー企業やクリエイターとのパートナーシップが重要である」という考えのもと、AFEELA共創プログラムを展開している。今回は世界最高峰のモータースポーツで勝利を追求し続けるHRCと共創することで、「レースへの情熱というレガシーと、未来を切り拓く挑戦の融合による、新たな感動体験の提供を目指す」とのこと。
コラボレーションでは、SHMの電気自動車であるAFEELAの車内空間を演出する機能である「テーマ」の開発を進めている。具体的には、HRCのテーマを選択すると、メータークラスターやアンビエントライト、車両のフロント部分にある「Media Bar」や車内ディスプレイがRA272をモチーフとしたデザインに変化。
さらに、HRCコラボのテーマを選択するとRA272のエンジン音を再現した「e-Motor Sound」が車内に流れる。現在はアクセル操作と連動するe-Motor Soundの開発を進めているとのこと。
このRA272は1965年のF1に参戦したマシンで、ホンダの第1期F1活動ではRA271に続く2作目の自製マシン。1作目だったRA271と同じく1,500ccのV型12気筒エンジンを搭載しつつ、各部に改良が施されたことで戦闘力が向上。シーズン終盤には発展型も投入された結果、同年のF1最終戦メキシコGPでエースドライバーのリッチー・ギンサーが優勝。ホンダにF1初優勝をもたらした。
AFEELAのe-Motor Soundで使用する音源は、ゲーム「グランツーリスモ」の開発で知られるポリフォニー・デジタルと、元ホンダの二輪ワークスライダー・宮城光氏の協力のもと、栃木県にあるモビリティリゾートもてぎで、RA272の実車を使って収録したものが使われている。
マイクを装着した実車をコースで走らせ、「当時“ホンダ・ミュージック”とも称された、1.5リッターV12エンジンが奏でるエンジン音を収録している」という。
デモンストレーションでは、AFEELA 1の「テーマ」をHRCに変更すると、運転席前のメーター表示や助手席側のディスプレイ、後部座席のディスプレイなどがコラボ仕様に変化。あわせてRA272の実車から収録した「e-Motor Sound」のプレビュー音が再生される。
AFEELA 1では、車体設計の段階からオーディオにもこだわった開発が行なわれており、車室内には合計28基のスピーカーを搭載。Dolby Atmosによる空間オーディオやハイレゾ再生にも対応する高品質なシステムとなっており、RA272のエンジン音も耳をつんざくような暖気音から、パワフルに吹け上がっていくところまで、実車と変わらないようなエキゾーストノートを体験できた。
なお、SHMでは、この“ホンダ・ミュージック”を使って開発中のプレビュー音(テーマを切り替える際に再生される「e-Motor Sound」のプレビュー)やテーマの切り替えイメージをWebサイトで公開中。
HRCコラボの意図は「レースへの情熱とモビリティへの情熱のかけ合わせ」
19日に行なわれた取材会では、SHMの商品・サービス企画部でゼネラルマネジャーを務める纐纈潤(こうけつ じゅん)氏が登壇。e-Motor Soundについて「(AFEELA 1は)電気自動車なのでエンジン音はありませんが、加速・減速、スタート・ストップといった(走行)データはあるので、そのデータを使ってエンジン音を面白く生成していくことを考えている」と説明する。
「世界最高峰のモータースポーツのなかで勝ちにこだわって活動しているHRCと、最先端の技術や多様な知見でモビリティの将来を考えているソニー・ホンダモビリティという2社の共創する。レースへの情熱とモビリティへの情熱をうまくかけ合わせて、いろいろな可能性を探っていて、その第1弾としてのお披露目となります」
今回のコラボでRA272という車両をピックアップした理由について、纐纈氏は「F1に参戦して2年という短期間で優勝している。しかも、全然それまで入ったことがない領域に参戦して、かなりの短期間で結果を出したところにチャレンジ精神を感じている」と明かした。
「モータースポーツ、特にF1においてはとても短いスパンで開発を進まなくてはいけませんし、しかもその結果がすぐにレースでの優劣として出てきます。この繰り返しと、限られた時間のなかで開発を終えるということは、技術者を育てるために必ず必要であるという、本田宗一郎氏の思いをもとに(ホンダは)F1参戦を決めました」
「やってみないと分からないことに挑戦して、失敗したら変えていくというアジャイルな考え方は現代でも通用する考え方だと思っています」

























