リコー、3D対応/小型軽量の超短焦点DLPプロジェクタ

-11.7cmで48型を投写。iPad連携対応


IPSiO PJ WX4130N/WX4130

 リコーは、超短焦点の業務用DLPプロジェクタ「IPSiO PJ WX4130N/WX4130」を11月18日より順次発売する。WX4130Nはネットワーク対応、WX4130はネットワーク非対応のモデルで、それぞれの発売日はWX4130が11月18日、WX4130Nが2012年1月10日。

 価格はオープンプライスで、想定価格は、WX4130Nが25万9,800円前後、WX4130が23万9,800円前後。1年間無償保証と2年間保守が付いた「3年安心モデル」も用意され、想定価格はWX4130Nの場合26万800円前後、WX4130は25万5,000円前後となる。発売日はそれぞれの通常モデルと同じ。

 本体背面から投写面まで最短11.7cmで48型を表示可能な超短焦点プロジェクタ。外形寸法は257×144×221mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3kgで「ミラー反射式の超短焦点プロジェクタで世界最小/最軽量」(同社)としている。企業などの会議や教育現場などでの利用を想定する。WX4130NとWX4130の違いは、WX4130Nのみ有線/無線LANに対応するほか、USBメモリ内の動画/静止画の投写も可能な点。

 超短焦点の技術として、広角化のために一般的な凸面ミラーではなく、凹面ミラーを採用したことが特徴。レンズから出る光束の広がりを抑えるために一度“中間像”を形成させ、その中間像を凹面ミラーの反射屈折力で拡大投写する。この技術により超至近で大画面投写を可能にした。また、この凹面ミラーには新規開発の自由曲面ミラーを採用。自社開発により設計の自由度を高め、小型化を実現した。

 デバイスはDLPで、パネルは0.65型/1,280×800ドット(16:10)。光源は高圧水銀ランプ(標準モード時225W/エコモード時170W)を使用し、明るさは2,500ルーメン、コントラスト比は2,500:1。レンズは単焦点で、最大投写サイズは80型(投写距離24.9cm)。「DLP Link」による3D表示にも対応。3Dメガネは別売で、2012年1月に発売予定。価格は税別15,000円。

奥行き144mmの縦型筐体レンズと操作ボタンは天面に備えるボードに投写したところ

 同社の従来モデルと同様に、iPad用アプリ「RICOH TAMAGO Presenter」と連携可能。このアプリはプレゼンテーション時に、説明者の手元にあるiPadと、ネットワーク内にあるプロジェクタや他のiPadを同期できるもので、説明者がページをめくると、プロジェクタや他の参加者が持つiPadのページもめくられる。そのほか、ビデオ会議用端末「リコーユニファイド コミュニケーション システム P3000」と組み合わせることにより、省スペースでビデオ会議が行なえるとしている。

 WX4130Nの無線LANはIEEE 802.11a/b/g/nに対応。有線/無線LAN接続時は、付属ユーティリティソフトで1台のPCから最大4台のプロジェクタに同じ資料を投写できる。リモート管理サービス「@Remote」に対応し、故障時の自動通報やランプ交換お勧めサービスなどを受けられる。USBメモリから再生可能なファイルは動画がMPEG-2、静止画がJPEG。

 入力はHDMIとアナログRGB(D-Sub 15ピン)、コンポジット、アナログ音声(ステレオミニ)を各1系統装備。本体に出力2Wのモノラルスピーカーを内蔵する。

 消費電力は、WX4130Nが300W/228W以下(標準モード/エコモード)、WX4130が291W/222W以下(同)。WX4130Nのネットワーク待機モード時は0.46W以下、両モデルの通常待機時は0.17W以下。キャリングケースやリモコンが付属するほか、WX4130Nにはマウスリモコンレシーバも同梱する。

独自の自由曲面ミラーや屈曲ミラーなどを採用iPadとアプリ「RICOH TAMAGO Presenter」を使ったプレゼンが可能ネットワーク機能で様々な機器と連携できる
側面の入力端子部反対側の側面USBメモリを接続して、動画/静止画ファイルを投写可能


■ 低価格なコンシューマモデルや4Kも計画

近藤史朗社長(右)と、花井厚氏(左)

 リコーは2009年まで、複合機などの顧客から要望があった場合に他社のプロジェクタを販売していたが、販売台数の増加を受けて、2010年10月に自社製のプロジェクタ第1弾4モデルを発売。2010年の販売台数は他社モデルを含め前年比150%に拡大した。

 2011年度は、10月25日に発表したモデルと今回の新機種を含めた計7機種の展開で、販売台数は前年比180%(他社製含む)と予測している。今回発表された新モデルの国内における想定販売台数は1,000台/月。同社の国内販売実績によれば、6割が新規顧客で、複写機やプリンタに比べ市場拡大の余地は大きいと見ている。

 近藤史朗社長は、「新しいデバイスと共に、“新しい働き方”も提案していく」とし、超短焦点による会議の省スペース化や、ネットワーク対応によるクラウド活用など、様々な活用シーンを提案。ユーティリティソフトをインストールせずにネットワーク接続できるといった簡単さや、独自の保守サービスも合わせて優位性としてアピールした。

 なお、今回の超短焦点モデルは高付加価値モデルと位置付けられているが、今後は低価格なコンシューマモデルも計画。「家で映画を観る、デジタルカメラで撮った写真を観るという用途があることから、コンシューマ市場での販売も考えている。その場合は、お買い上げいただける価格まで持っていく」(近藤氏)とした。

 さらに、4K解像度を持つ上位モデルについても「今後ラインナップに加えていく予定」(同社NA事業部 PJS事業センターの花井厚所長)とした。

様々な用途を提案。写真はビデオ会議システムと組み合わせたところ会社の受付などでの利用ショーウィンドウで、ファッションと映像を組み合わせた展示も


(2011年 11月 7日)

[AV Watch編集部 中林暁]