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NEC、メガネ型HMD採用の作業システム「テレスカウター」

−HMDと動画再生対応端末で40万円〜。将来はAR活用も


装着例。外付けのカメラや、Bluetoothヘッドセットも併用した場合

 NECは、メガネ型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と小型端末で構成する業務用のウェアラブル(身体装着式)コンピュータ「Tele Scouter(テレスカウター)」を10月17日より発売する。

 主に工場などの現場作業支援を想定。1台単位で販売しており、HMDと専用端末を組み合わせた価格は税別で40万円から。遠隔地からの指示などをHMDに表示できるソフト(サーバー/クライアントソフト)が税別199万円から。出荷は12月26日より開始する。

 NECの「Tele Scouter」は、2009年10月に事業化が始まったもので、メガネ型のディスプレイと小型コンピュータで構成するという基本の仕組みは新モデルと共通だが、新モデルはHMDにブラザー工業製の「AirScouter(エアスカウター)」を採用し、画質/視認性が向上。12ポイントの細かい文字まで判別可能になった。なお、近視用など通常のメガネに投写することも可能で、レンズの無いフレームも用意する。また、コンピュータ部分の大きさと重さが従来の50%となり、作業者の腰ベルトに装着してハンズフリーで作業可能としている。


メガネ型HMD(右)と専用のウェアラブルコンピュータ(左)

 専用ソフトと組み合わせることで、工場などにいる作業員に対し、離れた場所からネットワーク経由で映像と音声を使った指示が送れるほか、参考用に、熟練作業員の映像を見ながら、視線を外すことなく作業するといったことが可能。別途カメラを接続することで、作業者の見ている映像をオペレータに送りながら作業することで、事故やトラブルを未然に防げるという。

 HMDの「AirScouter」は網膜走査型のメガネ型ヘッドマウントディスプレイで、光源部に高精細の液晶パネルを採用し、光源からの画像をハーフミラーで反射させて映像を表示。これにより目の前(1メートル先に16型相当)に映像が存在しているように感じられる。また、映像の先の視界も妨げないようにしている。

 ディスプレイ部の液晶は透過型で解像度は800×600ドット。ピントは約30cm〜10mで調整できる。外光透過率は約50%。ディスプレイ部分の外形寸法/重量は75×40×35mm(幅×奥行×高さ)/64g。コンピュータとHMDは専用ケーブルで接続。電源もコンピュータからHMDに供給される。

ディスプレイに「AirScouter」を採用 HMDで映像を見たところ。実際にメガネを掛けると、その先のディスプレイにフル画面で表示できる フレームのみのメガネも用意
装着イメージ 主な特徴 利用シーンの例
専用サーバー/クライアントソフトを使った作業支援のデモ 装着者に見える映像 遠隔地にいるオペレータの映像。これに矢印などを手書きで書き込んで指示できる

 コンピュータ部は、IEEE 802.11a/b/gの無線LANやBluetoothを備え、無線で映像/音声通信が可能。動画/音声のデコーダも備え、増設用のmicroSDスロットを利用して、カード内のファイルを再生できる。対応コーデックは動画がWMV9、MPEG-4 AVC/H.264、音声がWMA、MPEG-2 AAC。

 CPUはARM(500Hz)で、メモリは256MB。ブート用に2GBメモリを備える(ユーザー領域1.7GB)。OSはWindows CE 6.0 R3 Professional。ステレオミニのマイク入力/イヤフォン出力、カメラ接続用のインターフェイスも備える。バッテリを内蔵し、連続4時間以上動作。外形寸法は140×90×55mm(縦×横×厚さ)、バッテリを含む重量は約360g。

 この製品は11月10日から11日まで、東京国際フォーラムで開催される「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2011」に展示する予定。

HMDに接続するコンピュータ 入出力端子部 従来端末(左)から小型化/軽量化した


■ クラウド活用でARなどの用途も

 Tele Scouterの販売目標は、3年間で1,000システム。今後はニーズにあわせたアプリケーションソフトウェアの開発やカスタマイズを行なうほか、ソフトウェアベンダに対しても開発環境を提供。さらに、クラウドサービスと合わせての提供も検討する。

 操作方法も今後改善していく予定で、ジェスチャー操作や、“腕をタップする”といった操作の採用も検討しているという。

 現在は主に業務用途を想定しているが、将来的にはAR(拡張現実)と組み合わせた利用も視野に入れている。例えば、ARと顔認識機能、クラウドとの連携により、パーティー会場などで会った初対面の人の情報を瞬時にHMDに表示することが可能になるほか、ある人が、過去にどのような商品を買っていたかといった情報を取り出すともできるという。

 NECのプラットフォームマーケティング戦略本部の永浜公太郎マネージャーは、「小型のコンピュータと組み合わせるだけではなく、バックグラウンドのクラウドサービスと組み合わせることで、エンターテインメントなどの世界に持っていけるのでは。それは5年、10年先という遠い将来の話ではない」と実現に意欲を見せた。

NECの永浜公太郎氏 AR活用のデモ。会った人の誕生日や趣味などの情報が、HMD上に表示された


(2011年 10月 17日)

[ AV Watch編集部 中林暁]